こんにちは。
今日は荒天の上高地でテント泊した記録です。
上高地について
上高地については過去記事を参照してください。
ハイキングの記録
5:30 さわんどバスターミナル 11:20 = 12:05 上高地バスターミナル ー 13:10 明神 13:20 ー 14:20 徳沢 14:30 ー 15:30 横尾
濁った梓川の隣でテント泊を
先週は父と表銀座から槍に登る予定だったのですが、秋雨前線というわたしの”友達”がわざわざその日を狙って会いに来てくれたおかげで計画が丸つぶれになりました(怒)。
去年の裏銀座に引き続き槍に行こうとすると急にやってくる秋雨前線が嫌いだ。
計画を練り直した結果、涸沢を起点としたベースキャンプ型で穂高でも登るかということになりました。
ベースキャンプ型なら濡れた重いテントを背負って歩かなくてもいいし、涸沢なら西風の影響が少なそうだし、いざとなれば避難できる山小屋がある、という考えです。
というわけで29日、上高地に向けて出発しました(^o^)
さわんどBTで足止め
さわんどBTから始発のバスに乗るつもりで早朝に出発しましたが、雨が降ったりやんだりのどんより天気でした。
さわんどは言わずもがな空いていました。
それでも到着時は若干の青空が見えてテンションが上がりました(笑)
かすみ沢駐車場に車を泊めて、乗車券売り場が開く時間まで売り場で待ちました。
ところが、時間になるとスタッフさんがこんな張り紙をしたのです。
上高地公園線が雨量規制の為通行止めとなっております。
まじか( ゚Д゚)
前夜の雨量が相当なものだったらしく、総雨量が規定値を超えたみたいです。
通行止めになるのは年に1回あるかないかくらいらしいので、本当にこの日は運が悪かった…。
とりあえず開通するまで待つしかありませんでした。
肌寒い天気の中、屋根のあるベンチに座ってひたすらに待ちました。
もう涸沢はやめて八ヶ岳にでも行こうかとも思いましたが、なんとなく天気の悪い上高地というものに興味をそそられてしまい、忍耐強く開通を待ちました(笑)
5:30にさわんどに着いてから5時間半もベンチで待ちました。
その間上高地公園線の状況などの説明は何もなく、アナウンスも聞こえないし整理券さえも配られなくて正直本当にイラつきましたね。(笑)
11:00頃やっとバスが出るということで乗車券を買おうとしたのですが、整理券が配られてないので購入の順番がバラバラ。
1番最初から待っていたわたしたちは第一便のバスに乗れるはずなのに、なぜかついさっき来た人たちの方が早い便で上高地に出発していきました。
5時間半も待ったのに。
理不尽極まりない。
やっと乗れたのは2便目。
別に急いでるわけじゃないからいいんだけどさァ…。
不当な扱いを受けた感がすごいんだよなァ…。
誠に遺憾ですね。(笑)
まあとりあえずは上高地に向けて出発できました。
やれやれといった感じだ(;´Д`)
もうこの時点で涸沢まで登るにはタイムオーバーなので、この日のテン場は横尾に決めました。
上高地BTから横尾山荘
さわんどから上高地までバスに揺られました。
車窓から見えた梓川が今まで見たことのないくらいの濁流になっていてびっくりしました。
き、汚い!!梓川が汚い!!!!
大正池付近もこんな感じでした。
水量がえげつない。
ちなみに大正池周辺は木道が沈没したので散策禁止になっていました。
GWの時に見たこの美しい池はどこへ行ったのだ…。
こんなクレイジーな天気でも観光客はたくさんいたのでみんなクレイジーです(無論その中に自分も含まれている)。
そして河童橋の様子がコチラ。
閑散とした橋の下を濁流が流れていました。
こんな汚い上高地………超レアじゃん!!!(ここでテンションが上がる)
人も少ないし雨も小雨だし、思ってたほど過酷でなくて良かったです。
初めて来た観光客の皆さんにはお気の毒ですが…。
清流と濁流が混ざっているところが面白かったです。
奥の山には岳沢が見え隠れ。
河童橋から徳沢に向けて出発しました。
しかし、小梨平を過ぎたあたりで「徳沢まで通行止め」の張り紙とロープが道をふさいでいました(;゚Д゚)
…あんだって!?!?!?
