こんにちは。
大天井岳について
大天井岳とルートの詳細は過去記事をご参考ください。
山行記録
5:10 中房温泉 ー 8:10 合戦小屋 ー 9:20 燕山荘 ー 10:40 大下りの頭 ー 12:35 大天荘 15:20 ー 15:30 大天井岳 15:45 ー 15:55 大天荘
2年ぶりの大天井岳へ
はじめに
7月の中旬に父と「北アの表銀座から槍を経由して大キレット通って穂高まで行く」という壮大な計画を立てました。
有休2日を土日とつなげて計4日間。
7月は稼働日が少なく、仕事が立て込んでいて有休2日は結構厳しかったですが、早出も残業もやって、当日までになんとか仕事は片付けました。
でも、天気予報はやっぱり梅雨らしい雨。
直前まで行くか躊躇いましたが、一か八かで行ってきました。
結果は2日目の大天井で撤退。
まあこんなもんですよね(笑)
それでも、人の少ない大天井岳を満喫してきました!!
中房温泉から燕山荘
当日はJR穂高駅にある駐車場に車をとめ、予約していたタクシーで中房温泉を目指しました。
小雨の降る山道を上っていくタクシー。
運転手さんはさすが山道に慣れていましたが、後部座席に乗っていて前が見えなかったので、わたしはナチュラルに車酔いに苦しみました(笑)
中房温泉の前でタクシーを降り、レインウェアとザックカバーを装備して登山口に向かいます。
実は最近燕岳を日帰りしたので、ここに来るのは3週間ぶり。
天気が悪いせいか人がとっても少なく、なんだか違う場所に来たみたいです。
それでは出発!
ザックの中身は3泊4日分の衣食住。
久しぶりの連泊だったので、軽量化という概念をすっかり忘れており、17㎏くらいの重さになってしまいました(笑)
しばらく雨の樹林を登りましたが、第一ベンチを過ぎてから雨が止み、レインウェアもザックカバーもとって歩きました。
時々陽の光が入るほど天候は回復。
眩しい太陽にホクホク。
青空まで見えちゃって、沈み気味だった心も小躍りしました。
3週間前はまだつぼみだったシャクナゲはこんなに立派に咲いていました(*'▽')
爺ヶ岳のシャクナゲは5月の下旬に咲いていたけど、燕岳のシャクナゲは遅いんですね。
種類が違うのかな?
第二・第三・富士見ベンチと、休憩しながらも軽快に通過し、合戦小屋までやってきました。
もうスイカがやっていて驚き。
今回はお昼に大天荘のカレーを食べるというタイムリミットがあったので、スイカはまたの機会です。
太陽の下で一息つきます。
合戦尾根はじめじめと蒸し暑いのですが、立ち止まるとまだまだ肌寒い山の気候。
太陽は偉大です。
合戦小屋から先は、イワカガミの咲く登山道を楽しみました。
山頂に近づくにつれ再びガスがかかり始め、しけった空気を吸いながら歩きました。
雨は降っていないので、これはこれで幻想的だなと思える心の余裕があります(笑)
これはナナカマドでしょうか。
…わたしの会社の敷地に咲いていたナナカマドとはどこか花が違うような…。
燕山荘までの最後の階段まで来ました。
結構きついのよこれ。
「地獄の階段地獄」と名付けて登りました(「頭痛が痛い」的な)。
そうしてようやく燕山荘に到着です!
