こんにちは。
今日は2週間ぶりの残雪期唐松岳登山の記録です。
唐松岳について
唐松岳については過去記事を参考にしてください。
山行記録
10:00 グラードクワッドリフト終点 ー 12:00 唐松岳頂上山荘 ー 12:25 唐松岳山頂 12:40 ー 12:50 唐松岳頂上山荘 13:25 ー 14:30 グラードクワッドリフト終点
リベンジを果たしてきました
はじめに
この間唐松岳を爆風で撤退してきた記事は書いたのですが↓
まあまあ悔しかったので、その2週間後にリベンジしてきました(笑)
メンバーは、2週間前にも同行していたわたしの会社の同期の北村パイセンです。
同期だけどパイセン呼ばわり。
だって彼、平日会社行く前に山登りしてくるようなアタオカフッカルボーイなんですから…。
登山始めて半年なのに、アイゼンピッケル装備して色んなところに登っています。
これはパイセンと呼ぶしかない。
さて、前回の唐松岳は風が強過ぎる悪条件でしたが、今回の登山は天候に恵まれ、拍子抜けするような穏やか春山山行になりました。
同じ山でもまるで別世界のようだった今回の唐松岳。
良い景色をたくさん見られて大満足の山旅になりました。
ゴンドラで1時間並ぶ
当日朝は4:30起き。
山行きの朝にしては寝坊レベルですが、今回のルートである八方尾根まで上がるゴンドラが8:00に開始するため、朝はのんびり出発になりました。
しかし、後にこれが大失敗だったと思い知らされます(笑)
7:30頃八方第三駐車場に到着。
ここはトイレ完備の無料駐車場なので、ほとんどの登山者がここにとめることになると思います。
この時点でかなりの駐車量でした。
駐車場から見た白馬三山はご覧の通り快晴!
あたたかく穏やかで、今回は良い山旅ができそうだなとにこにこしちゃいました。
準備ができたらゴンドラのチケット売り場に向かいます。
10分ほどコンクリートを歩きますが、大した距離じゃないので大丈夫かと!
しかしチケット売り場に到着すると驚愕の光景が広がっていました。
どこを見ても人、人、人。
チケット購入のための、長蛇の列ができていたのです(笑)
2週間前はリフトが止まるほどの強風が吹く悪天候だったため、スキーヤーすらも少ない状況でしたが、今回は晴れ予報に風も弱いというのだから、ここぞとばかりにたくさんの人が出てきたのだろうと思います。
それに緊急事態宣言が解除された直後の土日だったしね…。
とにもかくにも、並びました。
ようやくチケットを買えても、次に待つのはゴンドラ待ちの行列です。
トータルで1時間以上並んだでしょうか…。
某ネズミーランドみたいでした…。
教訓は、あと1時間早く来ればよかった。(笑)
冬期にゴンドラ利用で天気のいい唐松岳を目指す予定の方は、早め早めの行動を心がけてくだされ。
リフト最終点から唐松岳山頂
ゴンドラリフトアダム→アルペンクワッドリフト→グラードクワッドリフト
の順で文明の利器を乗り継ぎ、リフトを降りたところの八方山荘の前でアイゼンを装着しました。
八方山荘付近には県警の山岳救助隊の方々が沢山いて、ハイカーひとりひとりの装備確認や、遭難の注意喚起等をしていました。
そのくらい山岳事故が多い山域ということです。
いつも人一倍気を付けているつもりですが、より一層気が引き締まったので、県警の方々には感謝です。
それでは、いよいよリベンジ登山開始。
出発直後でこの人の量でした。
冬期は2週間前の爆風無人八方尾根の姿しか知らないので、この光景はわたしたちにとっては驚愕的なものでした(笑)
あっちも穏やかで気持ちよさそう。
右手には眩しく白い白馬三山です。
2週間前よりずいぶん雪解けが進んでいる気がする。
てくてく歩いていくと、眼前に不帰ノ嶮が現れました。
いい天気のおかげで暑くて暑くて、この時点でもう汗だくになっていました。
ハードシェルなんてとっくに脱ぎ捨てています。
北村パイセンは腕まくり(笑)
日焼け間違いなし。
それにしても、この人の多さには閉口させられました。
前も後ろも人の列。
とても残雪期北アに来ているとは思えなかったです。
そして蘇るのは2週間前の爆風八方尾根。
この穏やかな雪尾根と、2週間前に牙を剥いていた尾根と、とても同じものには思えません。
今あの爆風が吹いたら、間違いなく尾根上の人全員すっ飛ばされるね、などとパイセンと話しました(笑)
八方池付近に到着。
