やまとりにっき

山登りやお出かけを中心とした日々のあれこれです

<山行記録> 北八 縞枯山 ~魔法の靴スノーシュー~ 2019.2.18

こんにちは。

先日の守屋山の次の日に北八ヶ岳縞枯山に遊びに行ってきたので、今回はその記録です。

 

(守屋山の記事↓)

yamatori0422.hatenablog.com

 

書いてみたらこれでもかという程長い文章になったので適宜読み飛ばしてくだされ。

※写真だけ見たいよって方は 3.厳冬期の八ヶ岳 からどうぞ

 

縞枯山について

縞枯山は、八ヶ岳連峰の北八ヶ岳に属す標高2403mの山です。

長野県南佐久郡佐久穂町茅野市にまたがっています。

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名前の通り縞枯れ現象が顕著にみられることで有名な山です。

縞枯れ現象というのは、亜高山帯の針葉樹であるシラビソやオオシラビソの森に限って見られる現象で、斜面の木々の枯れているところと枯れていないところが綺麗に縞状になるものです。

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 (参考:https://www.kitayatu.jp/toparea/)

この現象のメカニズムについては様々な研究があるようですが、未だに原因はわかっていません。

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 (参考:https://www.kitayatu.jp/toparea/)

 

登山コースについてですが、2200m地点までは北八ヶ岳ロープウェイが通じているため、割と簡単に登ることができます。

北八ヶ岳ロープウェイ|ロープウェイ案内|蓼科、八ヶ岳の観光スポット・トレッキング・バリアフリー

ロープウェイの坪庭駅周辺には坪庭という溶岩台地が広がっていて、ハイキングコースのようなものがあるため、誰でも気軽に散策が楽しめるようになっています。

 

ちなみに縞枯山の山頂からは南方面の展望がわずかにあるだけで、「え?これが山頂?」という感じです(笑)

でも、山頂に行くまでの稜線では素晴らしい景色がみられるのでご安心を(笑)

 

参考:

北八ヶ岳ロープウェイ|山頂案内|蓼科、八ヶ岳の観光スポット・トレッキング・バリアフリー

縞枯山 茶臼山|八ヶ岳登山ルートガイド

縞枯山 - Wikipedia

 

山行記録

 7:50 富士見駅 ー 8:40 北八ヶ岳ロープウェイ山麓駅 9:20 ー 9:27 坪庭駅 9:45 ー 10:50 五辻 11:00 ー 12:00 展望台 12:10 ー 12:15 縞枯山山頂付近(昼食) 13:30 ー 13:50 縞枯山山頂 ー 14:25 雨池峠 14:35 ー 14:45 坪庭 ー 15:05 坪庭駅 15:20 ー 15:27 山麓駅 15:50 ー 16:40 セブンイレブン富士見町富士見店

 

厳冬期の八ヶ岳

今回一緒に行ったのは、このブログ常連さんのMちゃんです(*'▽')

これまでMちゃんとは色々な山に登ってきました。

今回も「行く?」って聞いたら「行く!」と二つ返事で来てくれました(笑)

 

山岳ガイド

さて今回は、わたしにとってもMちゃんにとっても未知の「厳冬期の2000m級」登山。

さすがに雪山ど素人2人で行くのはまずいと思ったので、山岳ガイドというのを初めて依頼しました。

 

モンベルのような大人数でのツアーは嫌だったので、個人でやっているNさんというガイドさんに、少人数でのガイドツアーをお願いしました。

 

それで、最終的にわたしとMちゃんと2人のお客さんとNさんとNさんの弟さんと6人パーティ縞枯山に登ることになりました(*'▽')

 

八ヶ岳ブルーと白い登山道

朝は北八ヶ岳ロープウェイ山麓駅の駐車場に集合しました。

 

平日だったので駐車場はだいぶ空いていて、とまっている車の多くはスキーやスノボを積んでいました。

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天気は快晴。Nさんによると、ここ最近でこんなに晴れるのは久しぶりとのこと。やったーー!

 

駐車場でツアーに参加する皆様と合流し、今日使う装備を確認しました。

 

ゲイタ―、ブーツカバー、スノーシュー、オーバーグローブ、ゴーグル…どれも夏山では使わないものばかり。

 

ちなみにブーツカバーはNさんの自作だそうです!

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これをつければ夏山登山靴でもあったかく快適に雪山を散策できます(=゚ω゚)ノ

 

装備を確認したら、ロープウェイに乗っていざ2000mの世界へ!

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ロープウェイから望む北アルプスの山々。

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 北の方まで綺麗に見えています!!

 

わずか7分で2200mの坪庭駅まで来ました。

ロープウェイを下りると、真っ青な空と白い雪が広がっていました!

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 ひゃー!まっしろや!!