うすら青空と日の光がとってもきれいで感動しました。
しかし燕岳はというとこんな感じでモヤモヤの中…。
ザックの中にしまっておいた一眼レフをわざわざ取り出して撮影してみたものの、あんまり映えなくて残念。
眼前に広がるはずの裏銀座の山々も、この日はすべて頭を雲の中に隠していました。
燕山荘から大天荘
稜線上は雨が遠くから風に乗ってぱらぱらと飛んでくるので、再びレインウェアにザックカバーの装備に変身。
燕山荘からは表銀座縦走路を、大天井に向けて歩きました。
コマクサがちょうど見ごろで、縦走路のそこかしこにピンクのぷりぷりの花を咲かせていました。
よく見ると変な花だよなあ。
その名の通りの馬面です(悪口かよ)。
コマクサは、他の高山植物も生きることができないような厳しい環境でも花を咲かせることから、「孤高の花」とか「高山植物の女王」とか言われています。
砂礫地を好んで生えているのですが、砂礫地は地表が渇きやすく、有機物も少ないため植物にとっては劣悪な環境です。
その分他の植物が生えないので、コマクサにとっては競争相手が少なく、太陽光をたっぷりひとり占めできるんだそうです。
こんなに可憐な姿をしていて、めちゃくちゃ強いコマクサ。
初めて草を尊敬した。
足元のコマクサを楽しみながら強風下の稜線を歩いていくと、蛙岩に着きました。
この岩は本当に、なんでこんなに大きいのだろうか…。
この岩の下に来たら、誰もが一度は「でか!!」という言葉を口にすると思う。
縦走路。
槍は雲の中です。
北鎌独標がたまに雲の隙間から顔をのぞかせます。
この天気じゃあ、今回は大好きな北鎌も満足に見られないだろうなあ。
大天井側から来たお兄さんが、ひとり登山道で佇んでいたので、どうしたんだろうと思って近づいたら、ライチョウの写真を撮っているようでした。
見ると、つがいらしきライチョウ2羽が仲良く歩いていました。
すっかり夏の羽に生え変わっています。
産卵期は6月上旬~下旬らしいですが、ここではひな鳥の姿は見られませんでした。
雌雄で鳴き声が違って面白かったです。
これはお父さんが撮ったライチョウ。
画質の悪さがシュールさを際立たせている…。
ライチョウとさよならして、再び風の強い稜線を歩きます。
大下りからその名の通り下って、また登り返すのがきつかったです。
そろそろ17㎏の荷物に悲鳴を上げたくなってきました…(笑)
長野県側にトラバースするときは、明るく無風で暖かい道を歩くことができます。
稜線に出ると強い西風に煽られ、長野県側に入ると平和で穏やか…これを何度か繰り返しました。
それはそうと、コバイケイソウが満開です。
あまい匂いにつられてやってきた虫が沢山飛んでいました。
ここまで来てようやく雲の中から姿を現した大天井。
まだまだ遠いです…(笑)
唯一のハシゴ場。
下りたところにある喜作レリーフも忘れずに!
わたしも喜作さんみたいにサクサク歩けるようになりたい。
槍との分岐までやってきました。
ここから最後の登りに入りますが、少々きつめなので覚悟を決めて…。
とーちゃんはだいぶお疲れのご様子。
後ろの稜線、いつの間にか晴れてました。
あそこをずっと歩いてきたのかと思うと、自分の足もまあまあやるじゃんって感じ。
大天荘までの登りでは一瞬大粒の雨に降られましたが、小屋に着くころにはほとんど止んでいました。
本当に忙しない天気ですね。
とりあえず、本日の宿泊地に到着です。
テント設営とランチ
テント設営
大天荘でテント泊の受付をして、さっそくテント設営をしました。
我らがアライテント★
父が買ってから20年くらい使ってるので、だいぶ劣化が進んでいます。
新しいテントの購入も検討中ですが、やっぱり信頼度高いアライがいいかな~。
テン泊は2000円/泊です。
ずいぶん値上がりしたなという印象。
ただでさえヘリ問題など色々あるのに、このコロナ禍で値上がりせざるを得なかったんでしょうね。
個人的感想なんですけど、テントは人数ごとじゃなくて張ごとに料金を取ってほしい。
団体でそれぞれがソロテントなんてされたら、コロナ禍でテン泊増えてるせいでテン場取り競争が深刻化するから…。
なかなか良い立地ではないでしょうか!
前回訪れた時は、槍ヶ岳見たさに斜面下の方に張ったのですが、夜風が強すぎて寝られたもんじゃなかったので、今回はそれを教訓に少し上の方に張りました(今回は槍ヶ岳が雲の中だったということもある)。
ハイマツがちょっとだけ風をさえぎってくれるような場所で、下は石がほとんどないフラットな砂地。
テントの中で膝をついても全く痛くないという最高のポジションでした。
インディアンカレー
テント設営を終えた後、この日楽しみにしていた大天荘の名物「インディアンカレー」を食べました。
大天荘の食堂は相変わらず明るく清潔感たっぷり。
前回と同じ場所に座らせていただきました。
この日歩いた縦走路を窓越しに眺められる席です。
食堂にはたくさんの山岳写真が飾ってありました。
どれも息を飲むような素晴らしい写真でした。
わたしもそんな写真を撮りたいのだけどなあ…。
お父さんは生ビールを注文。
下界では禁酒してるのに、この体力を使い果たしたタイミングで久しぶりのアルコール飲んで大丈夫なもんかなと思ってたら、案の定へろへろになってました(笑)
前回も大天荘でビール飲んでへろへろになってなかった?
