やまとりにっき

山登りやお出かけを中心とした日々のあれこれです

<山行記録> 北ア 五竜岳 1日目 ~今年はガスと強風に好かれていると確信した~ 2020.7.30

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こんにちは。

今日は北アの五竜岳に登った記録です。

五竜岳について

五竜岳(ごりゅうだけ)は富山県黒部市と長野県大町市にまたがる標高2814mの山です。

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北アルプス後立山連峰に属しています。

 

戦国時代、信州側ではこの地一帯を武田氏が治めており、武田の紋章と五竜岳の山肌に出るひし形の雪形が似ていることから、かつてはこの山を「御菱(ごりょう)岳」と呼んだそうです。

そこから転じて「ごりゅうだけ」と言われたのが山名の由来となりました。

 

参考:

五竜岳 - Wikipedia

五竜岳 - ごりゅうだけ:五龍岳:標高2,814m-北アルプス・御嶽山:北アルプス北部 - Yamakei Online / 山と溪谷社

 

山行記録 

7:35 とおみ駅 ー  8:05 アルプス展望リフト(上) ー 9:30 小遠見山 ー 9:50 中遠見山 ー 10:50 大遠見山 ー 11:20 西遠見の池 ー 13:10 五竜山荘

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テントを背負ってガス山へ

はじめに

7月最終日は、人生で初めていただいた有休2日間を土日とつなげて後立山に出かけていました。

ずっと行きたかった八峰キレットを歩くために、五竜山荘と冷池山荘のテン場を予約していたのです。

父と2人で五竜鹿島槍~爺~扇沢のルートを3日間かけて歩く計画を立てていました。

まあでもね、天気が悪かったよね、ついてないねえ。

今年の梅雨は本当に長かった。

あまり良い写真はありませんが、しばしお付き合いいただけたら幸いです。

 

とおみ駅から大遠見山

今回の登山口は白馬五竜スキー場。

扇沢登山口に父の車をデポってから向かいました。

 

白馬五竜スキー場には、ゴンドラ駅の道を挟んで反対側に宿泊登山者用の専用駐車場があったのでそこに車をとめました。

もうこの時点で小雨が降っていたので上の天気が心配でしたが、とりあえずはとおみ駅に向かいました。

 

とおみ駅で始発のテレキャビンを待つ事数十分。

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テレキャビン乗り場は2階にあります


始発から数分遅れてゴンドラの箱に乗車。

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五竜への片道切符 なんつって

8人乗りですが、こんな時期ということもあって1パーティずつ乗ります。

乗車するには「同意書」が必要なので、事前にダウンロードして記入しておくことをお勧めします↓

料金 | ゴンドラ&リフト | 白馬五竜高山植物園

 

乗り込んだはいいけどこんな感じの景色で不安は募るばかり…。

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6月の悪天編笠山でひどい目に遭ってから、雨天山行が怖くなったワタシ。


そういえばあの山行、まだ記録書いていないんだったな。

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反省点が多いので、落ち着いているときにじっくり書いて振り返りたい。

 

アルプス平駅でテレキャビンを降りました。

約8分間のガスガス空中旅行は一瞬で終了。

 

そして我々は、より楽をするべくアルプス展望リフトの乗り場へ向かいます。

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ヒマラヤの青いケシ、咲いていました。

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一眼はザックの中に眠らせていたので、iPhoneで撮ったやる気のない写真ですみませぬ。

 

リフト乗り場はアルプス平駅から少し下ったところにあります。

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もやもやのガスの中にリフト乗り場が見えています↑

なんなんこのガス!(笑)

 

途中の池に大量のおたまじゃくしが暮らしていました。

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ちょとここまで集合すると気持ちが悪い。

 

リフトに乗車すると、あまりの快適さにもうこのまま山頂まで運んでくれやと思ってしまいました。

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夏の静かなリフト最高だ。

アルプス展望リフトという割にはなんも見えてないけれど…(苦笑)

 

そんな快適なリフト旅も一瞬にして終了。

リフト降り場の奥には、五竜岳への登山道が続いていました。

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ここで準備を整え、まずは小遠見山を目指します。

頑張るぞ~。

 

この登り始めの階段から、久々の重荷が肩にずっしりきて大変でした。

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重いテン泊装備を担ぐと、やっと夏が来たなあって思います。

…まだ明けきらぬ梅雨って感じだったけど。

 

5分ほど歩いたところにケルンがありました。

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地蔵の頭だそうです。

なんも見えんので先に進みます(笑)

