やまとりにっき

山登りやお出かけを中心とした日々のあれこれです

<山行記録> 南八 編笠山 ~残雪の八ヶ岳と環水平アーク~ 2019.5.11

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八ヶ岳連峰南端の編笠山に登ってきました。

帰りに環水平アークも見れました。

 

編笠山について

過去記事に書きました。

yamatori0422.hatenablog.com

 

山行記録

4:40 自宅 ー 5:20 観音平 5:30 ー 6:00 展望台 ー 6:25 雲海展望台 ー 7:20 押手川 7:25 ー 8:50 編笠山山頂 9:50 ー 10:15 青年小屋 10:25 ー 11:20 押手川 11:25 ー 11:50 雲海展望台 ー12:35 観音平 13:00 ー 13:30 自宅

 

苔とシラビソの森を行く

前日に決まった今回の編笠山登山。

安定の父と残雪の南八を満喫するべく出かけることになりました。

 

編笠山は去年も同じ時期に富士見高原から登っているので、気軽な気持ちで出発しました。

 

yamatori0422.hatenablog.com

 

↑このころは雪山のことなんて全然わかってなくて、自分で書いたのに読んでると面白いです(笑)

 

観音平から編笠山

登山口に向かう途中で道の駅こぶちさわに寄りました。

観音平の登山口は仮設トイレしかないので、やだなあって方は道の駅のトイレを借りると良いと思います。

 

5:20 観音平に到着。

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駐車場は30台くらいとめられるそうです。

 

10分で支度して出発!!

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はじめのほうは細い道が何本かあり、どの道が本線なんだ…?とちょっと戸惑いました(笑)

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登山で1番迷うのは登山口説。

分岐があり、左に行くと展望台経由、まっすぐ行くと編笠山直登となっています。

わたしたちは展望台経由にしました。

 

龍淵と書いた謎の石碑。

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矢の堂跡地

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◆矢の堂について

甲斐源氏の祖、新羅三郎義光三井寺(滋賀県大津市)から空海自刻の矢の観音を譲り受け、鷹の白矢を献じて義光山矢の堂を創建、武運長久を祈願したという「観世音矢の堂伝説」から、観音平は甲斐源氏の聖地として信仰の対象となりました。

武田信玄も大門峠の戦いの際に観音平に立ち寄り、戦勝を祈願したと伝えられています。

信玄は大門峠の戦い勝利後、この地に矢の観音を移したとされています。

武田氏滅亡後は荒廃してしまったため、お堂は1781年に小淵沢に移されました。

現在は矢の堂跡が残るのみとなっています。

参考:

観音平

義光山矢の堂(北杜市)

 

どうやら武田信玄ゆかりの地ということらしい。

周辺にたくさんある小道は観音平の遊歩道でした。

登山道を間違えないように注意です(笑)

 

出発してから30分で展望台に到着しました。

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ベンチがあるので休憩によさげ。

 

しかし展望台という割には展望が微妙でした(笑)

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甲斐駒が木々の間から見えるだけでした(まあ十分かっこいいのだがね)。

 

ここから笹原を登って行きます。

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倒木などが処理されていなかったので、こちら側は人気のない道なのかも。

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展望台から30分弱で雲海展望台に到着しました✦

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ここも、展望台と呼んで良いのか…?という展望です、あまり期待しないほうが良いです。

…「雲海」って…なんやねん…。

 

休憩もそこそこに、先に進みます。

 

途中の倒木。

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めっちゃ食べられてた(笑) よほどおいしい木だったのね…。

あたりの樹の幹にはシートが巻かれていました。

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鹿に食べられるのを防ぐためかな?

 

確かに、巻かれていない木は食された形跡が。

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鹿も生きるのに必死だよね。

 

だんだんシラビソと岩と苔の八ヶ岳らしい森になってきました。

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す、すきだあ~~~っ(笑)

 

シュール。

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【悲報】

ここで父が一眼レフをどこかに置いてきたことに気づく。

 

5分戻って見つけましたwww

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水を飲んだ時に置いたのを忘れたみたいです。あっぶねー!!(笑)

 

気を取り直して岩場を登っていくと、押手川に到着しました。

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ちょっとした広場になっている岩場を縫うように川が流れています。

 

◆押手川について

標高2100mにあります。

その昔、ここを訪れた登山者が水を求めて手で苔を押し探したところだそうです。

こんこんと冷水が湧き出たことから押手川という名前がつきました。

参考:押手川標識

 

ちょっと凍ってた。

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地図上には川を表す水色の線が記されておらず、この川は果たしてどこへ流れていくのか…謎です。

 

