今日は2018年5月4日のGW中に登った、八ヶ岳の編笠山と西岳の山行を記録したいと思います。
編笠山について
編笠山(あみがさやま)は山梨県北杜市にある標高2524mの山です。
八ヶ岳連峰の最南端に位置しています。
名前の由来は、編み笠を伏せたような山容から来ています。
山頂部はハイマツの限界域で、火山でできた岩石帯で覆われており、360度の眺望を楽しむことができます。
山頂からは、赤岳を中心とした南八ヶ岳の山々、蓼科山などの北八ヶ岳の山々、日本アルプス、御岳山、乗鞍岳、金峰山などの奥秩父の山々、そして富士山を望むことができます。
権現岳との鞍部にある青年小屋の周りには、夏になるとヤナギラン、グンナイフウロ、ヤマハハコ、シナノオトギリなどが咲き誇ります。
主な登山口は観音平と富士見高原スキー場の2つです。
参考:
編笠山 - あみがさやま:標高2,524m-八ヶ岳周辺:八ヶ岳連峰 - Yamakei Online / 山と溪谷社
西岳
西岳は長野県諏訪郡富士見町にある標高2393mの山です。
八ヶ岳連峰の南西端に位置しています。
編笠山と同様に、編み笠を伏せたような山容が特徴です。
山頂は一部が岩石帯になっていますが、北東側には木々も茂っており、南八ヶ岳主峰の山々の眺望はあまりききません。
登山道もほとんどが樹林の中を進むため、八ヶ岳の中でも登山者の少ない山となっています。
しかし登山道は初心者向けの歩きやすいものとなっており、山頂からも南アルプスや富士山の絶景を望むことができます。
主な登山口は富士見高原スキー場と舟山十字路の2か所です。
参考:
西岳|日帰りで登れる八ヶ岳!登山コースと編笠山縦走コースまとめ|YAMA HACK
八ヶ岳プチ縦走
GWに実家に帰省して八ヶ岳に登りました。
今回は南八の編笠山から青年小屋を経由し西岳から降りるルートをいくことにしました。
富士見高原から編笠山
編笠山登山は観音平から登るのが一般的ですが、今回は周回するため富士見高原から登りました。
日の出前に富士見高原ゴルフコース前の駐車場に到着。
駐車場は無料で100台ほどとめられそうです。
着いたときは車2台ほどしかありませんでした。
駐車場の時点で標高は1300m程あるので、5月の日の出前なんて寒くてしょうがないです。
フリースの上にレインウェアを羽織って完全装備。
それでは出発!!
天気は曇り。頂上では晴れてくれると信じて…
登山口からかなりの間、樹林帯を縫うように登ります。
初めは蛇行する林道をショートカットするように登りますが、林道がなくなるといかにも八ヶ岳らしいコケと白樺の森が広がります。
八ヶ岳独特の雰囲気、とても好きです( ^ω^ )
しかしこの白樺道、思ってたより長く続きました(汗)
歩けど歩けど変わらぬ景色。
地味に疲れる勾配で足に負担がかかります(゜.゜)
太陽は雲から出たり入ったり。
雲に隠れると森の中は暗くなって、静まりかえった登山道に不穏な空気が流れます(笑)
そういえばここまで登山者に1人しか会ってないな。。。寂しい。。。
ふと気づいたとき、左足の股関節に痛みを感じるようになっていました。
登りで足を上げる瞬間になんとも言えない痛みが走ります。
この痛み…去年登った硫黄岳・横岳の時にも出たのを思い出しました。
しかしその時は下山したら全く痛みが出なくなったので、今回も大丈夫だろうとたかをくくって歩き続けてしましました。
後にこれがとんでもないことになるとは知る由もなかったのです…。
まだ我慢できる股関節痛は気にしないようにして、代わりに途中から出現し始めた霜柱や薄く張った氷を心配しながら標高をかせぎます。
すると樹林帯の中に、人の身長をゆうに超える大きさの岩たちがごろごろと現れました(/・ω・)/
凍っているところはつるつるしていて、下手に乗ると危険です。
神経を使ってゆっくり登りました。
すると樹林帯を抜けました。
想像してたのと全然違くてびっくり(笑)
岩が大きいんです。
そしてそれまでの森の中では気づかなかった風が、猛烈なスピードで吹き荒れていました。
レインウェアをフードまですっぽりかぶって暴風体制(笑)
この岩場を登り切れば頂上です、がんばるぞ~。
(岩の大きさはこのくらい)
雲の所為であたり一面真っ白で、ただただ暴風で、これは頂上も残念なことだろうなと思いながら、何気なく後ろを振り返ると…
Wow!
雲が突然切れて、南アの裾と町が姿を現しました。
さらに、これから行く西岳も…!!
吹き荒れる風。移り行く雲。
で、でた~~~~!!!
国民的アイドル、ふじさま。
薄い雲のベールをまとって遠くにどっしりと腰を据えていました。
雲の影もものすごいスピードで動いていきました。
高度感…!
とても長い時間この景色に見入り、はっとしては写真を撮り。
歩きだしても後ろが気になり、振り返っては立ち止まって写真を撮り。
吹きさらしの岩場をゆっくりゆっくり登りました(笑)
そして気が付けば、編笠山の頂上標識が目の前に立っていました!
