やまとりにっき

山登りやお出かけを中心とした日々のあれこれです

<山行記録> 中ア 風越山・虚空蔵山 ~飯田市民の里山~ 2019.4.27

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GW初日は父と里山に登ってきました!

風越山(かざこしやま)について

長野県飯田市にある標高1535mの山です。

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中央アルプスの前衛に位置しており、信州百名山に指定されています。

 

西暦718年に開山されて以来、飯田市のシンボル的な山として親しまれてきました。

正式な読み方は「かざこしやま」ですが、「ふうえつさん」と呼称されることもあるようです。

また、山頂直下にある白山社奥社白山妙理大権現が祀ってあることから「権現山」とも呼ばれ、信仰の山として崇められてきました。

風越山という名前は、山頂近くに「大窪み」と呼ばれる鞍部があり、風がそこを吹き超えることが由来といいます。

 

ちなみにこの白山社奥社は、国の重要文化財に指定されています。

全国で3番目に標高の高い位置にある重要文化財です。

 

風越山は主に花崗岩でできていて、ベニマンサクブナ原生林などの貴重な自然を見ることができます。

 

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参考:

風越山 (飯田市) - Wikipedia

白山社奥社本殿 - 飯田市ホームページ

風越山を愛する会の紹介

 

虚空蔵山(こくぞうさん)について

長野県飯田市にある1130mの山です。

上記の風越山の隣に位置しており、風越山と共に中央アルプス前衛の山となっています。

 

虚空蔵山という名前の山は全国に少なくとも28山あり、長野県だけでも5山あります。

虚空蔵」というのは、知恵の菩薩と評される「虚空蔵菩薩」からきています。

虚空蔵山にはこの虚空蔵菩薩が祀られていたお堂があったため、この名前が付けられたとされます。

 

虚空蔵菩薩は限りない知恵を持つ菩薩で、人々に知恵を授けてくれると言われています。

明けの明星」はこの菩薩の化身・象徴とされています。

 

現在虚空蔵菩薩は白山社の里宮に移されています。 

 

参考:

虚空蔵山|信州山岳ガイド(信濃毎日新聞社)

虚空蔵菩薩をまつる山 | インフォメーション | 飯田市美術博物館

虚空蔵菩薩 - Wikipedia

 

山行記録

7:00 自宅 ー 8:40 かざこし子どもの森公園 9:00 ー 9:30 石灯籠 ー 10:10 秋葉様 ー 10:20 虚空蔵山 ー 11:10 矢立木 ー 11:20 展望台 ー 11:30 駐馬巖碑 ー 11:45 白山社奥社本殿 ー 12:00 風越山 12:45 ー 13:00 白山社奥社本殿 ー 13:10 展望台 ー 13:15 矢立木 ー 13:40 虚空蔵山 ー 13:55 秋葉様 ー 14:35 かざこし子どもの森公園

 

信仰の山へ

本当は父と東信の黒斑山に行こうと計画を立てていたのですが、まさかの冬型の気圧配置で北に行くほど天気が悪く、寒い上に強風、雪という天気予報・雪崩注意まで出てしまったので、南にあってかつ標高の低い里山を選ばざるを得なくなりました。

そこで、南信にある歩きやすい里山、虚空蔵山と風越山に登ることになりました!

 

かざこし子どもの森公園から虚空蔵山

朝は7:00に自宅を出発。

里山は朝ゆっくりできるからいいよね。

 

かざこし子どもの森公園の駐車場を拝借。

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綺麗なトイレがありました。

 

花桃が満開でした♡

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さて、登山口ですが、ここからちょっと車道を上がったところにあります。

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隣のおうちの立派な桜が目印です(笑)

 

登山口からはゴルフ練習場の横に道がのびています。

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途中から林道になります。

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「尋ね人」の張り紙されてたんですけど、平成24年から貼ってあるようで、こんな里山でまじか…という感じでした……。

 

道はとても広いので、2人で並んで歩けます。

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あ、巣箱。

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こんなわかりやすいところに設置して鳥来るのかなあ…(笑)

 

9:30に石灯篭に到着。

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ここいらで一休み。祠にはなんの神様が祀られているのかな?

