こんにちは。
蝶ヶ岳について
蝶ヶ岳(ちょうがたけ)は、長野県松本市と安曇野市にまたがる標高2677mの山です。
初夏に山頂南稜の稜線付近に蝶の形をした雪形が現れることからこの名前がつきました。
現在の山頂の北峰には蝶槍というピークがあり、1990年ごろまではここが山頂という認識が強かったようです。
ちなみに記録に残るものとしては、かの有名な播隆上人が初登頂を成し遂げたとされています。
北アルプス入門山として人気の山です。
参考:
山行記録
4:50 三股登山口駐車場 ー 6:30 まめうち平 ー 8:40 大滝山分岐 ー 8:55 蝶ヶ岳ヒュッテ・蝶ヶ岳山頂 9:10 ー 10:10 蝶槍 11:15 ー 11:45 蝶ヶ岳ヒュッテ 12:05 ー 15:10 三股登山口駐車場
稜線からの絶景を
はじめに
どうも、大変お久しぶりのやまとりにっきでございます。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
社会人になってから5ヶ月が経ちました、毎日忙しすぎて泣いています。(笑)
それでも山は毎週登っているので、記事にまとめる前に次の山行がやってきます。
...ブログを全然更新できない( ノД`)
...皆さんのブログも読みたいのに全然訪問できない( ノД`)
1日は48時間であれ、と思う今日この頃です。
さて、7月19日は父と北アの蝶ヶ岳に出かけてきました。
本当は6月中に登ろうと思っていたのですが、雨で延期になり、長い梅雨の珍しい晴れ間を狙ってようやく行くことができた山です。
今回も短編小説並に長文ですが、どうぞお付き合いください。
(もう冒頭が長え、はよ本文入れ。)
三股駐車場
蝶ヶ岳は北アの中でも日帰りできる数少ない山の1つです。
人気なのでとても混雑します。
このご時世だからそんなに人いないやろって思ったら大間違いです。
駐車場取り合戦に勝利するべく、この日は2:30に起床。
まだ真っ暗なうちに、眠い目をこすりながら車に乗車…。
安曇野ICで長野自動車道を下り、登山口へ車を走らせました。
インターを降りてからずっと前にいた車、明らかに三股に行くという感じだったのでやっぱり混むんだろうなあと、もはや笑えました(笑)
アルプスあづみの公園の横を山に向かって走ると道はだんだん狭くなり、センターラインも消え、山道に入っていきます。
舗装されているので割と走りやすいかとは思います。
4:30頃に駐車場に到着したにも関わらず、すでにこのありさまでした。
…もう嫌よ。
この時、この山にはもう二度とこないかもしれないな、などと思ってしまいました(笑)
駐車台数は60台くらい。
その他、路駐や臨時駐車場の選択肢もあるみたいです。
コロナでもこんなに混んでいるんだから、普通のシーズンとかだとそれこそ狂気の沙汰になりそうですな、こわやこわや。
綺麗な水洗トイレが登山口へ向かう林道手前に設置されています。
余談だけど、山に遊びに来てトイレを使う時は必ずマスクをつけるようにしています。
山に来ると開放的な気持ちになってその辺のリスク管理できなくなることが多いと思うので、そこは一旦理性を取り戻してみんなで感染対策やっていきたいね。
三股駐車場からまめうち平
ささっと準備して出発!
駐車場の込み具合に一時はテンションが下がりましたが、靴ひもを結べば元気も回復(笑)
駐車場から登山口までは、しばらく砂利道を歩きます。
すぐそばには本沢がゴーゴーと音を立てて流れています。
この川は下流に行くと烏川という名前になるらしい。
連日の雨のため、水量はやや多めな印象。
水の音ってなんか恐怖心煽られるんだよなあ。
林道を10分ほど歩くと三股登山相談所に来ました。
ここにもトイレがあるので、最終トイレとして利用できます。
登山届を提出し、いよいよ今年初の北ア登山の始まりです!