川の近くにルリビタキが遊びに来ていました。

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ルリビタキについて

瑠璃三鳥と呼ばれる青い鳥の一種です。

オスは青、メスは緑褐色の羽をもっています。

瑠璃三鳥の残り2種はオオルリコルリですが、ルリビタキだけはわき腹がオレンジ色なのですぐに見分けることができます。

四国以北の高山の森に生息し、暗い林の下を好みます。

メーテルリンクの童話「青い鳥」のモデルであると言われていて、「幸せの青い鳥」と呼ばれています。

参考:

BIRD FAN (日本野鳥の会) | ルリビタキ

 

鮮やかな青い羽がとても美しかったです。

 

さて、ここから登山道は傾斜を増してごろごろの岩場になっていきます。

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踏んずけてしまいそうなくらいヒガラが近づいてきて驚きました。

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人慣れしてるんだか、人を知らないんだか…。

もちっと警戒した方が良いよ?(笑)

 

雪が多くなってきました。

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雪、というか氷です。

 

軽アイゼンをつけたいところですが、岩登りもあるので悩ましいところ。

ノーアイゼンで慎重に登りました。

 

途中ひらけた場所から後ろを振り返ると、南アルプスの主峰たちが見えました。

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うひょ~!山頂で拝むから待ってて~~~!

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先に進むと予想外の梯子が。

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ねえこの梯子大丈夫?見るからに取れそうじゃん…。

 

のぼることにはのぼれました。

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なんかつないである部分が動くので不安ですが、信じて進むしかないです(笑)

 

わざと置いただろって思うくらい登山道に岩がごろごろになります。

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浮石要注意です。

 

頑張って登ると、急に樹林帯を抜けて森林限界に到達します!!

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やっほい!

 

振り向けば絶景が待っています✦

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森林限界を超えれば、山頂はもう目と鼻の先ですよ(^O^)

 

登り始めて3時間半で山頂到着!

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ヤッタネ!

 

編笠山山頂から見える山

山頂は360度大パノラマです。

 

まずは八ヶ岳連峰主峰の山々✦

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久しぶりに見たイケメンたち…。

 

1番右は権現岳

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山頂がとても岩々してるんサ。

 

その隣にはギボシ

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権現岳よりかっこいい疑惑

 

そしてその左奥には八ヶ岳連峰最高峰の赤岳が鎮座しています。

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圧倒的存在感。

 

そして赤岳の左の大きな山は阿弥陀岳です。

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阿弥陀岳と赤岳の間にある小さなとんがりは中岳です。

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中岳の奥に少しだけ見えているのは横岳

 

さらに阿弥陀の左奥に目を凝らすと天狗岳が見えました。

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1番奥右側が東天狗、左が西天狗で、その手前が根石岳かなあ。

ごめんなさいよくわからないっす。

 

さらに左には北八ヶ岳の山々(北横岳蓼科山など)が見えます。

 

そして北には北アルプスが連なっています。

今回は霞んでいて、槍・穂高くらいしか見えませんでした。

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薄。

 

その左には乗鞍岳

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そして御岳山。

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もはや見えん…。

 

正面は南アルプスです。

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仙丈ヶ岳

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甲斐駒ヶ岳

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北岳

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鳳凰三山

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左から薬師岳観音岳地蔵岳

 

さらに南の方には富士山があります。

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亡霊か?

 

東の方には金峰山茅ヶ岳も見ることができます。

 

前回は曇っていて見られなかった山々を望むことができて最高でした!!

 

編笠山から青年小屋

山頂で冷凍のパンを焼いて食べた後、青年小屋経由で下山しました。

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青年小屋への道は北斜面で、まだ雪がたっぷり残っていました。

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山頂から軽アイゼンを装着して下ります

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シャーベット状になった雪でアイゼンが全然きかないので、なんかもう滑っておりました(笑)

 

そのうち眼下に青い屋根の青年小屋が見えてきます。

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樹林帯が開けてごーろになったらもう雪は溶けているのでアイゼンを外しました。

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ここからは楽しい楽しい岩下り♪

 

自分よりはるかに大きな岩の上に足場を探して慎重に下っていきます。

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程なくして青年小屋に到着!