 

道中にはたくさんの道祖神(と呼んでいいのかわからないが)がありました。

 

以下、道祖神コレクション。

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彫られているのは仏様なのか、観音様なのか、ただの市民なのか、何を祈っているのかさえ良くわからない…。

 

9:40に日向馬留(ひなたまとめ)に来ました。

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日あたりの良い馬のつなぎ場と書かれています。

 

この馬留から5分足らずで苦竹との分岐に出ます。

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苦竹とは真竹のことで、それが群生している場所があるそうです。

 

苦竹も気になるけど、今回は素直に虚空蔵山へ向かいます( ˘ω˘ )

 

ミツバツツジが綺麗に咲いていました。

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その名前の由来であるミツバツツジの葉。

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確かに三つ葉が出ています。

 

蚕種石(かいこたねいし)という石がありました。

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この付近の石に蚕種のような苔がついていて珍しい光景と書いてあります。

見てみたけど、よくわからない…(汗)

 

蚕種石から5分で最初の展望台に到着です。

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森が開けて伊那谷が見えました。南アも見えるはずでしたが、残念この日は雲の中(´;ω;`)

 

写真を撮って、ドライフルーツを食べてから先に進みました(/・ω・)/

 

道中かわいいスミレが沢山咲いていました♡

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タチツボスミレの仲間かな…?

 

相変わらず変化のない登山道を登っていきます。

 

すると、2つ目の分岐である秋葉様がありました。

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秋葉権現のことでしょうか?

秋葉権現山岳信仰修験道が融合した神仏習合火除け・火伏せの神です。

 

虚空蔵山も風越山も信仰の山なので、「山岳信仰」や「修験道」というワードがしっくりきますね。

 

ここから右に行くと奴谷経由で、左に行くと延命水経由で虚空蔵山に登ることができます。

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わたしたちは右に行きました。

 

分岐から歩いてすぐに奴谷がありました。

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「小童が落ちて死んだところ、昔からの難所」と書かれていました。

死んだところて…そして小童という言い回し…突っ込みどころが多い。

 

斜面は確かに切り立っていますが、覗き込まなければ気づかないようなところでさほど危険ではありません。

 

そして、秋葉様分岐から20分足らずで虚空蔵山山頂に到着しました!!

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標識には「虚空蔵菩薩様は白山社里宮に移されている」と書かれていたのですが、ではこの祠には何が祀られているのかな…?

 

山頂はとても広く、東屋や椅子があります。

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the信仰の山って感じ。

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虚空蔵菩薩かな…?書いてある字が読めん。

眺望も最高です✦

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 南ア見られないのは残念でしたが…( ;∀;)

 

虚空蔵山から白山社奥社

虚空蔵山で少し休憩してから風越山へ向かいました。

 

相変わらずこんなような道。

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ずっとこれが続くのか…ちょっと飽き始める(笑)

 

新緑がちらほらとあって綺麗でした。

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虚空蔵山ー風越山間にもたくさん道祖神がありました。

 

以下、道祖神コレクションパート2

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なんか愛着湧いてきた。

 

虚空蔵山から10分ほどでベニマンサク自生地に来ました。

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◆ベニマンサクとは

高さ2~7mの落葉低木です。

秋に紅色の花が咲くことから紅満作という名がつきました。

暖地性の植物で本州中部地方以西に分布しています。

風越山の自生地は、日本における東北限地で植物学上重要な植生となっています。

 

ベニマンサクの葉っぱ。

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秋はさぞきれいなことでしょう。

 

10:50頃比丘尼というところへやってきました。

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女性の僧侶を表す比丘尼。その庵室があったところだそうです。

標識が消えかかって後半なに書いてあるかわからない…。

 

比丘尼から10分ほどで鍋割善兵衛休みに着きました。

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善兵衛という百姓が行き帰りに必ず休んでいたというところだそう。

…いや、突然の善兵衛…誰…。

 

善兵衛休みからまた10分で矢立木に来ました。

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その昔、風越山から伊那谷を挟んで反対側にある神ノ峰という山から弓の名手が放った矢がここまで届いたという伝承に由来するそうです。

木の矢結構大きくて圧倒されますが、柱の根元が腐りかけているので心配…(笑)

 

分岐。

f:id:yamatori0422:20190429093430j:plain表参道というのはわたしたちの通ってきた道です。風越山へは右の道を行きます。

 

標高を上げてきたので、山の緑も減りました。

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早く夏来ないかなあ…。

 

展望台に到着。

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ここからも伊那谷が良く見えます。

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良く見ると雨の筋が幾本もあるのがわかります。

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天気よろしくないのは不安ですが、とても綺麗(*'ω'*)

 

何もない平和な広い登山道は、ここからだんだんと変化に富んだ楽しい道になっていきます✦

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まず赤い大きな鳥居が現れました。

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ここから先は白山社奥社の神域ということでしょうか。

 

鳥居の近くには駐馬休みというのがありました。

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飯田領主が風越山祭神を参拝する際に馬をとめておいた場所だそうです。

 