前日雨が降ったのに思っていたより水は澄んでいました。
山の浄化作用すごいね。
まだ薄暗い森をしばらく歩くと今度は吊橋が登場しました。
増水時の迂回路の説明を見て、ここは雨の日には登れない山なんだなと、朝の働かない頭でぼ~っと考えてました。
吊橋は揺れるのでちょっと肝を冷やしますね。
こういう橋って1人ずつ渡るのが常識かと思っていたけど、お父さんが渡っている時に後ろから来た3人組がどかどかと渡ってきてめっちゃ揺らされててびっくりしました(笑)
世の中にはいろんな人がいるのだなあ。
この頃には朝日が木漏れ日となって足元を照らし始めていて、山の朝の訪れをひしひしと感じました。
なんて清々しい。
こちらは力水という名の湧き水ポイント。
澄んでいるようには見えるけど、直前に雨が降った時の湧き水にはあまり手を出したくないよなあ…。
力水からは階段が始まります。
濡れていると滑って落ちそうになるので注意。
この階段の先はちょっとした広場になっていて、そこにはゴジラの木と呼ばれている自然のオブジェがありました。
グーで喧嘩を吹っかけてみたけれど、全然乗り気ではいらっしゃらなかったので先に進みました。(笑)
緩やかな坂道を快調に飛ばしていくと、木々の間から常念岳と前常念岳が見えました。
やばくないか。
このあふれ出る北ア感。
思わず頬も緩んじゃうよ。
まめうち平の手前で一度休憩を入れました。
ちなみにまめうち平にはベンチがいくつか設置されているので、混んでいなければこちらで休憩するのがいいと思います。
まめうち平から蝶ヶ岳ヒュッテ
まめうち平の先は大だるみというなだらかな地形になります。
北八を彷彿とさせる密度の高い森の中をてくてく歩きます。
まじで、文字通り「てくてく」です。
たるみもたるみ、大だるみ。
気が抜けるほどの平和さで、ついついスピードを上げがち…。
お父さんと、「たるんでますなあ~」などと無駄な会話をしながら歩きました。
たるみを過ぎると傾斜は徐々にきつくなっていきます。
木々の隙間から時折見える常念岳と前常念岳、どんどん角度が変わっていくのがとても面白い。
自分がどれだけ登ってきたのかを確認できて、そのたびにわたしの足すごいじゃんって自画自賛して頑張る…(笑)
一ヵ所渡渉あり。
この川、渡っている時に上を見るとものすごい急傾斜を水がどばどば流れていてびっくりします。
軽く滝です。
暑い時に涼むにはとっても良いポイントです。
まだ新緑と呼んでも良いくらいの、鮮やかな緑の葉のトンネル。
高山の夏はワンテンポ遅くやってくる。
気づけば眼下には大雲海が広がっていました。
梅雨の時期にこんなに素敵な景色を楽しめるなんて思ってもいませんでした。
山の神様に感謝。
さて、登山道はいよいよクライマックスとなってきました。
地図を見ると標高2100m付近からは等高線がえげつないことになっているのですが、実際はそのほとんどを階段を使って登っていきます。
あんだけたるんで油断させておいて、徐々に始まる階段地獄で確実に登山者のHPをそぎ落としていく蝶ヶ岳。
これがお前らのやり方か~!(ゆいP風)
まんまとその罠にはまってHPが皆無になりました。
本当に気持ち悪くなってくらくらして吐き気を催していました…(笑)
シャリバテなのか貧血なのか高山病なのかわかりませんが、とりあえず具合が悪かった。
座って休んだらだいぶよくなりましたが、あれはいったい何だったのか…。
朝ご飯もろくに食べないでハードな運動するとこんな風になるのだと思います。
良い子はマネしないで…。
第二ベンチでヒュッテまであと1.7kmもあることを再確認し、絶望に打ちひしがれる。
…今思ったけど、蝶の絵がとても上手だなあ。
第二ベンチからカメのスピードで1時間ほど登り続けると、突然森を抜けて大滝山との分岐に出ました。
大滝山、展望もほとんどない山だと聞くけれど、なんか行ってみたい気もするんだよなあ。
この分岐からはすこーんと開けた登山道が続きます。
道が開ければ気分も上々!