 

小遠見山まではほとんど整備された階段の多い登山道。

しかし天気が悪く足元もびしょびしょなので、結構歩きにくかったです。

 

途中でこんな感じの展望スポットなどもありました。

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はっ、なんも見えんがな。

 

ゆっくり歩いて1時間ほどのところにちょうど良くベンチがあったので、ここで1回目の休憩をとりました。

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行動食はポイフル

ポイフルを口に放り込むと、その瞬間幸せな気分に浸れます。

行動食って大事なんだ。

 

相も変わらずガスい山を、重たいザックにヒーヒー文句言いながら登りました。

 

このひらけたザレを見て、遠見尾根は晴れていればきっと素晴らしい景色なのだろうと思いました。

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小遠見山直下には、山頂に続く道と巻道との分岐がありました。

とりあえずピークハントをしようということで、巻道ではなく山頂へ。

 

リフト降り場から1時間半ほどで小遠見山に登頂しました。

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山頂は開けてそれなりのスペースがあり、多くの人が休憩をとっていました。

 

ちょっと混んでいたので、わたしたちは滞在せずに山頂スルーしました。

 

小遠見山から20分ほどの中遠見山で休憩。

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遭難慰霊碑がたくさんあった

ここまでヒーヒーでした(笑)

荷が重くなると気持ちだけが先走って足が全然ついていってくれない…。

体力だいぶついたなって自分では思っていたのになあ(笑)

 

さて、中遠見山から1時間歩いたところには大遠見山がありました。

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ここも多少スペースがあるので休憩にはもってこいでしょう。

ただ近くに池のような川のような沼のような、なんとも言えない水場があるので、蚊には注意です(実際結構飛んでた、山の蚊はかゆいよ~)

 

大遠見山から五竜山荘

我々は大遠見山の手前で休憩をとっていたので、この山は通過しました。

大遠見山の手前で小雨が降ってきたのでレインウェアとザックカバーを装着。

 

大遠見山からしばらく歩くと池がありました。

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雪がまだ残っています。

 

この池周辺も開けた休憩ポイント。

わたしたちも、西遠見と書かれた標識の隣に腰掛けて休みました。

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西遠見山のピークはもう少し先なのに、なぜかここに標識が立っているのです、なぜ?

 

重いザックがかなり足にきていてもうへとへとでした(笑)

この日は曇っていたから良かったものの、これで直射日光浴びていたらたぶん死んでたな……(笑)

 

ちなみに西遠見山のピークには標識などはなく、ふと気になって地図を確認したら知らないうちにピークを通り過ぎていた、という感じでした。

 

西遠見を過ぎたか過ぎないかくらいから、道が徐々に険しくなってきました。

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超もやもや~。

ガスの中から時折顔をのぞかせる岩肌にぞくぞくしました。

かっけえですね。

 

歩いてきたところを振り返る。

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ザレているので通過には注意です。

落ちたらやばいな~というところはたくさんありました。

 

歩くごとに増えてくる階段と鎖。

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岩肌が湿っているので滑りましたが、この辺は特に危険と思うところはありませんでした。

 

長い鎖場の前でまた休憩。

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休憩ばかりしている(笑)

 

重い荷物が煩わしく感じる鎖場でした。

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この写真、どういうモードで撮ったんだ

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一歩が重くて「よっこらしょ~!」という感じで登りました(笑)

 

標高を上げると谷沿いに雪が目立ってきました。

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雪解け水が谷筋に流れる沢にゴーゴーと流れていくのが見えました。

山に反響する水の音が、風や雷の音に聞こえて身震い。

テン泊で怖いのは風と雷なのよ。

この先もガスってるし、今回のテン泊に不安を感じながら先を急ぎました。

 

頑張って歩いてようやく遠見尾根を登り切りました。

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尾根、割と狭いね~。

晴れていたらどんな風景が見えたのかな。

 

遠見尾根のピークからは岐阜県側に少し下ります。

岐阜側に入ると西風が結構強くて滅入りました。

…また強風下でのテント設営かあ。

 

ようやくたどり着いた五竜山荘

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テン場から撮影したのですが、ガスガスで小屋の半分見えてない(笑)

小屋の入り口には五竜菱が大きくペイントされています。

一瞬モンベルのスポンサーかと思ったわ。

 

テント泊

今年は小屋泊もテン泊も完全予約制です。

+この天気の悪さなので、テン場にはわたしたちが一番乗りで到着しました。

 

