やまとりにっき

山登りやお出かけを中心とした日々のあれこれです

<山行記録> 北八 蓼科山 ~アイゼンピッケルデビューしてやったぞ~ 2021.1.9

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こんにちは。

今日は蓼科山に登った記録です。

蓼科山について

蓼科山とルートについては過去記事参照↓

yamatori0422.hatenablog.com

 

山行記録

7:00 すずらん峠駐車場 ー 11:10 蓼科山 ー 14:00 すずらん峠駐車場

 

強風の独立峰へ

はじめに

記事の時系列が前後する上に先月の話になりますが、この間公開した木曽駒ヶ岳山行(↓)の前日に、山の師匠こうさんと、こうさんのお友達のYさん八ヶ岳蓼科山に登ってきました。

yamatori0422.hatenablog.com

 

実はこの山行、わたしのマイアイゼン・ピッケル・冬靴のデビュー戦でした✦

去年まで夏靴にベルト式アイゼンをつけて登っていた雪山ですが、今回初めてちゃんとしたワンタッチ式アイゼンとピッケルと冬用登山靴を使い、その安定感に大感動…(笑)

色んなことを学んだ山行になりました!

 

すずらん峠から蓼科山

当日は6:30に登山口のすずらん峠に集合しました。

こうさんYさんは、なんと東北から夜通し運転して遥々長野まで来てくれました。

お疲れ様です~!

 

すずらん峠の登山者用駐車場にはバイオトイレが1つあります。

こちらは年中使えるシロモノで、大変ありがたかったです!

 

辺りが薄明るくなったころに出発!

ちなみに、準備をするのに手間取ってだいぶ時間を食いました(笑)

冬の装備ってめんどっちいのだな。

 

駐車場から圧雪の車道を少し下ったところに登山口があります。

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それはそうと、この圧雪路をひとりで運転してきたの、我ながら度胸あるよな?

再三言うけどわたしの車2WDなんですよ。

よく二駆でも四駆でも関係ないって言われるけど、会社の社用車(4WD)に乗った時の安定感半端ないのでやっぱり違うと思う。

…四駆がほしい(今年n回目のぼやき)。

 

ここで悲報なのですが、登山開始ものの30分でカメラのバッテリーが死にました。

ということで、今回一眼レフで撮った写真は3枚ほどになります(泣ける)。

 

そのうちの貴重な一枚。

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しょっぱなの登りですが、こんな感じで霧氷がとってもきれいでした。

カメラのバッテリーが死ぬくらいなので、気温にして-15℃ほどでしょうか。

毎日この気温の中仕事に通っているとはいえ、とにかく寒かったです、寒いもんは寒いんじゃ。

足の指先がキンキンになってしまい、おい冬山用の靴じゃねんかい、断熱材ちゃんと仕事しろやい、と心の中で思いました。

…冬靴でも足は冷たくなる、今回の学び①

 

割と最初の方でアイゼンをつけました。

まわりを見るとつぼ足かチェンスパが多かったですが、今回は「練習」という名の山行なので、自ら重い足枷を付けていくスタイルにて。

 

初マイアイゼンでなだらかな雪の森を歩いていきます。

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photo by Yさん

…ザック(hug)にピッケルが似合わな過ぎて困る(笑)

わたしの前を歩くこうさんのザックは、雪山ギアをザックに内蔵されているポケットに収納することができるという優れもの。

定価めちゃくちゃ高いけどメルカリで安く買えたらしいです。

師匠は買い物上手でもあります。

 

メレンゲ雪と霧氷の美しさにハッとする瞬間が幸せ。

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雪の山中に今自分がいるということを客観的に見て、わくわくしてにやけがとまらなくなる。

 

急登に入ったところでピッケルを装備しました。

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この3点セットにいくらかけたことか。

社会人1年目には目もくらむような高価なギアでした。

ボーナスがなかったら確実に買ってない。

 

山頂が近づいてくると、坂の斜度もどんどん上がっていきました。

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周りの木々が冷凍保存されておる…。

こうさんが上から降ってきそう(笑)

アイゼン・ピッケルワークの練習には最適な斜面でした。

 

ここまでずっと曇りでしたが、ほんの一瞬の晴れ間も拝めました。

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本当にほんの一瞬でした。

でもその一瞬の美しさに息を飲みました。

 