貧血気味の気持ち悪さもいくらか回復し(現金なヤツ)、上機嫌で山頂を目指しました(笑)
この斜面には高山植物が沢山咲いていて、足元の小さな花々からパワーをもらって頑張れました。
道はすぐにハイマツ畑に。
やっぱり森林限界は良い。
そしてここで、山の斜面から突き出る穂先の姿を認識。
ああああ!槍だ~!と思わずお父さんを振り返るわたし、この時点でもう貧血の気持ち悪さから完全に開放されました。(笑)
というわけで、晴れて(色んな意味で)蝶ヶ岳ヒュッテに到着です。
蝶ヶ岳山頂
蝶ヶ岳の山頂は、蝶ヶ岳ヒュッテからわずかに南方へ行ったところにあります。
蝶ヶ岳周辺の稜線からは圧巻の景色です。
顔面に雲をくっつけている約2山を除いては晴れている、槍・穂高連峰。
このところずっと天気が悪かったので下界からも望めなかったこの山々に、感動しないはずがあるだろうか、いやない。
しばらく斜面でこの景色を眺めていましたが、だいぶ人が多くなってきたので蝶槍に逃げることにしました。
蝶ヶ岳山頂から蝶槍
蝶槍への稜線、くぅ~!という感じでした(伝われ)。
この稜線歩きのために道中吐きそうになりながら頑張って登ったのだ(登っている時には蝶槍なんか行くもんかと思っていたことは内緒にしたかった)。
遠くに見えたこれは、もしや野口五郎…?
2年前、よくも爆風に遭わせてくれたな、一生忘れんぞ。
久しぶりの青い空です。
早く梅雨明けしないかなあと切に願った。
沸いては消える雲、隠れては出る槍の穂。
素晴らしすぎる景色に見とれていると、あっという間に蝶槍に到着です。
蝶槍のピークは岩々しています。
岩の上から望む槍穂高は一層迫力がありました。
蝶槍付近で休憩
蝶槍ピークは狭いので、少し下ったところでお昼休憩にしました。
これを見ながらランチするんだよ、最高じゃない?
ランチの後は、でっかい岩の上でごろ寝。
たぶんこの瞬間、世界で一番幸福なのはわたしだったと思う。
槍もかっこいいけど、穂高はそれにも増してイケメンです。
北穂、涸沢、奥穂、涸沢カール、屏風岩。
推しは北穂ですかね。
北穂高小屋が岩の上に建っているのが見えます。
よくもまあそんなところに小屋を建てようと思ったよなあ。
北穂と屏風岩。
屏風岩、誰か登っているかなと目を凝らしましたが全然わかりませんでした。
奥穂のどっしりとした姿も当たり前にイイ。
手前を横切る尾根は前穂北尾根です。
数々の登攀ドラマを生み出した、あの北尾根です(知らないけど)。
マイナーだけど気に入っている明神岳。
登れないです、そもそも登山道がないので。
地図見ても本物見ても崖ばかり。
明神岳を登れるようになるにはどんなトレーニングをすれば良いのかな…。
いつか歩こうと意気込んではいるけれど、蝶ヶ岳ごときにヒーヒー言っているわたしには到底及ばない世界。
いつまでも憧れているだけでは一生歩けないので、今年からは本格的にトレーニングに励みたいな…。
槍沢がまじで素敵、ずっと見ていられる。
天を貫く槍ヶ岳と北鎌。
北鎌独標…はあ、こんなのもう語彙力なくなるよ。
余談ですが、山と高原地図にルートの記載がない山ってなんかわくわくしませんか。
北鎌尾根も、前穂北尾根も、そして明神岳も、線の書いていない尾根を眺めているとわくわくが止まらない。
そういえば蝶槍付近から見る大天井もかっこよかったです。
大天荘が見えるんですよ!