ここまで来たのに横尾すら行かせてくれないというのかい!?!??!?!
前を歩いていたツアーっぽい集団は、「右岸に林道があるのでそっちから行きましょう」と道を引き返して行きました。
わたしたちは念のためビジターセンターに戻ってスタッフさんに聞いてみました。
すると、通行止めと書いてはあるけどもう通れるので大丈夫ですという返答がきました。
……は?って感じですよね…(笑)
じゃあ張り紙外しといてくれや…。
ということでロープを無視して先に進みました。
諦めて帰ってくる方も大勢いてかわいそうでした。
右岸へ行ったツアーの人たちもかわいそう。
でも悪いがわたしたちは先に進ませてもらうよ。
(教訓:こういう時は何でもかんでもスタッフにきいてみるべし。)
あ、そういえば上高地ビジターセンターの前には古い河童橋の欄干が置かれていました。
現在の河童橋は6代目か7代目と言われていますが、この欄干はその2代前のものだそうです。
小さいね!
昔は上高地に今みたいな大量の人が来ることなんてなかったんだろうな。
小雨が降る平坦な道を歩きました。
たぶんこの辺りで斜面から流れてきた川によって道が塞がれていたんだと思います。
もう砂で埋められていたので安全に通れるようになっていました。
ほんと、やれやれだな。
明神岳。
見えないの残念。
明神でちょっと休憩し、寄り道はせずに先を急ぎました。
歩いていると何匹かのカエルにあいました。
アズマヒキガエルでしょうか。
荒天で嬉しそうだねえ。
支流から外れるとまだ美しさを保った水が見られました。
綺麗だな~。
道中梓川が天井川っぽくなっている道があって氾濫したらとんでもないなあと思いました。
そしてやっと徳澤園に到着!
今年のGWはここでテン泊したのですが、その時からは想像もできないほどテン場が空いていました…当たり前か。
徳澤園で横尾までの道の状況とか涸沢までの状況とか聞いたのですが、スタッフの方は何も知らないようだったのであまり意味はありませんでした。
とりあえず行ってみるしかないのだね。
ちなみに徳澤園はわたしが泊ってみたい山小屋の1つです。
大正ロマンチックな建物と、超おしゃれなお部屋が最高なんです。
でもテン場があるのにわざわざ小屋には泊まらないので、もし泊まるとしたらテントで寝られない寒い時期かな~(笑)
徳澤園からは前穂の東壁が見えるはずなのですが…。
んん微妙…。(笑)
徳澤園を後にしてまた森の中を進みました。
途中の新村橋を見に行ったのですが、足の下に流れる梓川があまりにも濁流だったので尻込みして渡れませんでした(笑)
怖い!!
横尾までは徳沢から1時間ですが、道中特に見どころもないのでなかなかに暇です(笑)
途中で上から降りてきた男性2人とすれ違い、どちらからですかと聞くと槍からですと返ってきました。
\槍から/
槍ヶ岳山荘から下山してきたそうですが、登山道はハイカットの靴でも埋まる深さの水浸しが沢山あって大変だったとおっしゃっていました。
風は前日の方が酷く、槍ヶ岳山荘も宿泊者は10人ほどだったと言います。
…10人!?
あそこ収容人数650人だよね?
そのくらいやばい天気だったということです。
そんな天気に入山するクレイジー仲間としてなんか勝手に親近感わきました(笑)
横尾
14㎏のザックが肩に食い込み、足もだるくなってきたときにようやく横尾山荘が見えました!