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◆青年小屋について

標高2400mに位置する八ヶ岳南端の山小屋。

もともとは小さな避難小屋で、現在の小屋が建てられたのは1961年です。

1959年に日本を襲った伊勢湾台風で倒れた周囲の木々を材料として立て直されたそう。

写真の赤ちょうちんからもわかる通り「遠い飲み屋」として親しまれています。

遅くまでお酒を飲んでいられたり、ボトルキープができたり、シーズンに4度のイベントを開催したりと、普通の山小屋とは一味違った楽しみ方ができるそうです。

 

<基本情報>

収容人数:150人

開設期間:4月下旬から11月上旬

素泊まり:5500円

テン泊:600円/1張

テント設営数:20張

参考:

山を愛する常連さんの人情で「遠い飲み屋」になりました。八ヶ岳青年小屋 - .HYAKKEI[ドットヒャッケイ]

青年小屋|八ヶ岳の山小屋-八ケ岳登山ルートガイド

八ヶ岳の山小屋「青年小屋」の営業期間や予約・混雑情報!テント泊もできる! | 暮らし~の[クラシーノ]

 

外見は「崩れちゃいそう…」という感じですが、中はきれいで落ち着く空間になっていました。

 

玄関入るとこんな感じ。

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ここで靴を脱ぎます。

 

廊下がまっすぐ続いていて、突き当りにトイレがありました。
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夜は廊下真っ暗になるのでライト要持参らしいです(笑)

 

青年小屋から富士見高原

それでは青年小屋から富士見高原へ帰ります。

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先程下ってきた編笠山の北斜面


途中まではだいぶ雪が積もっていました。

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でも傾斜が緩やかなので、アイゼンはつけなくても大丈夫でした。

 

融けかけの雪上は落とし穴が沢山あって、1回盛大に落ちて脛を強打しました(笑)

わたしの弁慶が泣いた。

 

標高を落とすと雪もすっかりなくなり、暑いくらいでした。

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苔に癒されまくる。

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今年は、真夏の雨の日にルーペとマクロレンズもって八ヶ岳に苔観察しに行くんだ…!

 

腐りかけみたいな橋がありました。

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隣の土の部分を歩いちゃうよね。

 

ホシガラスがいました。

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こちらには目もくれず、夢中で何か食べていました(笑)

 

ヒガラもいました。

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ヒガラ、コガラ、シジュウカラはまじで似てるから見分けがつきにくくて…(汗)

 

こっちはコガラです。(ピントあってなくてごめんなさい…)

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黒い帽子をかぶっているのがコガラ、黒いネクタイをしてるのがシジュウカラシジュウカラのネクタイがないやつはヒガラです。

 

バードウォッチングをしながら順調に下っていきました。

雲海展望台まで下って、今度は登ってきた展望台コースとは違う方のコースを選択。

 

森の中でふと空を見上げたら、環水平アークが出ていました!

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木々が邪魔で見えないので、急いで駐車場まで下りました(笑)

 

環水平アーク

駐車場直前で一緒になった下山中の男性の方と、急いで駐車場に向かいました(笑)

 

見えた~~~✦

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南アルプスと環水平アーク。

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甲斐駒と環水平アーク。

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めちゃきれい。

 

環水平アークは太陽高度が58度以上でないとみられないので、珍しい大気光学現象の1つです。

氷の粒で構成される高層の雲がプリズムの役割をして、太陽の光を反射、屈折、回折することで虹色の光の帯が出現します。

46度ハロと同じ場所にできるので区別がつきにくいのですが、見た感じ水平方向に広がっているので環水平アークで間違いないと思います。(ニュースにもなってたしね✦)

 

環水平アークは日本では1年に数回程度しか観測できませんが、今年はついこの間にもニュースになるほどの濃い環水平アークが見られて話題になりました。

こんなレア現象が何度も見られてラッキーでした!

 

最後に最高のご褒美をもらえて、楽しい山行になりました( ^ω^ )♡

 

反省

服装についてで、この日は下界が夏日になったということもあってロングパンツ×タイツが暑かったです。

でも去年はGWにめちゃ寒い思いをしたので、やっぱりこの時期の服装って悩みます…。

 

感想

天気は良いし風もないし久しぶりに「山登り~~~!」って感じの山行で楽しかったです!

やっぱり森林限界を超えてこその登山だなあ…。

冬の間は低山でなんとか我慢してたけど、それももう終わり!

これからの季節は思う存分森林限界を超えてがつがつに登ってやるぞって思います(笑)

 

それから環水平アークも見られて良かったです。

去年あたりから雲や大気光学現象について興味を持つようになって、今では季節によって見せてくれる顔が変わる空のことがとても好きになりました。

環水平アークは珍しい現象だと知っていたのですが、今年の4月に出た時は思うような写真が撮れずに悔しい思いをしました(笑)

もう見られないかなあと落胆していた矢先にこれよ。

今回しっかりリベンジできて大満足です!(笑)

また見られると良いな~~。

 

八ヶ岳、今年は最高峰を登ってやるぞい!!