2524mに到達(*‘∀‘)
ここで気づいたのが、観音平側から登ってきた登山者がとても軽装だということ。
こんなに風が強いのにハーフパンツはツワモノだなあと思い、観音平に続く登山道側の斜面に行ってみると…
あれ、風がない。
面白いほど風がないんです。
私たちはあんなに吹きさらしにされながら苦労して登ったというのに、南斜面はほぼ風が吹いていませんでした。
不思議ですよね。
数m単位で風の向き、強さが変わる。
頂上では(あまりお腹は空いていませんでしたが)持ってきたあんパンとかチョコレートとかをちょこちょこ食べました。
それにしても雄大な景色です。
南アが隠れてるのは少々残念ですが(´Д⊂ヽ
ジオラマ風に撮影した町。光と影と。
お、茅ヶ岳。
茅ヶ岳ってほんと「ニセ八ヶ岳」ですよね(笑)
でもその後ろに、何倍もの大きさのホンモノの八ヶ岳があるんですよね(笑)
編笠山から西岳
さて、ここから青年小屋に下ります。
小屋に通じる登山道は北斜面。
う~ん雪がすごい。
一見大したことのないように見えるのですが、写真左下の踏み抜き跡を見ればわかるように、結構厚く積もっていました。
しかもかたい雪。
軽アイゼンを装着しました。
雪道でベテランっぽい男性に追い抜かれました。
まるで平地を歩くかのようにすたすたと下って行かれました。
慣れていらっしゃる~。
時々出てくる岩や木にアイゼンが引っかかってなんとも言えない気持ちになったりして(笑)、でもアイゼンを利かせて凍った雪を下るのが楽しくて、夢中になって歩いていれば青年小屋はもうすぐそこにありました。
(ジオラマ風で撮影)
ここで脱アイゼン。
編笠山中腹から青年小屋まではまた岩稜帯です。
青い屋根が映える青年小屋につくと、雪が降りだしました。
さっきよりはおさまったとはいえ、風はまだ強いです。
ベンチで休憩していると、観音平方面から登ってくる1人の男性の姿がありました。
ここから編笠山に行くそうです。
「上も風吹いてますか?」と聞かれたので強風であることを伝えると、登頂をかなり迷われていました。
こんなに寒いとは思っていなかったそうです(笑)
その気持ち、わかります…。
結局男性は1人で登って行かれました。
がんばれ~~~(=゚ω゚)ノ
私たちも青年小屋を出発。
当初の予定だった権現岳は、見る限り頂上に雲がかかっていること、雪が降っていること、そして私の股関節がやばそうだということで、次の機会に持ち越しとなりました。残念…。
青年小屋のテント場を突っ切って(そういえばキャンプしてる人いた。こんな寒い中テントで寝て何が楽しいのだろうか。。寒中キャンプが楽しめる人に私もなりたい。)西岳へのルートに入りました。
はい、アイゼン装着。
しかしまあ、この道が酷だった…。
何でもない山道なのに、足を進めるごとに痛みが増す股関節。
靴底を地面から離し、太ももをお腹にひきつけて足を前に出す瞬間に痛みます。
触っても押しても全く痛みはないのに、登る動作がとても痛いのです。
しかしどうすることもできないので、痛みをこらえて進むしかありませんでした(泣ける)。
編笠山ー西岳間は足が痛くて全く余裕がなかったので写真全然ないです(笑)
道の状態としては、雪が出たり土が出たりで数回アイゼンの脱着をしました。
雪なら雪で、ずっと積もっててくれよ~…(笑)
西岳、なんとかたどり着きました。
到着したときは山頂には2,3グループいましたが、お湯を沸かしてスープを飲んでいるうちに私たちだけになりました。
さっき登ってきた編笠山。(と、右側に富士)
赤岳の天狗がかろうじて見えました。槍ヶ岳みたい。
しばらくぼーっとしていたら、それまですっぽり雲の中だった南アが姿を現し始めました。
鋸岳。
ボルダリングはしたことあるのですが、ロッククライミングはさすがに経験がないので楽しさはまだわからないなあ。
というか、ロッククライミングに手を出したらなんか終わりな気がする…。
やはりアルプスはかっこいい。
南アは入笠山くらいしか登っていないので、時間ができたら登りたいです。
どうっでもいいんですけど、山に対して「かっこいい」という表現はおかしいと友達に指摘されたことがありました。
…おかしいの…??
私は厳冬期の富士を見て、「イケメン、イケメン!」と連発したことがあるくらい、山に対する最上級の誉め言葉は「かっこいい」だということを信じて疑いませんよ!!!!(笑)
西岳から富士見高原
さて、頂上で景色を眺めていると時間の流れる早さは倍です。
気づけばお帰りの時間でした。
ここで気づいたのが、登山時はあんなに痛かった股関節が、下山時は全く痛くないこと。
不安は残るものの、ちゃんと下れそうなのでとりあえずよかった… 全く不思議な痛みです。
森。
下りも永遠と続く森の中をひたすら歩き続けました。
正直疲れた!
もう少しで着きそうだ、もう少しだ、と考えていると時間が永遠のように感じます(笑)
下山は無心のほうがいいのかもしれません(^▽^;)
無事下山しました。
麓から見る八ヶ岳も最高にかっこいい!
反省
もっと事前知識を得るべきだったということ。
この時期の八ヶ岳は冬にも夏にもなり得るということを、もっと危機感的に踏まえて準備をするべきでした…。
感想
GWに八ヶ岳レベルの山に登れるとはあまり想像がつかなかったのですが、ちゃんと準備をしていけば登れるものですね!
服装については、レイアリングが難しかったのですが、防寒面では成功したと思っています。
しかし、風が強かったり曇りだったりしたので、履いていた「ロンスパ+ハーフパンツ」はいまいちでした。
まだ5月の八ヶ岳はロングのトレッキングパンツが適してますね…。
南八ヶ岳は中級~上級の山だと思っていて、その山を雪の降る中アイゼンをつけて歩くというのはなんだかとっても新鮮でした。
まるで上級登山者になったような気分を味わえました(笑)
いつかはテントを背負って南八ヶ岳を縦走したいです。
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