穏やかな春空に、心まで穏やかになっちゃうなあ。
時たま、まだ冬を思わせる冷たい風が吹き抜けたりして涼しかったです。
八方池を過ぎ、前回の撤退地点までやってきました。
前回はここまでくるのに2時間を要したのですが、今回はその約1/4である40分弱でたどり着いてしまいました。
「無風の唐松岳ちょろくね」と横でつぶやきを漏らす北村パイセン。
2週間前のあの風を体感した人なら、誰もがそう思うだろうなと、思いました。
前回の撤退地点のすぐ先に、本日最初の急登が登場。
人が多いのでステップが切ってある分歩きやすいですが、登りに入る前にピッケルを出せばよかったなと少し後悔しました。
ピッケルを装備するようになってまだ4ヶ月ほどになりますが、ピッケルに対する安心感がもう脳みそに焼き付いてしまい、ピッケルなしで雪の急坂を登るのはどうしても不安があります。
滑落しても大事には至らないような坂だとは思いますが…やっぱり雪山ではピッケルが安心だよな。
去年行こうとして悪天候に阻まられたごりゅー。
今年は…今年はいけるかな…。
振り返ると、尾根上にアリのごとく列をなす登山者と、その向こう側に北信五岳が見えました。
残念ながら山座同定できるのは戸隠のみ!(笑)
いつか覚えると言い続けて何ヶ月だろうか、北信五岳はもはや覚える気がないのかもしれん(笑)
ここからもペースを落とさないようどんどん歩きました。
人が多くて多くて、ゆっくり景色を見ながら写真を撮る余裕を持てないのが残念…。
唐松岳頂上山荘直下の登りは少し尾根が狭く、ピッケルを装備して万が一の滑落に備えた方がいいなと思いました。
とは言っても、ピッケルを持っているのはわたしと北村パイセンくらいで、まわりを見る限りほとんどの人がストックを使っていました。
見えてきた唐松岳山頂。
ものすごい人が…。
ここでもまた、閉口(笑)
コロナじゃなくても人混みは苦手です。
ピークを乗越すと、唐松岳頂上山荘と剱・立山連峰の絶景が待っていました!
複雑に折り重なる白銀の尾根尾根に思わず息を呑みます。
夏場何度も見たこの景色も、冬は全く別景色のよう。
深く切れ込んだ餓鬼谷が足元へ続いており、ずっと見ていると吸い込まれそうでした。
右手にはこれから目指す唐松岳ピークが聳えています。
人が多いのは一目瞭然。
なんでこんなに人がいるんだ?疑問しかない。
とりあえずピークまで行ってから休憩を考えることにして、わたしたちはこのまま山頂を目指しました。
小屋の周辺は雪が解けて土が露出しているところも多く、アイゼンで歩くのがなんだか忍びなかったです。
山頂稜線は他のハイカーと列をなして登りました。
…久しぶりにきついなと感じました(笑)
ここまでハイペースで歩きすぎたかな…(笑)
人を待つふりをして休憩する。
登山あるある。
山頂直下は若干ナイフリッジぽいところもありましたので、ピッケルが最適かと思います。
人が多いとすれ違いが大変ですが、狭い稜線上では譲り合い精神でいくしかないですね!
さて、頂上稜線で撮ったものと言えば…
剱・立山。
ごりゅー。
槍。
以上。
全然撮れなかったねー(笑)
というわけで、無事登頂できました✦
この写真撮るのにも並んだんだぜ(笑)
ここはどこの観光地だい。
それにしても良い景色でした。
残雪期の唐松岳山頂にいるのにあたたかく穏やかで、心が透き通るような気持になりました。
お昼休憩
混みあう山頂には長居せず、この景色を右手に見ながら頂上山荘まで下りました。
唐松岳頂上山荘、よくこんなところに小屋を建てたよなあ…という感想を、これまで何度抱いたことか。
まだ若干雪に埋もれている西側の壁。
冬の厳しさを物語っていました。
山荘のテン場に下りて休憩にしました。
この絶景です。
餓鬼谷へ続く谷が凄いです。
ここは山頂に比べて人がグンと減り、静かに景色を堪能することができました。
ごりゅー、立山、剱。
北村パイセンは、半年前に登山を始めたばかりとは思えない堂々たる佇まい(笑)
1日70kmも歩けるアタオカなヤツなんですが、バテることを知らないので心強いです。
ザックに腰を下ろし(マットを忘れた)、今日も今日とて牛乳パンを食べました。
穴があいてしまったのかしぼんでぺちゃんこになっていました。(笑)
尾根と谷が織りなすこの美しき世界を、自分のアイゼン越しに見る贅沢よ。
穏やかな春日和。
あ~なんという幸せ!
