今日はわたしが中学生の時に父に連れられて行った常念岳登山のお話。
槍の素晴らしい景色と、山に全く興味のなかった当時のわたしをお送りします(いらねえよって言わないで)。
常念岳について
常念岳は北アルプス南部の常念山脈に位置する標高2857mの山です。
端正なピラミッド型の山容をしているので麓からでもすぐに判別できます。
安曇野のシンボルで、山のことを知らない地元人でも常念岳はわかると言われているほど(真相は不明)。
山名の由来となった話はいくつかあります。
昔、毎年暮れに不思議な常念坊という山姥が酒屋に酒を買いに来たからという説、坂上田村麻呂がこの地に遠征した際に重臣である常念坊がこの山へ逃げ込んだからという説など、様々な説があります。
かの有名な英国人登山家ウォルター・ウェストンは、この山を登った時に案内人から「山中で盗伐をしていたきこりが野宿をしていたら、山の頂から念仏が聞こえてきた。それが何時間も続くのできこりは罪の意識に耐えかねず山を逃げ出してしまった。『常に念仏を唱える』で常念岳という名前がついた」という説を聞き取っているようです。
ちなみに、ウェストンは常念岳のことを「ぺニン山脈の嬢王ワイスホーンを思わせるような優美な三角形」と絶賛したそうです。
(ぺニン山脈のワイスホーンてどこや。)
春には前常念岳の東斜面に、徳利を手にしたお坊さんの黒い雪形が見られ、常念坊と呼ばれています。
これは安曇野に田植えの時期を知らせる目印となっています。
常念岳を登るルートはたくさんあり、一般的なのは一ノ沢や三股です。
他にも上高地や中房温泉から入山する縦走ルートも整備されています。
参考:
明治時代/信仰の山から美の山に|安曇野市ゆかりの先人たち - 安曇野市公式ホームページ
横通岳について
横通岳は常念岳の北側に位置する標高2767.1mの山です。
常念岳と同じようなピラミッド型の山容で、麓から見ると常念岳と寄り添うように並んでいます。
(あまり良い写真なくてごめんなさい…。)
直接登るルートはないため、横通岳を目指すには必然的に縦走ルートを行くことになります。
参考:
山行記録
1日目:
一ノ沢登山口 ー 常念小屋 ー 常念岳山頂 ー 常念小屋(テント泊)
2日目:
常念小屋 ー 横通岳 ー 常念小屋 ー 一ノ沢登山口
初めての北アテン泊山行
覚えているのは中学何年生かの夏、父に「常念岳登るけど行く?」って訪ねられた場面。
今でこそ山狂い女になったわたしですが、中学生の時は山なんて全く興味がなく、父の誘いにも「どっちでもいい…」という感じだったのを記憶しています(笑)
当時は北アルプスがどういうもので、常念岳がどういう山か全然知らずに暇つぶしがてら父についていくかという感じでした。
しかも、持ち合わせの登山靴はシューマートで買った5000円くらいのトレッキングシューズで、レインウェアも持っていなかったので父の作業用のカッパ(超絶ダサい)で代用しました(笑)
これよ。
透湿性がほぼないカッパを着て真夏の山登りは地獄。
そんなださださ中学生のわたしが山登りした写真を載せていきます(笑)
1日目
まず写真を漁って出てきたのがヒキガエルの写真。
見たらわかる、でかいやつやん。
一ノ沢を登るルートは川の横をずっと行くのですが、途中で渡渉する場所があるのを記憶しています。
雨のせいで水量が増えていたからなのか、そういう登山道だからなのかはわかりませんが、飛び石は水をかぶって若干びしゃびしゃ川の中に入って進みました。
で、コレが常念小屋。
(ここまでの登山道の記憶全くないから一気にワープ。)
◆常念小屋について
常念小屋は、常念岳と横通岳の鞍部「常念乗越」に建てられた山小屋です。
開業は1919年で、今年(2019年)で開業100周年の歴史ある山小屋です。
北アルプスの山小屋としては槍沢ロッジに次いで古いそう。
小屋からは槍ヶ岳や穂高連峰などの北アルプスを代表する山々を一望でき、最高のロケーションです。
<基本情報>
収容人数:200人
開設期間:4月下旬~11月上旬
素泊まり:7000円
テン泊:1000円/人
テント設営数:約50張
参考:
ここのテン場はトイレが汚かったことだけものすごい印象に残っています(笑)
今は山のトイレにも慣れましたが、当時は仮設トイレ大嫌いでしたからね…。
それも相まって余計汚く見えたのかもしれません。
テン場に荷物をデポって常念岳に登りました。
いやこれもうダサの極み。
常念小屋から常念岳山頂への斜面がすごい高度感があって、ずっと怖い怖い言ってたと思います(笑)
今思えばどこが怖いねんって感じですけど(゜.゜)
結構なガレ場ではあります。
そういえばこのガレ場にオコジョがいたんです。
写真がへたくそ(父が撮りました、わたしじゃないです。(笑))
ライチョウも死ぬほどたくさん見ました。
天気が悪かったので、あとからあとから湧き出るように出現しました。
当時はライチョウの珍しさを知らなかったので「ほう、これがライチョウね」程度にしか思っていませんでしたが、今写真を見返してみるとあまりの雛の可愛さに絶句って感じ(*´ω`)
目下の常念小屋。
そして登頂。
「なんも見えねえ」という心の声を押し殺して祠と記念撮影(笑)
山頂ではなにか焼いて食べた気がします。
なんだったかな…ピザ?みたいなやつだったような…。
記憶力が皆無なので、もしかしたら何も食べなかったのかもしれません(笑)
写真データによると、帰りは晴れたらしいです↓
常念小屋と横通岳。
今見ると、うん、最高だなおい!!
