2年前に登った木曽駒ヶ岳の記録です。(もう2年前になるのね…。)
なんでそんな前のこと書くのかっていうと、最近雪の里山ばかり登っているけどそろそろ飽きてうんざりしてきたので、夏山の写真を見返しながら「うわああああああ」ってなりたいからです(伝われ)。
※写真だけ見たいよって方は最初の概要とかすっ飛ばして読んでくださいね(笑)
(わたしの文章は前置きが長いので。)
木曽駒ヶ岳について
木曽駒ヶ岳は、長野県上松町、木曽町、宮田村の境界にある標高2956mの山です。
(参照:http://expo.minnade.jp/nagano.htm)
「駒ヶ岳」と名の付く山は全国にたくさんありますが、木曽駒ヶ岳の名前の由来は雪形です。
雪解けの季節に駒(馬)の雪形が見られるのでこの名前が付いたと言われています。
数ある駒ヶ岳の中で最も標高の高いものは南アルプスの甲斐駒ヶ岳ですが、南アルプスと中央アルプスに挟まれた伊那谷地方では甲斐駒ヶ岳を東駒、木曽駒ヶ岳を西駒と呼ぶところもあります。
木曽駒ヶ岳付近で有名な場所と言えば、宝剣岳直下にある千畳敷カールです。
カールというのはドイツ語で、日本語では圏谷(けんこく)と言います。
氷河が成長とともに山肌を削ることでできる氷河地形で、斜面をスプーンでえぐったような形状になります。
日本では千畳敷カールの他に、涸沢カールや小仙丈カールなんかが有名ですが、高山には思っているより沢山のカール地形が存在しています。
千畳敷カールまではロープウェイで行けるため、登山者だけでなく観光客でも賑わいます。
ちなみにこのロープウェイの駅は、日本最高所に位置していることで有名です。
木曽駒ヶ岳の山容はなだらかで女性的です。山の大部分は約6500万年前の花崗閃緑岩(深成岩)からなっています。
また、木曽駒ヶ岳には固有種のヒメウスユキソウが自生しているので、花を目当てに訪れる方も多いようです。
山行記録
駒ヶ根駅 ー 菅の台バスセンター ー しらび平駅 ー 千畳敷駅 ー 千畳敷カール ー 乗越浄土 ー 中岳 ー 木曽駒ヶ岳 ー 中岳 ー 乗越浄土 ー 千畳敷カール ー 千畳敷駅 ー しらび平駅 ー 菅の台バスセンター ー 駒ヶ根駅
※時間は忘れました。
憧れの木曽駒ヶ岳と千畳敷カール
時は2017年の夏休み。
大学2年生のわたしにはこの夏どうしても行きたい場所がありました。
どうしてもどうしてもあの絶景を見たいと切望していたのです。
その頃ちょうど遊ぶ約束をしていた友達がいました。
この間木曽に一緒にドライブに行ったYちゃんです。
木曽駒登るけど行く?って聞いたら行く~~って返事がきたので一緒に行くことになりました(笑)
千畳敷カールへ
千畳敷カールに行くにはバスとロープウェイを乗り継いで行かなくてはなりません。
最もメジャーなのは、菅の台バスセンターに車をとめてここからバスに乗る行き方です。
大駐車場があるのでマイカーの方は1番行きやすいです。
が、例によって大学生にはマイカーなど存在しないので、我々は駒ヶ根駅からバスに乗ってしらび平に向かいました。
一見不便そうなこの行き方ですが、便利なマイカー組をもしのぐメリットがあります。
それは「バスが空いていること」。
しらび平(ロープウェイ発着駅)までのバスは駒ヶ根駅から出て菅の台を経由して行きます。
菅の台はみんなが乗るところなのでめちゃくちゃ混みますが、駒ヶ根駅から乗る人は駅利用の方だけなのでとても空いています。
ほぼ確実に好きな席に座れるかと思います。
わたしたちが乗った時も、わたしたち以外は1人のおばあさんだけしか乗りませんでした。
ほほほほ、ざまあみろマイカー勢!!!!!(口が悪いよ。)
高校のときおそろいで買ったUmbroのパーカーを着て出発。
菅の台に着くと、思った通り沢山の方が乗ってこられました。
席はすべて埋まりました。
混雑時は補助席も使ってぱんぱんになって発車するそうです。
そしてしらび平まではくねくねの山道です。
酔いやすい方は必ず酔い止め薬を飲んでから乗りましょう(^^)/
しらび平に到着すると、ロープウェイ乗り場まで長い行列ができていました。