思わずため息が出ます。
北村パイセンは、横でお湯を沸かして春雨スープを食べていました。
「春雨うめえ」
健康かよ。
胃袋が満たされたところで、眼前に広がる山々の観賞会。
とりあえず五竜岳のイケメンっぷりが半端なかったです。
わかります?この尾根と谷、黒と白、ごつごつとなめらか。
キュンとくる~~!
剱…今のところはそこまで興味をそそられるわけではないけれど、見た目のイケメン度は高いと思うぞ。
もし登るなら平日ど真ん中の人がいなそうな日に限るな。
谷と剱・立山。
山と高原地図には、この谷を下って行ったところに滝の表記があります。
一体どんな滝があるんだろう…ワクワクしちゃうね。
こちらは反対方向、北信五岳の山々です。
剱を見た後だと、ずいぶんなだらかに見えてきます…(笑)
下山
お腹いっぱいの牛乳パンと絶景を堪能したところで下山することにしました。
帰りのリフトの時間もあるしね…!
唐松岳氏ともさよなら。
氏よ、またいつか会おう。
下山と言ってもわたしは1枚も写真を撮らなかったので、北村パイセン撮影の1枚を拝借。
最後の最後まで天気に恵まれた山行でした。
下山時は急傾斜のところだけピッケルをぶすぶす雪に刺して歩きました。
そういえばこの急斜面で、アイゼン歩行に慣れてなさそうな人が下る力をセーブできなくて転がっていました。
びっくりして思わず叫んだ(笑)
こんなに傾斜が急なのに、ピッケルはザックにつけたままの人が多かったです。
他にも、ベルト式アイゼンをしっかりつけられなくてぱかぱかさせたまま歩いている人、小ナイフリッジですれ違いの時間が待てず人が来ているのに強引にすれ違おうとしてくる人(「待ってたんじゃあいつまでたっても下れやしない」と憤慨してらっしゃった。こわ。)、ほんの少し切れ落ちた斜面が怖くて後ろの人たちをせき止めて歩く人。
ハイカーが多く混んでいたせいか、あまり良くない行動がすごく印象に残ってしまいました。
至極個人的な感想ですが…唐松岳って舐められてるのかな…(笑)
他人の行為に対してどうこう言いたくはありませんが、こういう方々が今後事故に巻き込まれないことを願いながら、わたしはわたしでそれを反面教師として、もっともっと安全登山を心がけたいなと思います。
八方山荘まで無事下ることができました。
リフトで撮った1枚。
北村パイセンとわたしの冬用登山靴は実はおそろっちです(笑)
幅の細い我々の足に合うスポルティバのネパールキューブ。
ばか高いですが足に合う靴がなかなかなくて苦笑するしかない。
(そういえば夏靴もソールが逝ってるので新しいのを買わなきゃなだなあ…。)
お金がかかる趣味だとつくづく思います(笑)
お疲れ様でした!
感想
憧れていた雪の唐松岳だったので、今シーズン中に登れてよかったです。
天候の違いでこんなにも難易度が変わるなんて、話に聞いていたとはいえ驚きました。
山の怖さを知って初めて安全登山ができるものだと再確認できたので、死なない程度に失敗を重ねながら、これから雪山ももっともっと詳しくなりたいなと思います!
穏やかな残雪期は本当に春のようで、これから夏が来るというわくわくがずっと心の中にありました。
暑いのは嫌いですが(笑)、夏山は大好き!!
唐松岳は今夏も訪れたいと思っているのですが、その時はナイトハイクしてモルゲンロートの中を歩きたいな、なんて…。
頭の中で楽しい山行を計画しながら夏を待ちたいです(^o^)