こんにちは。
今日は北八ヶ岳のニュウを登った記録です。
山行記録
6:10 稲子湯登山口 ー 7:30 しらびそ小屋 ー 8:55 中山峠 ー 9:50 ニュウ 10:00 ー 12:30 稲子湯登山口
2021雪山シーズンイン
はじめに
最近通勤時間帯は0℃近くまで冷え込むようになり、こちらは毛布に暖房が欠かせない気候ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。
先週末は初冬の八ヶ岳歩きたさに負け、雪の降ったばかりの北八へさっそく父と一緒に出かけてきました。
父は厳冬期装備を持っていないため、今回は稲子湯からニュウサーキットをチョイス。
速報!と堂々とタイトルをつけながらも、1週間後の投稿になってしまったこと心よりお詫び申し上げます…。
稲子湯登山口からしらびそ小屋
6:00過ぎに稲子湯登山口のゲート前駐車場に到着。
「裏八」にしては混んでいる方でした。
コロナが収束してきたせいか、県外からのハイカーも多いようです。
だんだんと元の生活に戻ってきたんですね(∩´∀`)∩
外気温は0℃くらい。
まだスタッドレスに変えていないのでひやひやでしたが、ギリ大丈夫で良かった~。
今シーズンはタイヤ交換が早まりそうですね…ああ、いつ交換しよう…。
ゲート脇を通って川を渡ったところにある林道との分岐が登山口です。
この登山口を利用するのは今年3回目。
ひっそり感が病みつきになり、ついつい通ってしまうルートです。
登り始めは大量の落ち葉の上を歩きました。
紅葉狩り。
登りはレインウェアだと少し暑く感じるほどだったので、途中から山シャツで歩きました。
前を行くお父さんはBAILESUのザック。
好日山荘のオリジナルブランドらしいです。
年季が入っておりますが、紫にもみじが映えてかわいい(もみじはわたしがくっつけた)。
歩いているうちに太陽が上がって、木々の向こうの山の斜面がモルゲンロートっぽくなって綺麗でした。
紅葉と雪の境界線がスパッと入っている斜面もかっこよかったです。
登るにつれて霜や氷柱が目に付くようになり、体感温度もいくらかひんやりしてきました。
こまどり沢付近からは、お待ちかねの雪の登場です。
こまどり沢はちょっとした広場になっているので、休憩場所には最適です。
ここからしらびそ小屋まで40分ほど。
傾斜の緩やかめな道が続くので、登るごとにどんどん冬になっていく景色を楽しみながら歩きました。
まだスパイク類の出番はありませんが、霜の下りた木の根はとっても滑るので要注意です。
北八らしい苔の森に癒され。
ぽっかり開いた木の間から青空が見えると、心がス~っと救われる気持ちになります。
すごく気持ちが良かったです。
登山道が平坦になるとしらびそ小屋はもうすぐそこ。
凍った水滴たちが宝石みたいにきらきらしていました。
足元は依然たくさんの落ち葉なので、ちょうど秋と冬の狭間を歩いているよう。
なんとも良い季節ですね~~(穏やかな顔)。
キャンプ指定地を過ぎると、みどり池のほとりにひっそりとたたずむ小さな山小屋が現れます。
これがしらびそ小屋(写真撮り忘れたので各々のしらびそ小屋を想像、あるいは思い出して楽しんでください)。
そしてみどり池からの景色がこちらです。
水鏡となっている池に写り込んでいるのは天狗岳。
頂上は若干ガスっぽいですが、東壁が真っ白になっているのは一目瞭然です。
前日麓では雨が降っていたので、山の上は雪だったのでしょうな!
しらびそ小屋ではトイレ休憩にしましたが、立ち止まるとかなりの寒さでした。
大好きな「セブンイレブン枝豆チップス」も寒さで凍えた指先ではうまく掴めず。
枝豆チップスは諦め、おとなしく手袋をはめました(ここまでノー手袋でした、手袋嫌いなんよ)。
しらびそ小屋から中山峠
しらびそ小屋より先は、足元にもうっすらの積雪。
下山してこられたパーティは、皆さん装備が厳冬期仕様でした。
稜線上は風が強い予報だったので、この日の天狗岳以南は厳冬期に近いようなコンディションだったのかな?
冬山装備を見るとわくわくするのは、きっとわたしだけではないはず!