 

さて、ここで本日の主役スノーシューを装着します

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MSRのスノーシュー…!かっこよい!!

 

付け方は簡単で、ベルトを2つ締めるだけ。初心者でも楽ちん(/・ω・)/

 

スノーシューを履いたらいよいよ縞枯山を目指します✦

五辻方面に向かって出発!

 

雪原。

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これが、2000mの冬か…(゜.゜)

 

ツアーに参加された皆様と。

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スノーシューのお決まりポーズだそうです。ほう…( ..)φメモメモ

 

御岳山もまっしろ(*'ω'*)

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スノーシュー、はじめはとても歩きにくかったです( ・´ー・`)

気を付けてはいるんだけど、右のスノーシューで左のを踏んでは、左ので右のを踏む…を繰り返しました(笑)(そのたびに「お~ごめんよスノーシュー」と心の中で謝ります。)

う~ん難しい!

 

そんなわたしを北アルプス様が励ましてくれます(/・ω・)/

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穂高、槍、常念…全部くっきり見えてる✦

 

ちなみに手前の枯れ木は縞枯れ現象です。

 

槍氏。

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槍だけ黒い。 

 

こちらは野うさぎの足跡(*‘∀‘)

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Nさんによると、野うさぎは巣穴を持たない夜行性だそうで、昼間にはあまり出会えないんだとか。会ってみたいね。

参考:動物図鑑/ニホンノウサギ(ノウサギ)

 

八ヶ岳シラビソ林を進みます。

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だんだんスノーシューにも慣れてきて、踏みつける回数も減りました(笑)

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南ア、本日もこのいけめんっぷり。

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ダケカンバ八ヶ岳ブルー。

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オレンジ×青=映え。

 

八ヶ岳の代名詞「苔」。

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赤い胞子嚢がぴよぴよついています。

 

シラビソの木が削れていました。

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Nさんによると、シカが木を食べたり、角の皮をはぐためにこすりつけた時に着いた跡だそうです。

 

生き物の痕跡がたくさんあって楽しい。

 

中ア。

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(まぶしいわい。)

 

"3人で写真撮ろうって並んだらMちゃんがこけた"の図

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サングラスかけてると顔にぐちゃぐちゃ描く手間減るから良いよね。

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さて、五辻からは登りになるので、スノーシューテレベータ―を使います。

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(参照:https://www.e-mot.co.jp/msr/product.asp?id=403)

テレベータ―めちゃくちゃ楽です。爪もついているので、そこらのアイゼンよりすごいんじゃないかと…。


休憩をはさみながらゆっくりゆっくり登ていくと…

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展望台に到着しました!

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目前に広がるのは南八の山々。

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白い、青い、かっこいい…!!

 

中ア方面。

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グラサンMちゃんかっけえ。

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映え of 映え。

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展望台からは八ヶ岳、アルプスの他にも浅間山方面も綺麗に見えました!

天気が良く風も穏やかだったので、いつまでも見ていられます(; ・`д・´)

 

雪上テントでホットサンド

展望台から少し山頂方面に歩いたところで、Nさんが登山道を外れました。

 

誰の踏み跡もないもふもふの雪の上。

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「ここで昼食にしましょう」とNさん

 

雪を踏み固めて雪上にテントをたててくれました。

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かわいすぎん???

 

スノーシューを脱いで中に入ると雪の椅子とテーブルが( ゚Д゚)!

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すご~い!雪の恩恵に与る。

 

みんなでテーブルを囲みランチタイム♪

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Nさんと弟さんがホットサンドを焼いてくださいました!

 

トマトスープの付け合わせ。

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言うまでもなく最高においしかったです…(ToT)

 

天気が良くて太陽が照っていたので、テント内は暑いくらいでした。

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(サングラス外してるとぐちゃぐちゃやんなきゃいけないのめんどくさい。)

 

とても厳冬期とは思えないと皆さん口をそろえておっしゃっていました。

わたしは厳冬期の八は初めてだから「へ~」という感じ(笑)

 

森を散策

お腹いっぱいになったところでMちゃんと2人で雪原を散策しました。

 

スノーシューを脱いで歩くと、ずぼ!っと太ももくらいまで沈んでしまい、脱出するまで一苦労です(;^ω^)

 

何とかスノーシューまでたどり着き、この魔法の靴を装着。

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もふもふもふ!!
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誰だよスノーシュー開発した人、天才かよ。

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最高。

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スノーシュー欲しくなっちゃうわ…。

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ダケカンバ。

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こんな雪の中でもちゃんと生きているダケカンバすごい!えらい!(笑)

 

縞枯山山頂

森の中で思う存分遊んでから、縞枯山山頂に向かいました。

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途中めちゃめちゃ気持ちの良い稜線があって写真を撮りまくりました(笑)

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北ア!!朝からずっと晴れてる。

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南八と縞枯れ。

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この気持ち良い稜線を歩くとすぐに山頂に着きました!

