こんにちは。
今日は西吾妻山に登った記録です。
西吾妻山について
西吾妻山(にしあずまやま)は、山形県米沢市と福島県北塩原村にまたがる標高2035mの山です。
吾妻連峰の最高峰となっています。
針葉樹の原生林に覆われ夏場は展望がききませんが、冬になると樹氷の景色などを楽しむことができます。
古くから信仰の対象になっていて、山頂北側の天狗岩には吾妻神社があり、吾妻明神が祀られています。
参考:
西吾妻山 - にしあづまやま:標高2,035m-東北:吾妻連峰 - Yamakei Online / 山と溪谷社
山行記録
8:40 湯元駅 ー 8:45 天元台高原駅 8:50 ー 8:55 リフト乗り場 ー 9:20 登山口 9:30 ー 10:10 中大巓 10:15 ー 11:00 梵天岩 ー 11:25 西吾妻山山頂 11:50 ー 13:00 登山口 13:10 ー 13:30 リフト乗り場 ー 13:35 天元台高原駅 14:00 ー 14:05 湯元駅
人生初ワカンを履いて西吾妻
先日ようやく卒論発表会が終わり、肩の荷がひとつ下りました。
それと同時に大学を卒業するという寂しさに苛まれています…ひえ~悲しい。
大学生ほんとに楽しかったしほんとに充実していたな…。
それで、最近は引っ越しの準備とかで色々忙しいんですけど、山形の山に登れるのもあと何回かわからないので、またKさんと今度は西吾妻山に登ってきちゃいました(我ながら山に登りすぎててやばいな)。
湯元駅から登山口
今回は天元台高原から登りました。
駐車場はスキーヤーでいっぱい。
圧雪でつるつるなので、駐車するのにはさぞ神経を使うことでしょう(Kさんがとめてくれたので他人事感…いつもありがとうございます…)。
湯元駅からスキーヤー&スノーボーダーに混ざってロープウェイに乗り、天元台高原駅まで一気に上がりました。
この時ロープウェイのおじちゃんに、前日に雨が降ったからなだれに気を付けてくださいと言われ、気を引き締めました。
それにしてもこの時期に雨ってなんだ…異常すぎる…。
ロープウェイの後はリフトを3個乗り継ぎます。
文明の利器を使い倒していくスタイル。
途中から雲の中に突入してしまいました…。
…これはこれで幻想的ということで…何事もポジティブが大事ですよね?
3つのリフトを乗り継いでついた先が登山口です(・ω・)
登山口から中大巓
本日はKさんにお借りしたワカンをつけて出発です。
スノーシューは履いたことがあるのですが、ワカンは今回が初めて。
見た目的に、スノーシューよりシンプルで必要最低限って感じが好きですね。
出発の時にはガスが消えて青空が広がったので、結構楽しみに登り始めました。
背の高い針葉樹林の中を縫うようにトレースが続いていて、最初はそれに沿って歩きました。
こういう森の中をワカンやらスノーシューやらで歩くのって最高に気持ちが良い。
徐々にモンスター化する木々。
もうすでに異世界といった感じでわくわくしてしまいます。
背の高い木々がまばらになってくると、その間からスノーモンスターが沢山生えた斜面が見えました。
こんな景色を見たのは初めて。
いや~、すごいもんだな。
樹林帯を抜けると真っ白な雪の斜面になりました。
正確には樹林帯を抜けてはいないのですが、積雪量が多いために、まるで森林限界のようになっています。
スノーモンスターもご覧の通り。
なんだかすごいところに来てしまいました。
なんて最高の景色なのだろう!!!
西には雲の上に頭を出した飯豊連峰の姿。
真っ白!!!さすがは日本海側の山だな。
さて、西吾妻山山頂に向かう前に、わたしたちは中大巓へ向かいました。
中大巓は夏場は木々に覆われていてルートがないため、冬にしか登れないピークです。
西吾妻山と反対方向にあるのでちょっと遠回りですが、今回はKさんのおすすめで行ってみることに。
写真を撮りながらゆっくり登りました。
防風用にネックゲイタ―を鼻まで上げると完全に怪しい人になる。
雪山を闊歩する銀行強盗。
銀行強盗のおばショット。
あまりの絶景に完全にテンションがおかしくなってた(笑)
そういえば…
樹氷はスノーモンスターとよく言われますが、西吾妻山のスノーモンスターは「リトルスノーモンスター」と呼ばれるようです。
蔵王などに比べると規模が小さいので「リトル」がつくみたい。
蔵王のスノーモンスターは一度だけ見たことがありますが、こっちのモンスターはそれに比べると確かに背丈が小さいですね。
小さいほうがかわいらしくて好きだな!