この辺りは気持ちの良い尾根なのですたこらさっさと足が進みます(/・ω・)/

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11:30駐馬巖碑(ちゅうまがんひ)に到着。

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大きな大きな岩に何やらごちゃごちゃと書かれていました。

 

◆駐馬巖碑とは

高さ3mを超す岩の上部に「駐馬巖」と大きく横書きれ、その下に「舊(旧)所謂行者越也安政五年戊午正春吉」、右側には「南無妙法蓮華経」と彫られています。

明和8年9月、飯田城主堀親長(ながちか)が参拝のため供をつれて馬で乗りあげたが、ここから先は岩場で進むことができず馬を駐めたことから駐馬巖と名付けたといわれます。

その後、安政5年に堀親義(ちかのり)によって書かれました。

南無妙法蓮華経の題目は、ここが日蓮宗経蔵時(飯田市上郷)の寺領で、滑落事故が多かったことから供養のために彫られました。

元々の参道は駐馬巖の下を通りましたが崩落していまい、滑落や落石の危険が高いため現在は迂回(うかい)しています。

 

確かに岩のすぐ下は崩落していて落ちたらやだなあって感じでした。

岩を近くで見たい人は十分に気を付けてくださいね。

 

割と険し目になってきた道を進みます。

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ここで突然の石階段登場!

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良く見ると、小さな岩をいくつも並べてあるのではなく、大きな1つの岩を削って階段ができています。

その昔、登山者のために蚤で削ったそうです。すごい!

 

雨が降ったらつるっつるになりそうな石段でした。

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役小角(えんのおづの)像。

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役小角とは飛鳥時代の呪術者で修験道の開祖とされています。

この像の周辺は岩場が険しく、かつて様々な修行が行われたと考えられます。

役小角はこの岩場を高下駄で越えたと言われていますが、真偽のほどは…(笑)

 

白山社奥社

白山社奥社直下は急な長い石の階段が続いていました。

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羽黒山みたい。

 

石段を上るとまず赤い隋神門がありました。

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この門は飯田市有形文化財に指定されています。
標識には安永4年に建てられたと書いてありました。

 

隋神門をくぐるとまた階段が続いています。

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これを上り切れば、白山社奥社に到着です。

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◆白山社奥社について

本殿は室町時代後期の建物。

国の重要文化財に指定されています。

幣殿と拝殿が江戸時代に増築され、現在は本殿を正面から見ることはできません。

建物は、垂木を支える桁を2本または3本近接して並べている点に特徴があり、長野県内の室町後期の建物で見ることができます。

和様・禅宗様・大仏様の折衷様式です。

重要文化財としては全国で3番目に標高の高い位置にある(標高1490m)建造物です。

参考:白山社奥社本殿 - 飯田市ホームページ


建物の側面についてたこれが、とにかく気になった。

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怖い…。

 

白山社奥社から風越山

奥社から風越山までは15分ほどの山歩きです。

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ロープ場もあります。

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ブナとミズナラの美しい混成林は飯田市の天然記念物です。

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風越山山頂

そして、12:00に風越山山頂に到着しました!

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やった~!

 

山頂は広くて木の丸太の椅子が沢山あります。

しかし、残念なことに展望はゼロです(笑)

 

山頂でお昼ご飯にしました。

 

つぶれたあんまんをメスティンで蒸かす作業。

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途中、一瞬吹雪ましたが、遠くから舞ってきた雪のようだったのですぐにやみました。

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里山でもご飯があれば全然満足です( ˘ω˘ )

 

下山

45分ほど山頂でゆっくりして、下山を始めました。

 

下山で気を付けるところは、このロープのかかっているところくらいかな。

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白山社の階段も油断してると滑りそうなので注意かも。

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ワラビが出てました。

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春きてる。

 

下山はあっという間でした。

 

山から下りると暑いくらいの気温でびっくりしました。

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葉桜。

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桜餅がいっぱいついているみたいで素敵…(笑)

 

麓から撮った中ア。

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雲の中ですがそれはそれでかっこいい。

 

お疲れさまでした!

 

感想

見どころが沢山ある山でした。

標高が低いのと天気が悪いのとで展望は微妙でしたが、信仰の山として古くから人々に親しまれてきたという痕跡が沢山あってとても楽しめました。

それから、登ってる方々がみんなわたしたちより先に挨拶してくれて、なんか飯田の人ってすごく良い人なんだなあって思いました(笑)

虚空蔵山まではほとんど変化のない登山道を歩きますが、白山社や風越山は階段やロープなどの変化に富んだ道となっているので、虚空蔵山から足をのばしてみることを強くお勧めします✦

 

黒斑山行けなくて残念でしたが、素敵な里山を登ることができて良かったです。

さて残りの連休はどこへ行こうかな♪