登山道は割とぐちゃぐちゃしていて、薄氷の張った水たまりは冷え冷えポイントでした。
この木がね、滑るんですよね…。
慎重に渡って池ポチャはなんとか回避。
積雪量も増えてきて冬山感UP!
登山靴は夏山となんら変わらないスカルパのハイドロジェンハイクですが、さすがにメッシュのアッパーは少し寒さを感じてしまいます…。
このくらいの季節にはかかとにコバがあってアイゼンも付けられる重登山靴あたりが欲しいところ。
が、例によってわたしの足に合うヤツにはなかなか出会えないので、足には申し訳ないですが寒さの犠牲になってもらうことにしましょう。
すっかり葉の落ちたダケカンバは、青空と一緒に撮ると映え方が違います。
映え映えの映えです。
背の低い針葉樹はクリスマスツリーみたいでカワイイ♡
この時ふみかーの心は12月を生きていました。
よく見ると木の枝が白く光っていたのですが、これはもしや霧氷…?
悲しきかな温度計を忘れてきてしまい正確な気温がわかりませんでしたが、霧氷ができているとしたら確実に氷点下ということですよね、どうりで寒いでわけですよね。
「こちらは上空よりヘリから撮影した苔の森です」と言えそうな写真。
緑の苔に雪が積もっているところは冬の針葉樹林に見えませんか。
苔の森は#smalluniverse
さて、中山峠直下はそれまでの緩やか登山道とは打って変わって激坂になります。
いつも友達と登る時はペースなんてお構いなしに爆走するので毎回吐きそうになりますが(笑)、今回はペースメーカーお父さんのおかげで難なくクリアできました。
山はゆっくり登るべし……。
中山峠目前のところでは、積雪は多いところで1㎝くらいになっていました。
おかげさまでこんな雪景色も見られました。
雪山で抱く感動は、3シーズン中のどんなに素晴らしい山行でも味わうことができない特別な感情。
これこそが雪山の魔力!
これは稲子岩壁。
登攀ルートがあるようです。
稲子湯登山口からクライミングの恰好をして入山しているハイカーはこのルートを目指してる人たちなのかな?
登山道に鎖が出てきたら、中山峠まではもう一息。
中山峠直前の鎖場で、極太氷柱にお出迎えされました。
ここまで標高を上げると、もう辺りの様子はすっかり冬です。
結局中山峠まではチェーンスパイクを装着することはありませんでしたが、「履く?」「いや~…まだ大丈夫でしょ…」というような会話を父と何度か交わしました。
刻一刻と状況が変わる初冬の山では、厳冬期以上に判断力・技術力が試されるのかもしれません。
まあ迷ったら履いちゃった方が無難ですね!
ようやく中山峠に到着です。
中山峠からニュウ
さすがに峠に出ると冷たい風が吹き抜けて寒く感じました。
強風予報が見事的中している…。
寒いのでニット帽にネックウォーマーまでして完全に冬山の恰好になりました(笑)
年々寒さに弱くなっているのは歳のせいですか…。
中山峠からの稜線はこんな感じで結構積雪があり、岩場や木の根も多く滑りやすいため、ここからチェーンスパイクを装着することに。
今シーズン初のチェンスパ!
頼れるこいつ、今期もお世話になります(∩´∀`)∩
中山峠から少し北に進むと、硫黄と天狗のビューポイントがあります。
かっこいい!
やはり積雪している方が山は見ごたえがありますね。
森林限界を超えない平坦な稜線をチェンスパでサクサク歩きました。
それまでの静かな登山道とは違い、中山峠からは多くのハイカーとすれ違いました。
最初の分岐。
ニュウは右方向です。
まっすぐ行くと中山と展望台に行くことができます。
中山展望台も好きなスポットの1つ。
雪景色できっと綺麗なんだろうな~。
分岐からニュウまでは緩やかな下りが続きます。
分岐からニュウまでの区間はチェンスパは無くても大丈夫だとは思いますが、たまに凍結しているところや雪の積もった木の根などがあり、そこに乗るとつぼ足ではつるっつるなので、あったほうが楽っちゃ楽です。
わたしたちは履いたまま下りました。
というわけであっという間にニュウ到着です。
山頂に付くとまず目に入ってきたのは若干三段紅葉っぽくなっている今だけ限定風景。
見えている水たまりは白駒池。
ニュウはこの白駒池から簡単に登れてしまうため、3シーズンは多くのハイカーで賑わっています。
今回も、初冬北八の寒さに負けずたくさんの登山客が山頂からの景色を楽しんでいました。
山頂は風が強かったですが、そうはいってもまだ初冬。
厳冬期に吹くあの棘のような無情の風とは違い、まだ寒風の中にも優しさ感じられてホッとしました…。
山頂からは天狗岳をはじめ、富士山や奥秩父の山々、浅間山などを見渡すことができました。
うすら雪を乗せた顔ぶれに、これからの雪山シーズンが連想されてわくわく!