これは想定内だから黙って並びます。
並んでるときも自撮りとかして楽しんでるんだな~これが。
並んでいる人の中にゴスロリスカートでゴスロリパンプス履いてるおねえさんがいて「あたまおかしんじゃねえの」って思いました(ほんとに口悪い)。
何分か並んでやっとロープウェイに乗りました。
箱の中はすごく広い、のですが、ぎゅうぎゅうに押し込まれます。
居心地は最悪です。
「右手に見えますのは~~の滝で~~~」なんていうアナウンスですが、滝なんて見えたもんじゃありません。
なんかもう、いいから早く下ろせって感じでした(笑)
このときはかるくガスってて、千畳敷カール見えるだろうか…頼むから見えてくれ…と祈らずにはいられませんでした。
ロープウェイに乗ること7分30秒。
ついにわたしたちの乗る箱が千畳敷駅に到着しました。
「 やっとぎゅうぎゅうから解放された~ふへ~」と思いながら、何の気もなくふらっと外に出ました。
その瞬間度肝を抜かれました。
なんんんんじゃこりゃ、と。
なんの前触れもなく眼前に壮大なカールがどっかーーんっと広がります。
いやいやいいやいやいや。
でかい。とにかくでかい。
これまでたくさん綺麗な景色を見てきたけれど、こんなにも感動したのは生まれて初めてでした。
もう、感動を通り越して無です、仏です。
こんな美しい景色がこの世に存在していいの…?
形容できない美しさというか。
わたしの全ボキャブラリーを総動員してもこの素晴らしい自然の造形美を言葉で表現することはできそうにないです。
それでも千畳敷カールを一言で表すのなら、
こわい。(綺麗すぎて)
木曽駒ヶ岳へ
あまりの絶景に見とれてしまいますが、本日の目的地は木曽駒ヶ岳。
この夢のようなカールの中央をぶった切って八丁坂という登山道が続いています。
神聖な地に足を踏み入れるようで、おこがましさというか、遠慮してしまいます(笑)
わたしのような穢れた人間が~~~すみません~~~(泣)と思いながら歩く。
ところで人が多いです。
人気のお山。
ヘルメットを下げたおにいさん。
宝剣岳に行くのですか?いいなあ。
道が整備されているのでとても歩きやすいです。
ですがあほみたいに人がいるので「こんにちは~」の嵐です。
カールをこんなによじ登ってきました!
奥に見える建物はロープウェイの駅です。
はい、乗越浄土に到着しました✦
ちなみにYちゃんが履いているキュロットはわたしの無料貸し出しです(笑)
乗越浄土からは南アルプスが見えます!
この日は雲がかかっていました、ぬぬぬ…残念。
その代わり富士山が見えました!
南アルプスの上から顔を出すなんて、なんて失礼な!!!(笑)
(わたしの中では富士山<南ア)
乗越浄土にはベンチがあるので休憩できます。
なぜかロープウェイの券をもってるYちゃん。
乗越の向こう側には北アルプスが見えるはずでしたが、見えるのは雲~~~。
伊那前岳方面。
さて、ここから中岳を目指します。
途中で天狗岩がありました。
わたしには某たまごっちにしか見えない…。
Yちゃんと天狗岩(笑)
こちらは宝剣岳方面。
岩々していてとても良いですねえ✦ だが少々混みすぎでは…。
そして、天狗荘の前を通って(写真がない)中岳に到着。
中岳は大きな岩がごろごろしていて休むにはちょっと不便です。
中岳からは頂上山荘とこれから目指す木曽駒ヶ岳(雲の中)が見えます。
控えめに言って絶景なんだよね。
・駒ヶ岳頂上山荘について
木曽駒ヶ岳直下に位置しており、周辺にはコマクサや中ア固有種のウスユキソウなどが咲きます。平成23年にトイレの改修を行ったということで、きれいなトイレを利用することができるんだとか。
ところで調べても頂上山荘の歴史が全然わからなかったので、開設年などわかったら書き足していきたいと思います。
<基本情報>
収容人数:約100人
開設時期:7月上旬~10月初旬
素泊まり:6200円
テント泊:1000円/1人
テント設営数:約70張
中岳からいったんどかーんと下ってからまた登ります。
最後の登り。
Yちゃんがんば~(*'▽')
そして~~
ついたどーーーーー!!!!