テン場は西斜面に3段ほどサイトがあります。

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ロープで示された区画内にテントを張るのですが、区画はそんなに多くないのでシーズンはやっぱり混むんだろうなあと思いました。

 

強風の中のテント設営はこれで2回目。

去年の設営を思い出しながら張りました↓

yamatori0422.hatenablog.com

 

最初はサイトの中段に立てたのですが、風が少しでも弱いところにしようということで、最終的には一番下の段に張りました。

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向かって左が岐阜側

 

またペグを石で固定しまくったよ。

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ここで今日初めて一眼レフで写真を撮りました

ポールが折れませんようにって思いながら心を込めて立てた。

 

トイレは小屋の西側を歩いていった突き当りにあります。

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トイレに来たときに撮った小屋

男女共用で、個室が2つと男性用トイレが2つありました。

男女共用だと、同じ時にトイレに入ると気まずいんですよね~。

あ、すいませんってなる(笑)

 

テント設営後はとりあえず昼食をとりました。

ランチは、バケットにコンビーフとマッシュポテトを詰めた即席バケットサンド。

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コーンスープと共にいただきます。

寒かったのであたたかいコーンスープがしみました…。

バケットはスープ類がないと後半喉につかえて食べられたものじゃない(笑)

 

小屋で買ったビールも飲みました。

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信州の星空に乾杯。

…今夜は星空見える気配が微塵もないがな。

 

しばらくするとテントも増えてきて、テン場もがやがやし始めました。

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相変わらず強風とガスの中、景色はもやもやに見え隠れ。

雷が鳴らないだけいいよなあ。

 

テントの窓から空を見た時に、めちゃくちゃ青くて「青空だ!」と思ったのですが、写真を見返すとご覧の通りまっしろ。

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オレンジのアライテントは室内もオレンジに染まっていて目がそれに順応してしまっているので、白いものはオレンジの補色である青色に見えるという錯覚が起きてしまうんですね。

青空が見えたという幸せな錯覚だったな…(遠い目)。

 

しばらくテント内でだらだらとしていたのですが、やることがなくて大変暇なので夕ご飯を作ることにしました。

昼ご飯→夕ご飯のスパンが驚くほど短い。

 

夕ご飯はうなぎ丼と海藻サラダと豚汁にしました。

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※海藻サラダにかかっている白い物体はマヨネーズです。

 うなぎ丼を山で食べるのは初めてでしたが、最高に美味しかったです。

パック入りのうなぎを使えばかなりお手軽に食べられるのでおすすめ!

 

夕食の後、ちょっとは晴れていないかな~とテントを出た時に、サイトの上の方にテントを張っていた男性が「こっち側晴れてますよ~~!」と、長野県側を指さしながら大きな声でわたしたちに教えてくださいました。

 

「ありがとうございます!」と返事をして、岐阜県側のテン場から急いで稜線へ出ると、男性が教えてくれた通り少しだけ晴れた綺麗な景色を見ることができました。

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雪渓と、歩いてきた稜線。

小屋の前には、この景色を見るためにたくさんの人が出ていました。

 

雲の流れが速く、刻一刻と変化する景色。

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テン場の方も一瞬だけですが明るくなりました。

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レンズが汚かったらしい

薄い雲の向こうには太陽がぎらぎらと光っているのかと思うと、なんだか不思議な気持ち。
幻想的です。

 

さっと晴れた瞬間もあって、五竜への稜線を少しだけ拝むことができました。

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レンズが汚かったらしい(2回目)

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レンズが汚かったらしい(3回目)

く~!この先に何があるのか考えるとわくわくしちゃうね!

 

長野県側晴れていますよと教えてくれた男性に大感謝です。

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満たされた気持ちでテントに帰りました。

 

この夜は、初めてテントでランタンというものを使いました。

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キャリー・ザ・サンというランタンです。

山キャンパーには有名かと思いますが、ソーラー充電式のランタン。

何が良いって、ぺったんこにつぶして持ち歩けること。

軽くて明るさも十分で、テン泊が快適になる素晴らしいギアでした!

www.carrythesun.jp

 

夜になっても相変わらず風が強く、バタつくテントの音が結構うるさかったのですが、そんなことよりも疲れと眠気が凄くて、寝袋に入った瞬間に眠りに落ちました。

疲れた時の寝袋の快適さって半端ないよね、もはや魔法だよね。

 

さて、長いようであっという間だった1日が終わりました。

2日目の記録はまた後日書くのでお楽しみに…(いつになることやら)。