こんにちは。
先週末の長野県内は、どこも良いお天気でお出かけ日和でしたね。
そんなわけで日曜日に父と飯縄山に登ってきました。
飯縄山について
飯縄山(いいづなやま)は、長野県長野市・信濃町・飯綱町にまたがる標高1917mの山です。
戸隠山・黒姫山・妙高山・斑尾山とともに北信五岳の1座として数えられています。
鳥天狗の姿をしているという飯縄権現を祀り、修験道場が開かれていました。
山頂近くには飯縄神社があり、全国に多くの分社を持ちます。
頂上に至る登山道には13体の石仏が存在します。
飯縄山の山名は飯砂(飯のように食用となる砂)に由来しています。
これは信州で局地的にみられる天狗の麦飯(藻類・菌類などの微生物の集合体)のことです。
かつては飯縄山に多く生息しており、修行僧たちがこれを食料としていたそうですが、現在は絶滅してしまいました。
参考:
飯綱山 - いいづなやま:標高1,917m-上信越:戸隠山周辺 - Yamakei Online / 山と溪谷社
山行記録
5:30 自宅 ー 7:50 一の鳥居苑地駐車場 8:05 ー 8:20 南登山口 ー 10:00 西登山道分岐 ー 10:20 南峰 ー 10:30 飯縄山山頂 11:20 ー 11:40 西登山道分岐 ー 12:35 南登山口 ー 12:50 一の鳥居苑地駐車場
初めての飯縄山
ついこの間年が明けたばかりだというのに、2020年という実感を得られないままもう2月になってしまいました。
特別忙しい日々というわけではないのにどうしてこんなに時の流れが早く感じるのだろうか…怖い…。
さて、2020年2月の最初のお山は北信の飯縄山にしました。
同じ長野県内でもわたしが生まれ育った南信からは距離的に遠いので、これまであまり馴染みがなかったのですが、だからこそ興味をそそられた山です。
危険個所がほとんどなく人も比較的多く入る山なので、雪山初心者のわたしと父でも大丈夫だろうと計画を立てました。
南登山口へ
今回選んだルートは、この季節は多くの人が登るという南登山道。
飯縄神社一の鳥居から登る道です。
早朝に自宅を出発。
長野自動車道から見る北アが綺麗に晴れていたので期待大!
朝日に染まりつつある山頂、とても綺麗です。
長野市内から見るとプリンみたいな山容。
長野市のシンボル的な存在っぽい。
戸隠バードラインはジェットコースター。
ジェットコースターからは一瞬だけ飛騨山脈が望めました。
なんじゃこりゃ~、槍ヶ岳しかわからんぞ。
長野市からはこんな風に見えるんだなあ。
バードラインをしばらく走ると一の鳥居苑地駐車場に到着しました。
キャパは約50台です。
冬季も使用可能な綺麗なトイレもありました(*'▽')
南登山口から南峰
それでは、駐車場のわきから登山口を目指します!
フリースを着てちょうど良いくらいの気温なので、歩いているうちに暑くなりそう。
…本当に2月?
しばらくは平坦な林の中を歩きます。
すると車道に出ます。
ここから鳥居の登山口までコンクリートなので、最初はアイゼンをつけずに出発した方が良いですね。
例年ならこの時期はここも雪道なのだろうけど、今年は本当に雪が少ないので…。
雪上には小さな足跡。
リスかな?
