こんにちは。
今日も過去の山行記録です。
村山葉山について
村山葉山は山形県村山市と寒河江市の境界に位置する標高1762mの山です。
葉山と名の付く山は全国に数多く存在しており、それらと区別するために「村山葉山」と呼びますが、地元の人は単に葉山と呼んでいます。
419万~361万年前に活動していたと考えられる成層火山です。
既に活動を終えている死火山ですが、山頂付近にはかつて火山活動があった形跡として2か所の爆裂火口が残っています。
東北の山らしいブナ林が山頂近くまで分布し、高山植物も楽しむことができます。
◆山岳信仰の話
村山葉山は山岳信仰の山として東北の尊敬を受けていたとされます。
東北地方には「葉山信仰」と呼ばれる特別な信仰があります。
葉山は「羽山」「端山」とも書かれ、里から離れた奥山とは対照に里に近い山という意味を持ちます。
葉山には農業の神が住むとされ、季節の折々この山に登っては五穀豊穣を祈ったとされています。
村山葉山は役小角が山を開いて以降は修験道の山となり、山麓に寺院や宿坊が建てられて、江戸時代初期までは羽黒山・月山とともに出羽三山の1山に数えられていました。
初期は天台宗・真言宗兼学の慈恩寺が別当寺(神社を管理するために置かれた寺)であり葉山修験の中心となっていましたが、慈恩寺が葉山と関係を絶ち十分一峠を奥の院としてからは葉山の山岳修験は減衰していきました。
いつしか出羽三山からも外れ、代わりに湯殿山が出羽三山の1山になりました。
江戸時代からは天台宗の大円院が葉山修験の中心となりました。
葉山は農業の神のみならず、最上川水運の守り神として船頭からも尊敬されたといいます。
明治時代からはとますます葉山信仰は減衰し、1946年にはGHQの演習場の着弾地に指定されて大円院への立ち入りは禁止されました。
寺院は取り壊されて葉山信仰はほぼ消滅しました。
(大円院は規模を縮小して村山市岩野に移転し現存しています。)
登山コースは6つも存在しますが、中でも畑コースがポピュラーコースです。
天候に恵まれれば山頂からは県内の日本百名山6座をすべて望むことができます。
参考:
寒河江市の名山「葉山(標高1462メートル)」(村山葉山):寒河江市公式サイト
山行記録
葉山市民荘登山口 ー 小僧森 ー 大僧森 ー 大つぼ石 ー 奥の院 ー 大つぼ石 ー 大僧森 ー 小僧森 ー 葉山市民荘
※時間は忘れました。
村山葉山へ登ってみよう
葉山市民荘から奥の院
時は2017年の夏。
おなじみSさんと村山葉山へ登る計画を立て、るんるんで出かけました。
コースは人気の畑コース。
葉山市民荘の駐車場に車をとめました。
登山口には里の名水・やまがた百選に選ばれた長命水があります。
こんこんと湧き出る水はびっくりするほど冷たく、喉の渇きを潤してくれました。
駐車場から道を上へしばらく登ると登山口があります。
実はこれを見つけるのに一苦労しました(汗)
駐車場から登山口まで結構距離があって、林道を登って行かなくてはなりません。
看板が立っているところ以外にも脇道などがあるので誤って入っていかないように要注意です。
わたしたちは地元の元気なおばあちゃんに道を尋ねてようやくたどり着きました(笑)
登山道に入るとまもなくあたりはブナ林になりました。
美しいブナの森を登っていきます。
まるで心が洗われるよう。
しかし暑くて汗だくで登ります(笑)
どうたん通りという標識がありました。
サクラドウタンが美しい登山道らしいですが、花の時期は6月なので完全に葉でした(笑)
…それはそうと、ドウダンではないのか…?
さらに標高を稼ぐとプチ展望台がありました。
絶景に励まされて汗だくで登り続けます。
頑張って登れば尾根に出ました!