「ヨシヨシ」
中大巓への斜面は緩やかで、沢山のモンスターをよけながらトレースのついていない雪道を自分で開拓して歩きます。
雪山では登山道が決まっていないのである程度自分の好きなように歩けて楽しい。
あっという間に中大巓のピークに到着しました。
山頂標識とかはないのでピークだというのはGPSで確認しました。
中大巓から東へは吾妻連峰の縦走路が続いています。
これが冬だけの限定景色だと思うと優越感に浸れる、(笑)
ポコポコとリトルスノーモンスターが生えていてかわいい…。
中大巓から西吾妻山山頂
中大巓で写真を撮った後は、いよいよい西吾妻山山頂アタックです。
アタックと言っても緩やかな斜面を散歩するだけなので気楽。
2月とは思えない温かい風と太陽に感謝です。
ワカンでつけてきた足跡を振り返るのも楽しい!
ワカンはスノーシューよりも軽くて小さいので割と歩きやすいです。
浮力はそんなにない印象ですが、今回は雪質的にあまり沈み込むことはありませんでした。
「走れそうだ!!(笑)」
“躍動感”
中大巓を下る斜面は本当に気持ちがよくていつまでも歩いていたくなりました。
西吾妻の斜面を眺めながら、Kさんと「あそこは雪崩が起きそうですね」などの話をしました。
わたしは雪山初心者なので、雪崩が起きそうな場所とか条件とか、Kさんによく教えてもらって勉強しています…。
それでもまだまだわからないことだらけ…雪山って難しい…。
ふと上を見上げると太陽の周りにハロができているのに気が付きました!
リトルスノーモンスター×太陽ハロ。
なんて素敵な組み合わせ!
わたしのお気に入りの本に『雲のカタログ』というものがあるのですが、そこに「ハロは太陽を隠して撮ると良い」と書いてあったので、やってみました。
樹氷に天使の輪っかがついたみたいになった。
さらに撮っているところを撮られていた。
皆さんも、ハロを撮る際はこのように撮ってみてください。(笑)
あ、『雲のカタログ』おすすめです(*'▽')
露出した木の枝にはたくさんのエビの尻尾が生えていました。
雪山始める前は、こんなエビの尻尾を見たこともなかったのに、雪山始めてからは結構当たり前に見る光景になっていて不思議な気持ち。
中大巓から鞍部まで下って西吾妻に登ります。
この辺りは先行者のトレースを辿りました。
登りは結構暑いです。
風が強い予報だったのですが言うほどでもなく、気温も高めで汗かいちゃいました…。
「あっち~~!」
この日の空は水蒸気量が多いためか、なめらかな優しい青でした。
まるで春山のよう。
途中で梵天岩に寄り道しました。
エビの尻尾がついた何かしらの標識。
たぶん梵天岩と書いてあるのだと思う。
梵天岩から見る景色もとても綺麗でした。
どひゃ~~。
モンスターが襲い掛かってきているみたい(笑)
梵天岩からもなだらかな雪道を歩きました。
それはもう天国のようで。
scwの天気予報が良い意味で裏切られていて気分が良い。
東北で樹氷を見ることはもうないと思っていたから…ウレシ(泣)
リトルとは言うものの、結構大きなものも中にはあります。
見た目はふわふわですが、触ってみるとカチカチに凍っているのでびっくり。
良く見ると樹氷を構成する氷の一つ一つが綺麗に結晶になっていてとても美しいです。
手のひらでカラカラと音を立てる樹氷のかけらが気候の厳しさを感じさせます。
山頂直前でアーチになっている樹氷を発見。
わたしの中の童心が、この綺麗なトンネルをくぐってみたくなった。(笑)
なんとも道草が多い山行です。
樹氷に付いた模様が複雑にうねうねしていて、これもまた自然の芸術。
Kさんによると、かの有名な深田久弥の友人は、この樹氷の大群を見て「海を泳ぐイルカの群れのよう」と比喩したようです。
…想像力がよっぽど豊かだったのでしょう…!
わたしにはモンスターにしか見えないなあ。
人が多くなってきたなと思ったところで西吾妻山山頂に到着しました。
こちらの頂も山頂標識などは今は全部雪の下なので、GPSで確認です。
西吾妻山山頂
山頂の下は雲海が広がっていました。
下界の民にとっては曇りの日なのか~と思うと優越感ですね、と、Kさんと話しました(笑)
…性格悪いんでね。(笑)
近くにいたかわいいモンスターの写真を撮った。
こっちに向かって「コンニチハ」と言っているように見える。
山頂では西大巓も見える位置でお昼ご飯にすることに。
当初は西吾妻小屋まで下って食べる予定でしたが、ほとんど風がなく暖かかったため、青空ランチです。
厳冬期なのに雪上に座ってまったりピクニックとか…こんなこともあるんやなあ。
期間限定のチーズタルトgalboも美味しかった。
おすすめ!