車道をまっすぐ上ると一の鳥居登山口に到着です。
10台くらいとめられる駐車スペースがありました。
登山口は鳥居が目印。
ここからはずっと雪があるのでチェーンスパイクを付けました。
初めてのチェーンスパイクぬふふ。
一の鳥居や旧鳥居跡地などを通って森の中を登っていきます。
途中にあった倒木。
台風で倒れたのかしら?切り口がだいぶ新しいです。
チェーンスパイクの調子がすこぶる良くて面白いように足が進みました。
10本爪以上のアイゼンのように重くなく、軽アイゼンにはない前の爪があるため、とても歩きやすいです。
凍ってない雪の斜面なら断然チェーンスパイクを推す。
白くて明るい登山道を、木々の間から見える青空と飯縄山山頂と北アルプスを見ながら登りました。
空が濃紺で綺麗でした。
ふと気づくと道端に石仏が立っていました。
第三文殊菩薩の文字。
…どうやら第一・第二を見落としてきたようです(笑)
全然気づかなかった。
その後も順調に第四・第八を見逃しました。
駒つなぎの場はちょっとした広場で休憩ができるようになっていました。
わたしたちもしばし立休憩。
そういえば、駐車場でゲットしたパンフレットに「駒つなぎの場は冬山登山のテント場に良い」って書いてありました。
…まあまあ人が通るのでここに張るのはちょっと勇気がいるね。
駒つなぎの場からは急登になるので気合を入れます。
沢山ついているウサギの足跡を楽しみながら登りました。
どんな急斜面でもスイスイと登っていく足跡、癒し。
第十二大日如来発見。
最後の第十三虚空蔵菩薩はしっかり見逃しました。
それにしても、雪に埋まった石仏をちゃんと掘り出してあるのだからすごい。
山岳信仰ないし飯縄信仰はまだ大切にされているのだな。
そもそもこの十三仏というのは、死者の七十七日の至十三回忌を司る仏なんだそうです。
この十三仏ひとつひとつにお参りをすることで、悩みが解消され願いが叶うとされています。
…そんなうまい話があるかあ、と思いつつも、何個か見逃してしまったことを少々後悔。
登山道は急峻な谷間を縫うように続きます。
ちょっと雪崩の心配をしてしまいますね。
案の定冬季は雪崩に注意というのがパンフレットに書いてありました。
例年なら夏道を使わず駒つなぎの場から尾根を直登するようですが、今年は雪が少ないからか夏道が使われていたようです。
標高を上げていくとところどころひらけた場所があり、長野市街や遠くに連なる山々を望むことができました。
天狗の硯岩に来ました。
雪が積もっていて硯岩がどれか全然わからなかったのでスルー。
噂によると岩に登って見る景色が絶景らしい。
水場もありました。
でも凍っているのか水は出ていませんでした。
急登に思わず立ち止まったりしながらゆっくり雪の斜面を登っていくとすこ~んと眼前が開けました。
うひゃ~~、最高じゃんか。
更に後ろを振り返ると、思わず歓声を上げてしまうほどの景色。
北アはやっぱり槍ヶ岳しかわからんね、逆に言うと槍ヶ岳ならどこから見てもわかるね(みんなそう)。
雪面に描き出された影の線などもとても良い。
なんて明るく気持ちの良い山だろう!
西登山道との分岐まで登ると、戸隠連峰がばーんと見えました。
雲がかかっていても岩壁はこの迫力です。
しかしながら徐々に雲が出てきた北ア方面。
さっきまで晴れてたじゃないか…。
山頂では再び晴れてくれるだろうか。
お腹が空いたので分岐でドライフルーツをむさぼり食べました。
最近のお気に入りはプルーンとあんず。
パパイヤとパイナップルは甘すぎてウェってなります。
(どうでも良い話です。)
分岐からも急斜面。
チェーンスパイクだとちょっとばかし不安ですが、何事もなく登れたので良かったです。
急斜面の終わりには、飯縄大権現の石祠と鳥居がありました。
結構埋まっている。
雪不足とはいえさすが北信の山ですね、上の方はそれなりに積もっているようです。
祠からちょっと登ると尾根が広くなりました。
北ア方面はすっかり雲の中。
意地悪だねえ。
南に下ったところに飯縄神社奥宮。
お社はコンクリートでできていました。
雪深い場所で屋根まですっかり雪に埋まってしまうため、丈夫に作られているようです。
ここからしばらく東へ進んだところが南峰です。
南峰には携帯トイレブースが設置されていました。
飯縄山は登山者が多く野外排泄の跡が問題となっているため、携帯トイレの持参を推奨しているのだそう。
飯綱高原観光協会などで販売されている携帯トイレは、使用後は登山口付近にある改修BOXで回収してくれるみたいです。
確かに飯縄山にはトイレがないのでね、トイレ近い人は携帯トイレを買ってから登ると良いですね。
南峰から飯縄山山頂
南峰から飯縄山山頂までは目と鼻の先。
雪の斜面でそり遊びを楽しむちびっこたちを愉快な気持ちで眺めながら山頂を目指しました。
ちびっこたちの元気な姿を見るとわたしも元気になるな。
あとシンプルにかわいい。
山頂までの最後の登り。
メレンゲ雪をもふもふと歩いていくのがとても気持ち良かったです。
ああ快適快適。
そうしてデデンと山頂に到着するのでした。
飯縄山山頂
薄曇りで展望が無くなってしまったので、山頂でカップラーメンを食べながらとりあえず雲が消えるのを待つことに。
相変わらずしょっぱくて、幾度も雪を入れて薄めてやろうかと思いました。
でも今回はMINIなので全部飲み干すことができました。
MINIいいね、今度からMINIにしよう。
しばらくすると戸隠連峰の山々が姿を現しました!
