やまとりにっき

山登りやお出かけを中心とした日々のあれこれです

<山行記録> 北ア 五竜岳 2日目 ~爆風に撤退~ 2020.7.31

こんにちは。

今日は五竜岳2日目の記録です。

五竜岳について

 五竜岳についてと1日目の記録は↓の記事を参照してください。

yamatori0422.hatenablog.com

 

山行記録

4:00 起床 ー 8:00 五竜山荘 ー 9:35 西遠見の池 ー 10:15 大遠見山 ー 10:50 中遠見山 ー 12:25 地蔵の頭 ー 12:50 ゴンドラ乗り場

 

風の日おめでとう

はじめに

さて、もう9月になったというのに、わたしはまだ7月の山行記録を書いております(笑)

…そろそろ「おいいつの話だよ!」って突っ込まれてもおかしくないと思ってる…:;(∩´﹏`∩);:

忙しい毎日の隙間時間を使って、あったことをゆっくり思い出しながら記事を作るのは大変ですね…。

もし、仮に、万が一、わたしの記事を待っていて下さる方がいるとしたら、本当にごめんなさいですが気長に待っていてもらえたらと思います(;´Д`)

 

五竜岳登山2日目の朝、五竜山荘テン場に張ったテントの中で起床すると、まずはじめにものすごい風の音が耳に入ってきました。

テントが風になびいてばさばさ言っていて、谷底から吹き上げる風がゴーゴーとうなっていました。

ああああ…風の日おめでとう…(これ、小さいころに読んだプーさんの絵本にあったフレーズ、気に入っている)。

 

時刻は4:00過ぎくらいだったと思います。

この日、本当は八峰キレットを歩いて冷池山荘まで行く予定だったのですが、前日の夜時点で天気がどうやら悪そうだとわかっていたので、2日目はもう撤退することに決めていました。

 

案の定、朝からひどい天気でした(笑)

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風がひどすぎてテントから出る気が起きないの図

起きてから1時間以上テント内でうだうだして、さすがにトイレに行きたくなったので重い腰を上げてトイレに出かけました。

 

テントから出た瞬間、息ができなくなるほどの爆風を顔に食らいました。

この日ほどトイレが億劫になった時はない(;^ω^)

 

靴をちゃんと履いてからテン場の斜面を登って行ったのですが、あまりの爆風によろめいたり立ち止まったり、散々でした(笑)

トイレにたどり着く前に吹っ飛ばされるかと思ったわ。

もはや面白くてひとりで笑ってました。

 

この時、寒くてかじかむ手で必死に動画を撮ったのですが、ここには載せられないのでスクショを貼っときます。

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よくこんな暴風でテント無事だよなあ~と感心しちゃった、テントに1万いいね♡

 

下山

いくら待っても風は止む気配がないので、7:30頃にテントを撤収しました。

辺りは依然としてガッスガスですが、幸い雨は降っていないのでホッとします。

 

五竜山荘ともこれでお別れ。

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沢山の人に親しまれている感じが、このコロナ禍で閑散としている中でもひしひしと伝わるこの山小屋の雰囲気が好きです。

 

菱だけに、ひしひし…。

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(至極つまらんことを言うてもうた。)

 

この風の中、ヘルメットの要る五竜岳の山頂へはちょっと行く気になれないので、この日はもうこのまま下ることになりました。

八峰キレットは行けないまでも、五竜岳の山頂は踏めると思っていたんだけどな…甘かったな…残念だ。

また来年にでも再チャレンジできたらいいなと思います。

 

五竜山荘から遠見尾根に入るまでの道は西側についているため、ちょっとの間は西から吹き付ける爆風に耐えながらの歩行となりました。

濡れたテントの入った重たいザックを背負っていると、風の影響は空身の時よりは少なくなるような気がします。

 

…が、なにしろ重たい(;´Д`)

使わなかった3日目の食料とヘルメットの重さが虚しかったです…。

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実はこの時、寒すぎて背中にホッカイロを貼っています(笑)

 

風から逃げるように速足で長野県側に入ると、途端に風はぱったりと止んで静寂が辺りを包んでいました。

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しかもガスが晴れてくるという、テン場では想像もできなかった平和な世界でした。

 

長い年月をかけて侵食された五竜岳の荒々しい山肌が、雲の下に少し見えていました。

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美しきかな。

 

眼下に見えた雲海も素晴らしかった。

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山に来て幸せだと思える瞬間です。

 

濡れた鎖場は想像以上に滑るので注意が必要でした。

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こういうところ下るの、いつも時間がかかっちゃう。

すたすたと下れるようになりたいな。

 

シラタケ沢に落ちていく雪解け水の滝を眺めながら歩きました。

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全然撮った覚えがない写真が出てきたのですがこれはどこを写したんだっけ。

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西遠見山だっけか。

めちゃ綺麗に写ってるな。

 

これは、枯れたダケカンバ越しに見る五竜の山肌。

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山頂見えないかなって何度も振り返っては、五竜の頭にかかる厚い雲を見て忌々しく思いました。(笑)

 

しばらく下ると左方向にものすごい雲海が広がり、その雲の中から戸隠連峰が顔をのぞかせていました。

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雲海がゴツゴツの戸隠のイケメンさを助長させている…♥(笑)

いいもの見させて頂きました!