学習をしてください。(笑)
インディアンカレーはコチラです✦
わたしはチキンカレー。
お父さんはグリーンカレーにしました。
量的にもボリューミーですが、元気も胃袋のスペースも有り余っていたわたしはすべて美味しくいただきました!
2年ぶりの懐かしい味、大満足です。
チャイとフルーツポンチも最高でした(*'▽')
ごちそうさまでした!!
テント周辺で休憩
ランチの後はお父さんがテントで寝てしまったので(まったくバテバテである(笑))、わたしはひとりでテントの前の石に座って雲を眺めたり、テン場の下の方に行って槍穂高が晴れないか見に行ったりしていました。
テントの前にはたくさんのミヤマキンバイが咲いていました。
高山植物は美の中に強さが見えて、沢山の元気をもらえます。
高山植物には「黄色い花」が主に4種類あって、よく見分け方が取り上げられていますよね。
花は難しいです。
槍穂高の方はと言うと、こんな感じ。
涸沢カールの雪はまだまだたっぷりですね。
なんだか寒そう…。
山々はみんな頭が無かったですが(笑)、屏風岩のかっこよさは健在でした。
槍のてっぺんはずっと雲の中。
Y字雪渓と、北鎌が見え隠れしています。
ぎざぎざの北鎌…これだけは一生憧れの対象で良いと思えるくらい、わたしにとっては神聖な尾根です。
手前には明日歩くかもしれない表銀座縦走路。
この写真を撮ったのはテン場を南へ少し下ったところです。
風が強くて息ができませんでした。
…大天井っていつも風が強いわけ?
大天井岳登頂
寝ていたお父さんが起きたので、2人で大天井岳頂上へ行くことにしました。
ちょっと登ると常念岳が晴れていて綺麗でした。
テン場はご覧の通り空いています。
ここは人気のテン場らしいけど、わたしが来る時はいつも天気が悪くて利用者が少ないので、満員になっているところを想像できない…。
山頂までは大きな岩々のゴーロです。
こういうフィールドは大好きであり、また得意でもあるので、空身だとひょいひょい飛んでいけます(/ω\)
浮石は多めなので注意。
山頂到着~。
2回目の山頂は、誰もいなくてお父さんと2人占めでした。
風の音が響く槍穂高。
尾根、谷。
常念山脈も美しいです。
昼間に雨が降った割には良い天気じゃんね。
雨からの晴れというのは、山の一番きれいな瞬間。
疲れちゃったお父ちゃん。
その佇まい、家の庭にいる時と変わんないよ…なんで作業着着てきてるの…(笑)
今日歩いた喜作新道。
惚れ惚れする道よな。
最後に記念撮影してテントに戻りました。
楽しげ。
テント泊
テントに戻ったあとは寝床の準備とご飯の準備で何かと忙しかったです。
そうしている間に再び雨が降り始め、仕方なくテント内で夕食となりました。
焼いた牛肉を適当にご飯と食べるやつ。
山で焼き肉は定番ですが、ついさっき大天荘のインディアンカレーを食べたばかりなのであまり箸が進まず(笑)
これぽちの量でお腹いっぱいになりました。
ごちそうさまでした。
食後は残ったお米で明日のおにぎりを作り、就寝の準備に取り掛かります。
トイレに行くときに見た夜霧の大天荘がとってもきれいだったのでスマホで撮影。
こんな北アルプスの山奥にあたたかい明かりの灯る山小屋があるなんて、なんて心強いんだろう。
夜は遠くで雷が鳴っていましたが、幸いテン場には直接的な被害はありませんでした。
それよりも、吹き荒れる強風と激しい雨には閉口させられました。
こういう時はテン泊じゃなくて小屋泊にすればよかったと後悔してしまいますね。
しかし、これまでもっとひどい状況下でテン泊したことが何回かあったので、「それに比べれば…」と思えばこの夜は割とぐっすり眠れました。
1日お疲れ様でした!
2日目に続きます…。