今日はタイトルの通り、「山の知識検定」という検定を受けてきたのでそれについて書きます。
山の知識検定について
平成23年に始まり、今年(平成30年)で8回目となるまだ歴史の浅い検定です。
検定の目的は、山の知識を学ぶことによって遭難事故を防止し、山の自然を守って楽しく山に登ることを提唱するためだそう。
検定コースは3段階あり、難易度が簡単な方から、ブロンズ認定・シルバー認定・ゴールド認定となっています。
ブロンズに合格できればシルバー受験資格が与えられ、シルバーに合格できればゴールド受験資格が与えられるという仕組みなので、いきなりゴールドから受けることはできません。
ただ、ブロンズとシルバーは同時に受けられるようになったので、早く取りたい!って方には便利です。
問われる問題は大きく分けて以下の3つです。
1.山の安全に関する知識
2.山の自然科学に関する知識
3.山が楽しくなる知識
検定会場は今のところ、東京、大阪、名古屋の3か所で、毎年11月に行われています。
気になる受験料ですが、2018年11月現在では
ブロンズ:3240円
シルバー:4320円
ブロンズ・シルバー同時受験:7020円
ゴールド:5400円
となっています。10円刻み、細かい。
検定概要については下記の公式サイトを参考にしてくださいまし。
検定を受けた理由
そもそも、なんでこんなマニアックで何にも使えないような検定を受けたのかというと。
最近受けもしない検定の参考書を購入して勉強するのにはまっていて(変わり者)、なんか検定ないかな~と思っていた時に偶然モンベルのチラシで見つけたのがこの検定だったんですね。
わたしは山を愛してやまないので、この検定はめちゃくちゃ面白そうではないか!という、言ってしまえばいわゆるノリというやつでした。
いやほんと、こんな検定受けても何にもならないんすよ…。
ただちょっと登山についての知識が増えるだけ、完全な趣味の世界。
勉強方法
なんにもならない検定でも、受けるからには受かりたい。
ということで、結構まじめに勉強したので、わたしの勉強方法を記録しておきたいと思います。
わたしはブロンズ認定で申し込みをしたので、ブロンズに合格するための勉強方法としてご紹介させていただきます。
結論から言うと、
・登山雑誌や登山に関する本を読む
・山に登る
・『安全登山の基礎知識』を読む
・過去問を解く
をやりました。
順を追って説明します。
登山雑誌や登山に関する本を読む
これは別に検定のためにやったことではないのですが、結果的に役に立ったというところです。
毎月、ワンダーフォーゲルとかPEAKSとかランドネとか、登山についての雑誌が出ますよね。
あれを本屋さんに行って立ち読みするだけです。
超簡単、むしろ毎月の楽しみ(/・ω・)/
雑誌って、見やすいし流し読みしやすいし、それでいて案外「へ~」と思うようなことが書いてあるしで超便利ツールです。
あとは、雑誌だけではなくて書籍も役に立ちます。
山岳小説も良いですが、検定のためと考えるともっと実用的なヤツになります。
以下はわたしが(勝手に)山の知識検定に使えそうだと思った本や雑誌です。
参考までに。
・『やさしい山のお天気教室』
天気図の見方とか、各季節の天気傾向とか、山に登るための天気判断の基礎知識が書かれています。
天気初心者向け。
・『やってはいけない山歩き』
山を安全に楽しむためのベースとなる考え方と実践ノウハウが解説してあります。
これは結構参考になりました。
・『山のリスクマネジメント』
山のリスクマネジメントBOOK―これだけは覚えておきたい危機管理術の基本 (CHIKYU-MARU MOOK TRAMPIN’ PLUS)
- 出版社/メーカー: 地球丸
- 発売日: 2017/01/27
- メディア: ムック
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雑誌です。
写真やイラストが入っているからとても見やすいしわかりやすいのでおすすめ。
山での危機管理術の基本が解説されています。
・『日本百名山』
検定では日本百名山についての問題が必ずと言ってよいほど出題されます。
何かと役に立つのでおすすめの1冊です。
山に登る
これについては説明するに及ばす。
百聞は一見に如かずというやつですね。
実戦でわかることも多いので、ひたすら山に登りました。
でもこれも検定のためではなく自分の楽しみのためでした。
『安全登山の基礎知識』を読む
『安全登山の基礎知識』は、山の知識検定で公認されている、いわば山の知識検定のための参考書のようなものです。
登山の分野を「山行計画・安全登山」「装備・ウェアリング」「読図・ナビゲーション」「気象・観天望気」「救助・ファーストエイド」「雑学」の6つに分けていて、それぞれの章でその分野の第一人者が解説しています。
印刷は白黒ですが、解説はわかりやすく、初心者でも読みやすいです。
- 作者: 樋口一郎,野口いづみ,羽根田治,猪熊隆之,宮内佐季子,村越真,高橋庄太郎,田中正人
- 出版社/メーカー: スキージャーナル
- 発売日: 2017/07/28
- メディア: 単行本
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わたしはこの本を3回ほど読みました。
1回目はさらっと読み、2回目はマーカーを引いたりしながらじっくり読み、3回目は別のノートに大事なところを抜き出して書きながら読みました。
大学生なので、業間の隙間時間にちょこちょこやる感じ。