去年の秋口に、強風の中あそこにテントを張って過ごした2日間が懐かしい。
いつか常念山脈縦走やりたいな。
下山
タイムリミットが近づいてきたので名残惜しくも下山の準備を始めました。
さよなら北アルプス、しばしの別れ。
蝶ヶ岳ヒュッテまでの二重稜線を楽しみながら帰路につきました。
二重稜線とは、複数の稜線が↑のように平行に並んでいる地形のことを言うそうです。
蝶ヶ岳のこの稜線について信大が面白い論文を出していたので参照:
http://www.shinshu-u.ac.jp/group/env-sci/Vol31/Paper2009/10_Hohashi.pdf
歩いている途中でこの日初、前穂が頭を出したためカメラを構えました。
あまり良い写真ではないけれど、北尾根のイカし具合は伝わると思ってる。
午後は晴れる率高い長野県側。
安曇野市ですね~素敵ですね~☆
ここで蝶ヶ岳ヒュッテともしばしの別れです。
ふとんがあたたかそうでした、またね。
トイレから帰ってきたお父さんと共に稜線を後にしました。
長野県側の雲を必死でせき止めている常念岳もさようなら。
下山中はおさるに遭遇。
普通はこっちが近づけば逃げるけど、なんだか怖いおさるの群です。
それはそうと、下山はとてもしんどかったです…。
足の筋肉崩壊しました。
足の裏も激痛だったし…:;(∩´﹏`∩);:
途中の渡渉箇所で冷たい沢水に手ぬぐいを浸して顔をぬぐったら、生き返るような心地がしました。
自然の恵みに感謝。
余裕がなさ過ぎて最後の橋しか写真を撮っていませんでした(笑)
蝶の下山…えれこった。
何度休憩したかもわかりません(笑)
わたしもまだまだ体力が赤ちゃんだな…やっぱり走らないといけないのかしら。
そんなこんなでなんとか三股登山口に帰ってきました。
最後の林道まじで泣きそうでした(笑)
トイレから車までのコンクリで力尽きましたとさ。
車の中で、それまでザックに入れていることを半分忘れていたおやきを食べました。
あとアイスも食べました。
これで息を吹き返し、元気におうちに帰りました。
おわり!
反省
\体力がねえんじゃ!/
ほんとに、体力ってどうやってつけるのか誰か教えて欲しい。
毎週山に通っているのに毎週筋肉痛なんだよ。
ランニング始めようかしら…そんなことしてる時間、1日に1秒もないけど。
あと登りの時に気持ち悪くなったやつですが、あれは完全に朝ご飯を食べなかったことが悪かったです。
朝ご飯食べるのきついですが、最低おにぎり1つは腹に入れておくべき。
登っている途中でお腹がすいたら、何でもいいから無理してでも何か胃に入れるべき。
ちなみに、今回行動食として活躍してくれたのはラムネでした。
暑くても溶けないところが最大の利点かな。
ぶどう糖は大切です。
感想
久しぶりの北アの大展望、言わずもがな最高でした。
今年の梅雨は本当に長くてうんざりでしたが、梅雨の真っただ中にこんな素晴らしい山行ができて心も晴れやかになりました。
個人的には雨の山行でもめちゃくちゃ楽しめるのですが、あんまり降ると色んなリスクが上がって山に入れなくなるので、やっぱり晴れは良いなあと思います。
自分の気持ちと体力がまだまだ比例しないのでもどかしさが沢山ありますが、これからもこんな感じでちょくちょくはきつい山行をやって、レベルを上げていけたら良いなあと思います。
(最後までお読みいただきありがとうございました!)