今シーズンも安全で楽しい雪山登山ができますように。
ニュウから石楠花尾根経由で稲子湯登山口
ニュウを後にし、わたしたちは帰路につきました。
下山路として選んだのは、まだ歩いたことのない石楠花尾根。
来た道とは逆の、白駒池方面にしばらく下ると現れる最初の分岐を右手へ。
この辺りはまだ雪が積もっていました。
風の吹き抜けるニュウではゆっくり休憩ができなかったため、この分岐を曲がったところで腰を下ろしてお昼にしました。
ほとんどのハイカーは白駒池に下りる左ルートをとっていたので、分岐後は再び静かな登山道になっていました。
休憩と言っても、長時間座っていると体が固まってしまうくらいには気温が低く、まったりの休憩とはなりませんでした…。
山専ボトルに入れてきたお湯が救いの白湯になりました。
最初の分岐からはいくぶん勾配が急になった坂を下り、2つ目の分岐をまた右方向へ。
この辺りではもうチェンスパは脱いでいます。
石楠花尾根はここから2つ隣の尾根なので、しばらくは小さい谷と尾根を横切るトラバース道を歩きます。
あまり人が入っていないであろう狭い登山道。
脇の木々に積もった雪でザックやウェアが濡れました。
レインウェアを着ることをお勧めします。
標高を下げると気温が上昇し、キンキンに冷やされていたカメラのレンズが曇ってしまいました…。
良い感じにフィルターかかったみたいになってる…。
こんな風にカメラを粗末に使っていると、いつかカビが生えます(実証済)。
手ぬぐいで適当に曇りを拭って使っていたので、こういう変な写真も撮れました。
これはこれで一興?(んなわけあるか)
登山道の状況は、木に囲まれて日陰になっている部分には雪が残り、暖かい日向などには泥が露出しているという非常に歩きにくい感じ。
先程も書いた通り谷を横切るルートなので、本格的な積雪期は避けた方が良いかもしれません。
辺りが苔の景色に変化してきたころ、苔むした木の根に置かれた標識が現れました。
ここでトラバースは終わり!
ここからは石楠花尾根上を下ります。
ところで、中山峠に注意書きがあったのですが、石楠花尾根は積雪期の通行はあまり推奨されていないようです。
そうは言っても尾根だし大丈夫でしょ、と思っていましたが、実際歩いてみると道が崩壊していて迂回路を案内されたり↓
石楠花ジャングルだったりと、
確かに積雪してたら歩きにくいのかなっと思いました。
意外と長く感じた石楠花尾根ですが、麓近くまで下ってくると紅葉がとても綺麗で癒されました。
空も青くて良い秋の山という感じ。
今まで雪だったのがうそのようにぽかぽかでした。
石楠花尾根は林道に出て終了。
ここは右方向にルートをとって少しの林道歩きです。
紅葉のトンネルがとっても気持ち良かった~~。
やはり秋は最高ですね。
途中で拾ったドデカ葉っぱは桐でしょうか。
笑っちゃうくらい大きいな。
林道カーブミラーの手前に分岐があります。
ここを左へ。
ここから登山道ラストスパート!
落葉の登山道を惜しみながら歩きました。
もっと遊んでいたいぜ。
駐車場直前は紅葉はまだ見ごろではなく、たくさんの緑色の葉っぱが印象的でした。
なんか新緑みたいでした。
季節感覚を失うような旅でした…(笑)
駐車場に到着し、初冬北八山行はこれにて完。
お疲れ様でした~。
感想
紅葉シーズンとあって白駒池・ニュウ・中山周辺はかなり人口密度も高く賑わっていましたが、東側はほとんど人がいなくて静かな北八を堪能できました。
初冬とあって、進むごとに刻々と表情を変える山と登山道。
状況に対応しながら歩くのはやっぱり楽しいですね!
今シーズン初の雪山だったので、色々と思い出すことも多く、これからの雪山シーズンを迎えるための良い入口になったのではないかと思います。
明日からいよいよ11月。
今年もたくさん雪山登るぞ~~!