検定対策の参考書なので、これが1番役に立ったという気がします。
過去問を解く
上記の『安全登山の基礎知識』の巻末にくっついている平成28年度の過去問を解きました。
ブロンズの過去問なのでわたしにはぴったり。
他の過去問も購入しようと思ったのですが、なんと公式サイトでは売り切れているという運の悪い状況でした。
検定対策で大事なのは過去問を解くことですからね…過去問大事。
わたしは前述した巻末の過去問を3回ほど解きました。
ちなみに、過去問を解いていてこの検定かなりマニアックだな~と気づくことができました。
例えば、
Q57.「山男の歌」の5番は、「娘さんよく聞けよ 山男に惚れたらよ・・・」で始まるが、以下の歌詞では、山男に惚れたらどうせよとうたっているのか、次の中から選びなさい。
1.ともに山に登ってくれ
2.山男の好物を作ってやってくれ
3.山男を山にいかすな
4.息子たちは山にいかすな
なんて問題が出ていました。
所見では、
おおおお山男の歌ってなんだよ知らないよ聞いたこともないよいつの歌だよなんの話だよ登山となんも関係ないよ…となりました。
答えは4だって。
そのあとyoutubeで山男の歌を検索するわたし(笑)
こういう問題は少ないですけど、何個かあります。
かなり幅広い知識が問われるということを知ることができました。
過去問は絶対に解いておくべきですね。
以上がわたしの勉強方法でした。
勉強といっても大したことしてないですね(;^ω^)
検定前日
今年の検定は11月11日の日曜日でした。
わたしは東京会場である日本経済大学渋谷キャンパスで受験しました。
東北住みなので東京へは夜行バスで行きました。
水曜日から社員並みにバイトに入り、4連勤最終日の土曜日17時に仕事を終えてチャリで帰宅。
ご飯食べてシャワーを浴びて、荷造りをしてからバス停まで徒歩30分。
忙しい、忙しすぎる!などと文句を言いながらバタバタとバスに乗り込みました。
わたしはバスが苦手で油断するとすぐに酔ってしまうので、休憩なしで東京に行く夜行バスにはなるべく乗らないようにしていたのですが、今回はバイトのせいで昼便を使えないということで仕方なく夜行バスになりました…。
3列独立シートならまだましも、乗ったバスは不幸にも4列シートという…。
バイトでくったくたにつかれた体にバスの座席は拷問椅子でした。
わたしはなぜ、こんな思いをしてまで山の知識検定という誰得検定を受けに行くのだろうか、などという考えまで浮かんだほどです(笑)
当然、ぐっすり眠れるはずもなく。
これが検定前夜で良いのか…?(笑)
検定当日
バスタ新宿に5:30に到着して、3時間ほど待ってから山手線に乗って渋谷駅へむかいました。
開場(9:30)の10分前に到着。
キャンパスの入り口付近には沢山の方が、『安全登山の基礎知識』を片手に待機しておられました。
席順が張り出されていたので確認してみたりして時間をつぶしました。
9:30になると、一斉に会場へ案内されました。
わたしは2階の会場だったのですが、こんな感じでした。
まあまあ広い。
机は長机で、低めの椅子が並べられていました。1つの机の端に2人ずつ座るようになっていて、机の角には受験番号が書かれた紙とルーペが置かれていました。
わたしの席の机はガタガタしていて、消しゴムとかで字を消す時にとなりの方すみません状態になりました(。-∀-)
受験者層としては、年代は高め、男性多めという感じでした。
わたしのような20そこそこの若者は見当たりませんでした_:(´ཀ`」 ∠):
周囲の視線がちょっと痛かった!(笑)
検定が始まるまでの約30分間はとにかく暇です。
大方の人は過去問や参考書などを開いて最後の確認(悪あがき?(笑))をしていました。
悪あがきすらもはやめんどくさくなってスマホをいじっていたわたしは一体…。
10:00になると試験監督の方から検定の内容や注意事項についてのお話がありました。
そして10:10に検定開始。
問題は
Q1. 実距離1.5kmの各縮尺における地図上の長さの組み合わせを選びなさい。
から始まって
Q83. 立山連峰を源流とし、弥陀ヶ原台地から一気に流れ落ちる滝の名称を選びなさい。
の計83問の100点満点でした。
すべて選択問題です。
制限時間は90分ですが、11:10からできた人は退室が許可されます。
わたしは11:00前にはすべて解き終わっていたので、退室可のアナウンスですぐに会場を後にしました。
終わった人は受付で解答をもらえます。
自己採点ができるように問題用紙に自分が何を解答したのかちゃんと書いておきましょう。
自己採点
帰りの電車の中で早速自己採点をしてみました。
ちなみにブロンズは70点以上取ればまず合格だそうです。
わたしの結果は………
87点!!てってれ~!!
ひとまずは合格ラインです!
ヤッタネ!!
安心して東北の地に帰りました(笑)
いや~色んな意味で疲れた…(=゚ω゚)ノ
感想
検定より移動が辛かったです(笑)
問題自体はでリラックスして解けたのですが、7時間のバス旅×2は体力的にきつかったです…。
山の知識検定で出題される問題は、山にまつわるならなんでもありみたいな感じがあって、すべての問題に対して対策するのはちょっと限界があるのですが、全く知らなかったことや自分の興味のない分野のことも知ることができてとても勉強になりました。
来年、時間があればシルバーを…受けようかな、どうしようかな(笑)
これを機にこれからも山についてもっともっと勉強していきたいと思えました!
追記:
後の結果発表でブロンズ合格通知が届きました。
苦労して東京に行った甲斐がありました!!!!