 

さらに、すぐ近くの八方尾根も見えてきました。

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目を凝らせば八方山荘も見えるよ。

2日目にしてたくさんご褒美をいただきました。

 

西遠見下の池まで下りてきました。

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う~ん、やっぱり見えない五竜の顔…。

 

こっちは鹿島槍方面です。

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カクネ里雪渓かな?

 

池でしばらく休憩してから再び歩きだしました。

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いや~、下山はきちいですな~!

だいぶふらふらでしたや(笑)

 

それでもなんとかたどり着いた大遠見山。

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…まだまだここからも長いんだ(;^ω^)

 

この日は下るごとに天気が良くなっていったので、疲れては周囲の絶景に癒されまた頑張るというのを繰り返しました。

自然の力に恐れおののくこともあるけれど、自然の力に助けてもらうことも沢山ある。

 

八方尾根の向こうには、小蓮華らしき素敵な山も見えてきました。

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その下には白馬村の街並み。

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スイスを彷彿とさせるようなのどかな風景ですね、スイス行ったことないけど。

 

なんて風景に見とれていたら、階段に居座る大きなヒキガエルを踏みつけそうになりました。

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ニホンヒキガエルかな?

この後のそのそと道の脇に消えていきました。

びびったわ~。

 

中遠見山からは、もう少しで見えそうででもやっぱり見えない五竜の山頂と、その南へ続く八峰キレットを眺めました。

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おい五竜、いい加減出て来いよ…(笑)

 

朝出てきた五竜山荘はかろうじて見えました。

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風はまだ強いかな?

 

中遠見からはカクネ里雪渓が良く見えました。

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2018年に氷河に認定されたんですよね。

あれが氷河だよって言われてもイマイチぴんと来ないのだけど…(笑)

美しいですね。

 

さて、中遠見山からもぐんぐん下ります。

途中の小遠見山は、もう登る気力もなかったのでトラバースしちゃいました。

 

小遠見山の先はずいぶんひらけた尾根で、景色が最高に良かったです。

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行くときは曇っていたのでこんなに綺麗なんて気づかなかった。

 

ケルンが見えてきました。

すっかり天気は晴れましたね、遅いよ~~。

 

地蔵の頭で休みを取りました。

八方尾根をバックに疲れた顔をするお父さん(笑)

いやほんと、疲れましたわ。

 

地蔵の頭からはたくさんの山を拝めるはずなのですが、残念、雲がちょっと多かったです。

晴れた時にまた来たいな。

 

と…ここでまさかの五竜様が頭を出しました。

えええ、ここでかい、どうせ出るならもっと前から出てくれよ~~ツンデレめ~~(笑)

 

どん。

五竜菱カコイイネ。

この2日間、ツンデレ五竜に振り回されっぱなしでしたが、最後の最後にこのご褒美をもらえて良かった…ありがとうよ五竜岳の神様。

 

地蔵の頭からリフト乗り場は目と鼻の先です。

見下ろした景色がとても良かった。

2日間天気悪くて大変だったけど、終わりよければすべてよしって感じですごいご機嫌になれました(単純)。

 

晴れたので帰りはリフトを使わず、ゴンドラ駅まで歩きました。

リフトーゴンドラ駅間はお花畑になっています。

チングルマとかはもう終わっていましたが、咲いている花も沢山あって最後に癒されました(*'ω'*)

 

ゴンドラ駅でコーラを買って飲みました。

めちゃ美味しかった。

あ~疲れた!あ~楽しかった!あ~山っていいな!

 

そしてゴンドラの乗車券を購入し、山とさよならすることに少し寂しさを感じながら、最後の天空の旅を楽しみました。

景色すごい良かったな、朝の悪天候が夢みたいだった。

 

とおみ駅に到着。

ここに帰るつもりじゃなかったけれど、まあ、仕方ないですな(´-ω-`)

無事に帰ってこれて良かった!

お疲れ様でした(/・ω・)/

 

感想

テン泊した時に雨・風がなかったことがありません、なんで?(笑)

おかげさまで、悪天候のテン泊にはもうすっかり慣れてしまいました。

今回は雷がなかっただけめちゃくちゃラッキー。

ありがたいと思わなきゃなと思います(苦笑)

 

今年に入って最初のテン泊だったので、久しぶりの重荷が肩に食い込んで大変でした。

荷物の重さで歩ける距離ってだいぶ変わってくるんですよね~。

まだまだ修行が足りないようです(;^ω^)

 

それでも最後に五竜をちょっとだけ見れたのは良かったなあ。

下から見ても、山の中で見ても、やっぱりかっこいい五竜岳

 

今年はもういけませんが、来年チャンスが巡ってくるまで、冬の五竜菱の雪形を見ながら想いを馳せたいと思います(笑)

 

悪天でも何でも最高の山旅でした。

とても楽しかったです。

また次もいい山旅ができますように。