見て見てこのいけめんな面々!!
戸隠がこんなにかっこいいなんて知らなかった。
今までずっと信州人やってきたのに…(恥)。
こちらは西岳の方だと思いますが、馴染みのない山は全く名前がわかりませんな。
これから色々調べて馴染みのある山にしていきたい。
やっぱりタテイチがかっこいいけど手ブレしていた…。
真ん中のピークは西岳p2でしょうか。
遠目から見てもわたしには登れる気がしませんが、こんなかっこいい岩壁なので、いつかは登りたいね。
父は北信出身なので北信五岳は一番馴染みのある山らしく、指さして色々教えてくれました。
が、1度で山の名前を覚えられる賢い脳みそをわたしは持ち合わせていないので、結局帰ってからセルフリサーチです、とほほ。
こちらは黒姫山。
なかなか雲がどいてくれなくて、奥に見えるはずの妙高などは今回望むことができませんでした。
わたしたちのいる山頂の上は青空なのになあ。
それから北アルプスも南の方も展望は全くダメでした。
しかし戸隠だけは大サービスしてくれたので、それに免じて今回は良しとしようじゃないか…。
下山
山頂には1時間近く居座って、それから下山しました。
南峰までのゆるやかな道を楽しく歩きます。
途中でスキーをつけた男性に抜かれました。
恐らく外国の方だったと思うのですが、ヒールフリーのスキーでスイスイと歩いていく姿はかっこよかったです。
BCスキーに関しての知識は全くないので良くわかりませんが、斜面を難なく登って行かれたので板の裏にはシールというやつをつけているのかな?
…斜面を登るスキーってなんだ…わたしもやりたい…。
南峰との鞍部では青空の戸隠をチラ見。
神々しい。
飯縄大権現の祠では戸隠をガン見。
左奥には、雲の隙間から白馬鑓がこちらを覗き見。
カメラのレンズを通してにらめっこ。
樹林帯に入ってしまうとあとはひたすら下るのみです。
足元の雪はところどころ溶けていて、岩や土が出ていました。
こうなってくるとべしょべしょの重い雪がスパイクに張り付いてきます。
たびたび足裏に付いた雪を落とすために立ち止まらなければならないストレス。
どなた様かのかわいらしい雪だるまを見ながらどんどん下りました。
登山口でチェーンスパイクを外し、車道と林道を下って無事駐車場に帰ってきました。
お疲れさまでした!
下山後Story
下山後は戸隠神社付近を散策したり下道で安曇野までドライブしたりと、結構楽しみながら帰ったので、それはまた今度の記事に書こうと思います。
ちなみに夕ご飯は安定のココス北アルプス大町店にて。
下山後は無性に食べたくなるんだよね。
無駄話だけども、大町のココスにはおやきが売っていました。
ご当地メニュー的な?
かぼちゃがやけにおいしそうに見えました。
感想
飯縄山とっても良かったです!
想像以上。
北アを筆頭に、同じ山でも北信から見ると全然違って見えてすべてが新鮮でした。
戸隠などはこの前の一ノ倉沢を見た時並みに感動しました。
長野でさえもまだまだわたしの知らない世界があるのだなあと思うと、とてもわくわくしますね。
これからはまだ見ぬ景色を求め、北信も開拓していきたいです\\٩( 'ω' )و ///