テン場に帰って、何をしていたのかはわかりませんが、写真を漁ると18:43の写真がありました。
テントと槍ヶ岳方面の景色。
テン場空いてるし、うん、最高だなおい!!
日が落ちてから漆黒の闇がテン場を包み、空には満天の星空が広がりました。
父がおいでおいでって連れてってくれて、小屋の前の広場で星を見ました。
父は星博士(笑)なので「あれはシリウスで、あれはベガで、あれはアルタイルで…」などと教えてくれた気がするのですが、おそらくさっぱりわからなかった(笑)
とりあえず「うわ~こんな静かで暗い中、喋っちゃっていいのかな…音立てたら迷惑にならないかな」というのをすごい考えて忍び足で移動したのははっきり記憶にありますね(笑)
というところで1日目は終了でした。
…思ったより記憶がなくて驚愕しています(笑)
この日の夜は慣れないシュラフで眠りについたのですが、夜中に謎の肺痛で目が覚めたのは覚えています。
今でも原因はわかりません、なんだったんだろう?
高山病かもと思って焦りましたが、気づいたら寝ていました(笑)
何事もなくてよかった( ˘ω˘ )
2日目
2日目、何時に起きたかわかりませんが5:06の写真がありました。
絶景ではないか。
完璧な晴れとはいきませんが、若干のモルゲンロートも。
この絶景の中、全く興味を示さずテントでうつむくわたしが写り込んでる写真を発見しました。
おい。
だから今写真で拝んでおきます。
どこの山だか存じませんがとても美しいです(ー人ー)
2日目は横通岳に登りました。
きゃわいい!!
久々に見に行きたいものです。
この日もライチョウがわんさかいました。
もはやスズメ。
そして景色も、写真を見る限り最高だったらしいです。
か~、なんも覚えてない、なぜなのだ(笑)
そいでこれがたぶん横通岳山頂付近。
この辺はちょっと記憶があります。
父がコーヒー淹れて飲んでたっけな~くらいですが(山に興味を持て山に!)
こんな絶景なのに見事に記憶がないのも逆にすごい…。
今思い返すと、長野県の標高1000mの高原で生まれ育ったゆえにこの絶景が当たり前化していて、あんまり興味を持てなかったんだと思います(なんて贅沢な、と言われそう…でもそういうものでしょ…?(笑))
山が好きになったのも大学に入学して長野県を離れてからです。
世の中、近くにいると良さってわからないものですよね(意味深)。
あ、それでね、見つけちゃいましたよ、キングの写真。
なんてイケメンなんだ!/(^o^)\ 雲感がまたいい。
でも写真に写るわたしの表情、全然嬉しそうじゃない(笑)
なんつー顔してんねん。
たぶん、相当疲れていたんだと思います(笑)
横通を下る時もたくさんのスズメがいました。
この時からわたしの中でライチョウは珍しい鳥ではなくなっていました(笑)
帰りの一ノ沢の写真。
水がとても綺麗だったことは覚えています(∩´∀`)∩
ほとんど忘れかけていた思い出も写真を振り返ることで「そういえばこんなこともあったな~」って思い出せることもあったので、やっぱり写真は偉大だと思いました(笑)
常念岳は北アの中でも入門の山と言われているので、今度はわたしが友達を連れてテン泊しに行きたいですな(*'▽')