ここはシャクナゲ道みたいになっていました。
ハクサンシャクナゲと言うらしい。
かわいいね。
お花畑に到着。
花はあまり咲いていませんでした。
花を見るのなら6月が良いね。
写真に写っている無名峰たちをいくつか超えれば葉山山頂です。
無名峰の横から月山がこちらを覗いていました(笑)
さてさて道はここから少々険しくなっていきます。
木に結んである怪しいロープを使ってちょっとした岩場を登るシーンもありました。
高所恐怖症のSさんは必死です(汗)
わたしはこういうの大好物なので楽しんで登れました。
感じ方は人それぞれですね…。
難所を通過して疲れた控えめの笑顔でピースをきめるSさん。
お疲れっす!
そして、頑張ったものには絶景という褒美を与えてくれる山の神様。
奥の山の上には祠が立っているのがわかります。
最終目的地の奥の院です✦
なんだかシュール。
小僧の森、大僧の森(なんちゅー名前や)を経て歩みを進めていくと、大つぼ石がありました。
ここからは大パノラマが広がります!!
どーん!
※大つぼ石の下は何もないので落ちたらやばいです、気を付けてね。
高所恐怖症Sさんはもちろん石には乗りませんでした(笑)
大つぼ石から山頂まではもうひと頑張りです。
景色の良い稜線をルンルンで進みます。
はい登頂!!!
消えかけて何が書いてあるんだかよくわからない山頂標識とツーショ。
背後には月山が頭を出しています(笑)
山頂からの展望はあまりよろしくないので、ここから奥の院へ移動します。
奥の院への道はところどころ湿地っぽくなっていて、べちょ~っとした泥がありました。
その泥にいろんな動物の足跡がついていて何の動物か考えながら歩きました(/・ω・)/
(でも結局何かはわからなかった。)
最後の登り坂には鳥居が立っていました。
いよいよ葉山神社の神域に入っていきます…!
鳥居をくぐるとお社がありました。
奥の院到着です✦
お社新しくてとても綺麗でした(*'▽')
奥の院はちょっとした広場になっているのでお昼休憩には最適です。
さらに展望がとても良いです!
この時は山形の山月山くらいしかよく知らなかったので、ひたすらに月山の写真しかないです(笑)
しかもなんか暗い…カメラ使いこなせてなかったので…すみません…。
奥の院では無駄にジャンプしている写真が沢山です(笑)
じわじわくるなあもう……。
奥の院には人がいなくて、わたしたちだけで独占していました。
結構長く山頂で遊んでいたと思います(笑)
晴れていて最高に気持ちが良かったです!
下山で道に迷った話
奥の院を存分に楽しんだ後下山を開始しました。
下山路はどうたん通りではなく岩野コースから帰ろうと思って向かったのですが、途中でいろんな分岐とかが出てきて道がよくわからなくなってしまいました。
地図とコンパスで進行方向を確認しながら進んだものの、道がだんだん岩々と険しくなってきて「あやしいなら引き返そう」ということになり、戻って行きと同じどうだん通りから下山しました。
無事葉山市民荘に帰ってきてから、岩野コースを行かれたという他の登山者の方に聞いてみたところ、地図とコンパスで判断した道で合っていたということでした。
実際に不明瞭な道をコンパスと地図で歩くのって勇気いるなあと実感したのでした。
低山でもこういうあまり人の入らない山の方が道に迷いやすいと身に染みて感じました。
反省
水を持っていく量が少なかったかなと思いました。
思ったよりも暑くて、下山したときには持ち水ほとんどなかった…。
夏場の山行は最低1.5ℓって感じですかね。
下山時は道がわからなくなってしまったけど、結果的に引き返すという判断ができて良かったと思います。
下山時って疲れてるからはやく帰りたくてつい「進んでしまおう」という心理が働くんですけど、少しでも怪しかったらやっぱり登り返す勇気が必要なんだなと思いました。
感想
葉山信仰はほとんど消滅してしまったという歴史があるので、登山道からはあまり信仰の山という印象は受けませんでしたが、奥の院の立派なお社を見ると今でも信仰したり整備している方がいるんだなと実感しました。
お手軽に素敵な稜線を歩けるので、初心者の方にも良い山なんじゃないかと思います。
ただ、夏は暑いですね…。
雪がとける初夏か秋に行くと気候的にも最高だと思います。
村山葉山にはたくさんの登山ルートがあるので、全部制覇してみたいなと思っちゃいますね( ˘ω˘ )