こんにちは。
残雪期の唐松岳に行こうとした記録です。
唐松岳について
唐松岳については過去記事を参考にしてください。
山行記録
9:30八方池山荘 ー 11:20 八方池上部(撤退決定) ー 13:30 八方池山荘
山の風の克服
八方尾根から唐松岳に行こうとしてきました。
メンバーは、わたしの山の師匠と師匠の登山グループのメンバー4人+わたしとわたしの会社の同期の総勢7人。
当日の朝。
ゴンドラリフトアダム→アルペンクワッドリフト→グラードクワッドリフト
の順で乗り継ぐ八方アルペンラインで八方尾根まで上がろうと集合したのですが、しょっぱなから「強風のため運行中止になる可能性」と下でアナウンスされ、幸先悪すぎるスタート(笑)
前日から強風予報が出ていたので予測はしていましたが…。
何十分か待った結果なんとか運行してくれて、グラードクワッドの上まで上がることができました。
登山開始する前からハラハラしたね。
リフトの駅で装備を整え、いざ出発です。
この時点で風が強くて笑えました。
しかし相変わらず師匠が撮る写真はすごい。
白くて広い大きな八方尾根に、みんなでドキドキワクワクしました。
…この時は、写真を撮る余裕もあったのにな…(笑)
進むにつれて風の強さが増してきました。
はじめの方は「風つよ~(笑)」って感じだったのですが、徐々に普通に歩くのが困難になるくらいの爆風が断続的に吹くようになりました。
わたしだって色んな山を登って色んな風を経験してきましたが、今回のはちょっと段違いにやばかったです(笑)
師匠が撮った写真が風のすごさを物語る。
クラストした雪面に刺したピッケルに必死でしがみつくのですが、耐風姿勢でもよろめくほどなので膝をついて這いつくばります(笑)
ぶっ飛ばされるかと思ったよ…。
てかこの風の中写真を撮る余裕のある師匠…何者……。
圧倒的自然のパワーに文字通りひれ伏すしかないちっぽけな人間って感じで、お腹いっぱいのaweを感じました。
雪煙すっごいし。
たまに雪のかけらが混じって飛んできて痛いし。
スキーを履いたソロの人は転倒してました。
あとピッケルじゃなくてストック使ってたソロの人も転がって立ち上がれなくて苦労してました。
あとわたしたちより後ろに何組かパーティがいたんですけど、ふと振り返ったらいつの間にか誰一人いなくなっていました。
そして、わたしたちより前にいたパーティは全員引き返していきました(笑)
八方尾根独占状態になったわたしたち。
しばらく粘りました。
じりじりと歩みを進めました。
…でもやっぱダメでしたーっ(笑)
1.7km進むのに約2時間もかかりました(笑)
爆風の塊が来ると歩みを止めるほかないので一向に進まないんですよね…。
疲労も大きいので止まる時間が長い。
ヤマップではめちゃめちゃ休憩してることになってるし!!
八方池の少し先で撤退を決めました。
恐ろしき山の風!
撤退を決めたものの、強風の中引き返すのも一苦労です。
そんなハードな状況の中、「このままただで帰るわけにはいかない」と突如言い出す師匠。
師匠の提案で、八方池の斜面で滑落停止訓練をしようということになりました(笑)
わたしはすっかり余裕をなくしていたので、この提案を聞いたときには「この爆風で正気か?」と自分の耳を疑ってしまいました(笑)(笑)
しかし…爆風の八方尾根で滑落停止訓練をするという機会もそうそうないことでしょう。
ずーっと克服できていない山の風を克服チャンスではなかろうか…!
というわけで。
八方池の斜面にザックを投げ捨て、風への恐怖心を捨てて滑落するわたし↓
くるっとうつぶせになってピッケルを打ち込む。
そして引き寄せる。
案外むずいね…。
YouTubeのHowTo動画見て「へっ簡単じゃん!」とかなめてた自分を殴りたい。
爆風のせいで指導してくれてる師匠が何を言ってるのか全然聞き取れないし、雪面に投げ捨てたザックは風で今にも飛ばされそう笑
こんな天候で滑落停止訓練やってるのは世界中でわたしたちだけだと思います!(笑)
訓練の後は、絶えず尾根を包む雪煙をぼ~っと眺めたりしました。
写真だけ見ると、とても穏やかなんだけどな…。
しかし、爆風の中思い切って恐怖心を捨て、雪の上を転がっていたおかげで、この我々を吹き飛ばさんばかりの冬山の風に少しは慣れることができました。
山の風が今までずっと苦手だったので、こんな提案をしてくれた師匠に感謝しました。
撮影大会を開催する余裕までできた!(笑)
人がいない八方尾根は絶好の撮影場所。
白馬三山が眩しい。
八方池の祠が点に見えました。
しばらく八方池の上でうだうだしてから下山しました。
下山も相変わらずの爆風でしたが、登りよりも余裕をもって下ることができました。
あんなに怖かった山の風なのに…慣れってすごいなあ。
耐風姿勢そっちのけで写真を撮る我。
もはや風を楽しんでさえいる(笑)
※余裕をこきすぎるとたまにこうなります。
風crazy。
下山時には北信五岳も晴れ渡っておりました。
山のケルンになるわたし。
我ながら何をやってるんだ。
記憶にない。
師匠が撮ってくれた写真、迫力すごいのでとりあえず載せておきます。
題:彷徨うハイカー
あとはわたしが撮った写真。
師匠の写真の後だと、下手さがばれちゃうなあ(笑)
最後の最後には、五竜も拝めました。
最後まで絶景をありがとう。
強風の中頑張って良かった!!
登頂できなかったのは残念ですが、この広くて美しい尾根でたくさん遊べたので大満足です(^o^)
たくましい皆さんに感謝!
お疲れ様でした。