この青空を逃さないこうさん、さすがです。

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photo by こうさん

大袈裟にも、生きててよかったと思える絶景でした。

 

急登が終わると森林限界を超え、ごつごつの岩場のトラバースに入ります。

森林限界を超えたところで予想通りの爆風に襲われました。

それに、岩の露出した登山道をアイゼンで歩くのは難しい。

風に耐えながら不安定な足場を踏みしめて歩きます。

途中大きな岩の裏で風を避けながら、装備を再度整えました。

無論写真を撮る余裕などない(笑)

 

久しぶりの雪山の爆風と、足元のアイゼンがりがりする音、芯が冷える寒さ、止まらない鼻水……こんな過酷な状況下でしたが、楽しくてたまらない自分がいたこともまた事実。

新しい世界を見るのってすごく楽しいんだ。

 

蓼科山頂ヒュッテまで来ると風はいくらか弱くなりました。

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photo by こうさん

 

ここから山頂まではもう少しです!

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photo by こうさん

山頂付近は岩の海。

間違えてアイゼンをひっかけないように注意しながら歩きました。 

 

そうしてようやく登頂した蓼科山

ついたついたと、プチ達成感に浸る(笑)

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photo by こうさん

蓼科山の山頂はとても広いです。

夏場に来たときは山頂の端から端まで移動して遊びましたが、今回この足場の悪さとそうはいっても強い寒風に、端まで歩く気力はとてもなかったです…(笑)

風と雪の世界を目に焼き付けました。

必死こいて働いて買った自分のギアでここまで登れたなんて、なんだか感動しちゃうよね。

あ~社会人に乾杯。

 

下山

山頂を踏んだ後はそそくさと下山しました。

少しでも止まっていると、足の先から岩に凍り付いてしまいそうなんですよね。

 

アイゼンで歩くのは、下山の方が難しいと感じました。

下り坂でフラットフッティングが上手くできない。

いつものようにかかとから地面に着くと「ペタン!」となって痛いです(語彙力がないのでうまく言えない)。

 

あと知らず知らずのうちに疲れがたまり足が上がらなくなってくると、よく雪の上に露出した小さな岩にアイゼンをつっかけて転びそうになります。

アイゼンで岩を蹴るという新手のサッカー。

…荒手の間違いか。

 

途中登山道を少し外れたところで本格的な休憩を入れました。

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ピッケルはレイブンプロ。持ちやすさが大のお気に入り

零下15℃の中、凍ったパンをシャーベットになったグリーンダカラで流し込む(笑)

こんなお昼ご飯は嫌だ。

 

登りの時より晴れ間が多く、雪の白と空の濃い青のコントラストが眩しかったです。

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雪上に浮かび上がる木々の影も自然のアート。

 

今冬アイゼンを履いて蓼科山に登れるなんて思ってもいなかったな~。

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自分の小さな夢がちょっとずつ叶っていく嬉しさと楽しさに満たされました。

 

寒いので休憩も手短に済ませ、あとはひたすら下りました。

下りは息が上がらないので無駄話がはずみます(笑)

こういうところで怪我をしやすいと耳にタコができるほど聞いたので、十分気をつけましょう…。

 

冷えた体がぽかぽかしてきたころに登山口に到着しました。

この日は翌日の木曽駒ヶ岳行きに向けて早々と解散。

スピーディな登山になりました。

お疲れ様でした!

 

反省

急登でまた足が攣りそうになりました(笑)

あわてて我らが救世主グリーンダカラを飲んだので何とかなりましたが、アイゼンついてる靴の中で足が攣るとなかなか焦るんですよね~…。

トイレは気になるものの、出発前に水分補給をがっつりした方が良いなと思いました。

 

感想

白銀の諏訪富士山行、快晴とはいかなかったものの、アイゼンとピッケルを使って雪上をサクサク歩くのは爽快感があってとっても楽しかったです。

冬の八ヶ岳は寒いですが、その分美しさが夏より増す気がします。

一度無雪期に登った山を積雪期に登ると、また違った景色が味わえてすごく良かったです。

蓼科山は急登があってアイゼンピッケルワークを練習するには最適だなと思いました。

また訓練しに出かけたいです!