2956mの木曽駒ヶ岳✦
山頂はとても広く、たくさんの方が山ごはんを楽しんでいました。
わたし達も座るのに良い岩を探して腰を下ろしました。
この時何食べたっけな~~。
確かコンビニの菓子パンがぺっちゃんこになってて、笑いながら食べたような、食べなかったような…(笑)
ちなみに山頂では目下が雲の海だったので、見えるはずの辺りの山々は見られませんでした。
中岳をトラバースして下山
何十分かを山頂で過ごし、重い腰を上げて下山開始。
か、帰りたくない…(笑)
帰りは中岳をトラバースしました(写真の右奥に続く道がトラバース道です)。
分岐にはこのような看板が立っていました。
ちょっとビビるよね。
片側は何もないので少々高度感はありますが、これが楽しい。
「Wow!」
「高!」
byYちゃん
難所ってここのことかな?
高度感のある岩登りです。
「登ってやったぞ」ってな。
ドヤアアアアア。
確かにトラバース道は積雪期だとやば目な道でした。
夏なら慎重に行けば楽しく岩登りって感じです♪
すたすたと歩いて乗越浄土まで戻ってきました。
ここからはまた神聖なカールを下っていきます。
たか~い!きれ~い!
ほいほい♪
あまりの綺麗さに、またもや無になる…南無阿弥陀仏……。
こんな絶景日本に存在するんだレベル。
伊那谷。
戻ってきました。
嗚呼カールよ…。
帰りのロープウェイが1時間待ち
無事帰ってこれたので、あとはロープウェイに乗って下るだけだと思っていたのですが、まさかのロープウェイが1時間待ちになっていました(笑)
どういうこっちゃ。
駅では整理券が配られていて、順番に番号を呼ばれる仕組みになっていました。
整理券を受け取ってしばらくはうろうろしていたのですが、あまりにも暇なのでロープウェイ駅に隣接するホテル千畳敷のレストランで何か食べようということになりました。
レストランの窓からはご覧の通り絶景が拝めます。
こんなレストラン、他にはスイスくらいにしかないよきっと…。
1人前を2人で分けて頂きました。
運動した後のがっつりご飯は最高においしい。
生きててよかった~って思う瞬間(笑)
そしてカツ丼はソースに限るね。
食事を終えてから最後の写真撮影などして時間をつぶしていると、ロープウェイの整理券番号を呼ばれました。
「さよなら千畳敷カール。あと10回は来るよ、約束。」
ロープウェイにはぎゅうぎゅうながらも無事乗ることができ、7分30秒でしらび平まで帰ってきました。
この後普通はバスに乗るのも並びます。
しかし、なぜだか「駒ヶ根駅までの方」は優先されて先に乗せてもらうことができました。
なんだかわかんないけど超ラッキー♪
帰り道には猿が現れて車内は大騒ぎでした。
(猿出没なんて日常茶飯事なわたしたちは、騒ぐ人々の人間観察をしていました。)
無事に駒ヶ根駅に到着し、この日の山行は終了しました(*'▽')
あ、帰りの電車の中で意味わからない写真を撮りまくりました。
誰もが吹き出すであろうえげつない写真がわんさか出てきたので一部を載せておきます。
割と事故写真。
素敵な1日になりました(*ノωノ)
感想
2年前なんて登山を始めたばっかりで、今よりも全然知識がなかったので、この山行での経験は自分の中でとても大きなものでした。
あの景色を見た瞬間、「こんな絶景が存在するんだ」という、自然に対する畏敬や畏怖の念が一気にぐわ~っと広がった、あの形容しがたい気持ちは今でも忘れられません。
千畳敷カールは写真を見返すだけで泣きたくなるくらい素晴らしい場所だったので、また何回かは必ず行きたいと思っています。
その時はロープウェイは使わずに、テントを背負って下から歩いていきたいと思います。