やっと着いたで~~。
とても綺麗な山小屋でした(∩´∀`)∩
◆横尾(よこお)山荘について
上高地随一の唐松林と屏風岩、前穂高岳の岩壁を望む横尾谷出合にある山小屋です。
1947年に横尾小屋として建設されました。
2008年に改築された館内は大きな丸太や梁が多く、開放的な空間となっています。
宿泊者はお風呂に入ることができるというのが最大の魅力です。
冬季避難小屋も隣接されています。
<基本情報>
収容人数:250人
開設期間:4月下旬~11月初旬
素泊まり:7000円
テント場:約100張
テント泊:700円/人
参考:
小屋の中の様子。
清潔感があって素敵でした!✦
山荘の前には横尾大橋があります。
奥にはあの有名な屏風岩が見えました。
さすがは国内最大級の岩場、断崖絶壁。
よくここを登ろうと思うよね…。
横尾大橋の上から。
梓川も上流はあまり濁っていませんでした。
河童橋付近はあんなに茶色かったのに…不思議。
テントを設営する前に橋で遊んでいたので設営するときに雨が降ってきてしまい、大慌てでたてました(笑)
雨中テント設営の良い練習になった気がした。
ちなみにトイレはなぜか建物が2つあって、左側の方が綺麗だったのでこちらを使いました。
一瞬水洗かと思うほどの綺麗さよ。
さすが上高地。
水は無料です。
山荘周辺の蛇口から出る水はすべて飲むことができます。
美味しい沢水です(*'ω'*)
夕ご飯はビックカツとイカフライを卵とじにしてご飯にかけたものを食べました。
ゲテモノすぎるけど、今まで作った山ごはんの中でも相当な上位に入る美味しさだったのでびっくりしました(笑)
今回はご飯もフリーズドライだったのでかなりお手軽に作れて最高だったな~('Д')
わたしたちが選んだテントサイトが他のサイトからちょっと孤立していてトイレに近いところだったので、夜は本当に快適に過ごすことができました。
平らな地面だし、木に囲まれていて風もないし、雨もあまり降らないし、気温もあたたかいし、静かだし………極楽浄土よ。
これ以上にないくらい良く寝ました(笑)
父は暑くてあまり眠れなかったみたいですが…(笑)
というわけで無事に1日目終了です。
2日目に続く・・・
反省
入山という判断は微妙なところでした。
実はこの日の朝、上高地には大雨洪水警報が出ていたんですよね。
梓川が氾濫する危険は無きにしも非ずですし、土砂崩れも起こるだろうし…本当はこういう日は入山してはいけないんです…。
しかし拒まれると行きたくなるこのあまのじゃくよ。
今回はSCWやてんくらなどの天気予報を見て入山の判断をしました。
父が一緒でなかったら入山しなかったと思います。
ケースバイケースの判断力が問われた瞬間でした。
感想
なんだろう…梓川も汚いし山も見えないし雨降ってたけど……楽しかったんだよなあ…(笑)
山に入ってて楽しくない瞬間がないというか、過酷な時は大変なんだけどそれはそれでなんかサバイバルしてる!って感じで楽しくなっちゃう…逆に怖い…。
横尾のテン泊が快適すぎました。
父曰く、沢の近くのテン場は沢の音が周りの気になる音(人の声や動く気配)を消してくれるから快適らしいのですが、今回梓川の隣でテン泊してみてそれが良くわかりました。
沢のザーザー音は全く気にならなくてむしろとても心地よいし、他の宿泊者の声なども全く聞こえませんでした(人が少なかったというのもありますが)。
こんな快適なテン泊できたのは初めてレベルだったのでとても良かったです\(^o^)/
それから濁流の梓川のレア感がなんか良かったです。
綺麗な景色だけが上高地の美しさではないんだなと思いました。
荒れ狂う時があるからこそのあの静寂の美しさが成り立つんだなあと。
美しくてきれいで快適な自然の中を歩くだけが山登りの魅力じゃなくて、時には強くて荒れてて怖い自然と対峙してみて、自分よりはるかに広大なものの存在と、小さな自分を認識できるということも魅力だと思います。
荒天時の方が人がいなくて良かったですし…(笑)
北ア大縦走はできなかったけどそういう山の面を見れてよかったです(*'ω'*)