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(展望はなく、ひっそりと看板だけがたたずんでいた…(笑))

 

記念撮影!

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こんな素敵な山行、楽しい以外何も言うことはないですね。

 

新雪ダウンヒル

山頂からは、Nさん独自ルートでスノーシュー新雪ダウンヒルを体験しました!!

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うさぎの足跡しかない森の中に、自分でトレースをつける。

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楽しすぎて終始にやけている(笑)

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幻想的な森。

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スノーシューで雪を踏んだ時の「もふっ♪」とした感触が病みつきなんです!

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あ、そういえば、森の中には倒木がそこかしこにあるんですが、倒木の周りの雪は落とし穴になっていてスノーシューでもずぼっ!!!と沈んじゃうので注意です(笑)

(何回か落ちた。)

 

独自のルートを歩けるのはツアーの良いところのひとつですね!

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楽しいダウンヒルもあっという間。

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雨池峠まで下りてきました。

 

ここで少し休憩し(普段なら寒すぎて休憩どころじゃない場所らしいですが、ほんとにこの日は暖かかった)今度は坪庭を目指します。

 

坪庭

◆坪庭とは

ここでいう坪庭とは日本庭園などで言われる坪庭とは異なり、自然が作り出した形状のものを指します。

八ヶ岳最後の噴火でできた溶岩台地で、形状はすり鉢状になっています。

1年を通じて40~50種類の高山植物が群生している自然園です。

北八ヶ岳は数百年前に噴火したと言われている新しい地形で、岩石がむき出しの土地に長い年月をかけて植生が回復しつつある状態を観察することができます。

 

参考:

北八ヶ岳ロープウェイ|山頂案内|蓼科、八ヶ岳の観光スポット・トレッキング・バリアフリー

北八ヶ岳ロープウェイに乗ってお手軽高原散策「坪庭ウォーキング」 | 長野県 | LINEトラベルjp 旅行ガイド

ピラタス坪庭〜北八ヶ岳 横岳

 

こんな感じの溶岩がごろごろありました。

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噴火の規模としては小さいですが、これでも十分地球のチカラを感じました。

 

溶岩台地の向こうに中ア。

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展望台から。

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山はでかいなあ。

 

眼下には坪庭駅と中ア、御岳山。

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坪庭を一周して坪庭駅に帰ってきました。

 

最後に名物キツツキと記念撮影。

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このキツツキ、ひもを引っ張ると「コンッ」と木をつつきます。よくできてるよね。

 

本当に楽しい時間はあっという間でした…。

スノーシューを脱いで帰りのロープウェイに並んだときはちょっと寂しかったです。

 

ロープウェイに乗って、最後の景色を目をかっぴらいて焼き付ける。

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さよなら厳冬期の八ヶ岳…また来ます。

 

感想

今回の山行は初めてのことばっかりで本当に楽しかったです!

 

まず2000m級の雪山に来たのが初めてだったのですが、景色も雪質も寒さも全く別世界で終始びっくりでした。

 

それからスノーシュー。去年からずっと履いてみたくてうずうずしてたので、やっと夢が叶いましたっ。案外重さがあって大きくて、慣れるまではちょっと苦労しましたが、最終的には自ら新雪に飛び込んでいくくらいには慣れて楽しめたのでとても良かったです✦

新雪スノーシューで踏む感触が忘れられないです(笑)就職して稼ぐようになったら自分のお金でMSRのスノーシュー買おうと思います(*'ω'*)

 

あと、雪上テントも初めてでした。雪があることでテーブルやいすを作れるし、水も作れるし、きれいな景色も見られるし、雪ってこんなにすごいんだって…(笑)

下界では雪かきしなきゃいけない忌々しい存在でしかないのに(笑)

雪があることで色んな動物の足跡が見られたりして、夏ではわからない動物たちの生きている痕跡を見ることができてとても楽しかったです。

 

一方で、幸い今回は快晴で穏やかな天気でしたが、本来ならもっと寒くて風も強いということだったので、やっぱり雪山って怖いなとも思いました。少なくとも初心者ひとりで行くところじゃないです。でも今回良い体験をさせてもらったので、これから機会があれば雪山にも挑戦していきたいなと思います。

 

最後に、今回の山行で大変お世話になったガイドのNさん、弟さん、山にまつわる色んなお話をしてくださった参加者の皆さま、Mちゃん、ありがとうございました!

 

こちらは今回参加したツアーです↓

camp-north.blogspot.com

とても良かったので、ツアーに参加してみたいよという方は是非(^▽^)