西吾妻山山頂から登山口
30分くらいまったりしてから下山を始めました。
このころにはだいぶ雲が上がってきていて、わたしたちが山頂を後にした直後くらいには軽くガスがかかり始めました。
これがまた幻想的で、一生懸命シャッターを切りました。
同じ場所なのに、ガスがもやもやするだけでさっきとは全く違う景色になります。
今回もKさんにたくさん良い写真を撮ってもらって上機嫌です。(笑)
カリマーとノースの広告に使っていいよ。
ハロも最後まで消えることはありませんでした。
うっすらシュカブラができているのに気づく。
シュカブラはノルウェー語の波(skovla)が語源だそうです。
雪原って、時が止まった大海原みたいですよね。
再び背の高い針葉樹林に入ります。
下りは登ってきたルートとは別のルートを行きました。
わたしのような初心者は、こういう時はGPSが必須ですね…。
あっという間に登山口まで下ってきました。
最後まで天気が良くて最高の山旅でした!
登山口から湯元駅
ここでワカンを外してあとはリフトとロープウェイを乗り継いで帰るだけ!と思ったのですが。
ここで大事件が発生しました。
…やばい、リフト券がない!!!( ゚Д゚)
サコッシュに大切にしまっておいたはずのわたしのリフト券が…消えていました。
どんなに探してもどこにも見当たりません(ToT)
どこかに落としてきてしまったようでした。
ザックもポケットも散々探したけど結局発見できず、どうしようかと途方に暮れていた時、リフトのおじちゃんが「下るの~?」と話しかけてくれました。
そこで事情を話してみると、おじちゃんは「買ったのは確かなんだろ?いいよ、乗せてやるよ」と。
…じ、慈悲深…!!!!!
それはもうぺこぺこに頭を下げてありがたく乗らせていただきました。
おじちゃんまじで優しい、仏のよう、ありがとうございます。
今度からはリフト券はなくさないように大事に大事に保管します、すみませんでした( ノД`)
来る時と同じ3つのリフトを乗り継ぎ、天元台高原駅まで戻ってきました。
スキーヤーとスノーボーダーが上りのリフトにたくさん乗っていたので、すれ違う時がちょっと恥ずかしかったな…(笑)
そしてね、最後のリフトを下りた直後、悪意ある雪の落とし穴に落ちてまた正面からすっころびました。
後ろから来たスノーボードのお兄さんに笑われました。
この前の黒斑山の最後みたいな旅の終わりでした。
最近恥ばかり晒してるぜ。
そんなわたしを、Kさんが天元台高原駅で売っていたたまこんにゃくで慰めてくれました。(笑)
湯気が出るあっつあつのたまこんにゃくのおかげで元気になりました(笑)
Kさんありがとうございます!(笑)
そういえば、天元台高原駅から見る飯豊連峰方面の景色がとても綺麗でした。
ロープウェイの中では西吾妻の尾根尾根をボケっと眺めました。
最高の景色を見れて最高の山行だったな…。
無事に湯元駅に到着し、楽しかった山旅は終了。
お疲れ様でした( ˘ω˘ )
帰りには、車内から晴れた蔵王を見ることができました。
最後の最後まで天気が見方してくれたよ、今年も晴れ女説濃厚なのでは~?(笑)
(おまけ)
フィルム風アプリで撮ったスノーモンスター。
まじもんのモンスターで怖い。
反省メモ
ロープウェイの乗車券をなくした。サコッシュに確かに入れておいたのに…どこに行ったのやら。今度からはスマホケースに必ず挟んでおくようにしよう。
スポドリを持って行くのを忘れた。谷川で足を攣った時にお世話になったダカラちゃん…雪山には必ず1本持って行くようにしよう…。
感想
正直ここまで晴れてくれるとは思っていなかったので、予想外に素晴らしい山旅になりました。
リトルスノーモンスターがたっくさん生えててすごかった…!
2,3年前に蔵王にスノーモンスターを見に行ったことがあるのですが、天気が悪くほぼホワイトアウトという状況だったため、近くのスノーモンスター数個しか見ることができませんでした。
西吾妻の樹氷は蔵王に比べて背丈は小さいものの、なだらかな斜面にこれでもかというほどたくさん並んでいて、その景色は圧巻でした。
山形にいるうちに東北のスノーモンスターを見ることができて本当に良かった。
また来たいなあと思うけど、4月からは長野に住むので現実的には難しいかな…。
いつの日か、遠征とかしたときに登れたら良いなあと思います。