やまとりにっき

山登りやお出かけを中心とした日々のあれこれです

<山行記録> 南ア 聖岳・赤石岳・荒川三山縦走 1日目 ~聖沢から聖平小屋へ~ 2022.7.21

 こんにちは。

今日は南ア南部を縦走した1日目の記録です。

山行記録

7:30畑薙第一ダム臨時駐車場 =(バス)= 8:30聖沢登山口 ー 14:20聖平小屋

※4日間の記録と当日までのお話は下記をご覧ください!

yamatori0422.hatenablog.com

 

南アの懐へ

畑薙第一ダム臨時駐車場から聖沢登山口

当日は師匠の車で畑薙第一ダム臨時駐車場へ向かいました。

到着は6:30くらいだったかな。

平日なのにそこそこの駐車量。

帰りに撮影

ただ駐車場はものすごく広いです。

いっぱいになってとめられないということはまずないかなと思います。

 

予約したのは始発の7:30発バス。

入山届は、バス停の向かいにある臨時テントで記入できます。

登山届は必ず記入

ここにバスの運転手さんがスタンバイしていらっしゃったので、入山届を提出するついでにバスの受付も早々に済ませました。

 

7:30までまだまだ時間があったので、車でのんび~り準備をしていたら、ふいにどこからか「おーい」と呼ぶ声が…。

振り返ってみると、バス停の方から運転手さんが「7:00に出ることにしたよ〜!」とこちらに叫んでいるではありませんか(笑)

唐突すぎる臨時便現る。

「あ、でも7:30のもあるよ〜!」とのことだったので、まったり準備していた我々は予定通り7:30のバスに乗車することにしました。

わかってたら30分短縮のために7:00便に乗ったのにな……(笑)

結構気まぐれバスのようです。

 

バス停でバス待ちすること十数分、7:30発のバスがやってきました。

バスは椹島行きですが、聖沢登山口はその途中にあるため、乗車する前に聖沢で降りる旨をバスの運転手さんに伝えます。

そうするとバスの前方の席に乗せてくれ、登山口前で下車させてもらえます。

 

バスの座席にはひとり一つずつヘルメットが用意されていました。

乗車中はこれを着用する必要があります。

メットを被るバス

なんでも、落石があるかららしいです。

バスでヘルメット被るのは生まれて初めてですが、理由が落石とは…恐怖…。

乗車者全員が工事用ヘルメットを被っている光景はなんだかシュールで笑えました。

 

バス乗車中、運転手さんから林道についてちょっとした豆知識アナウンスがありました。

これによると、この林道は昭和47年にできたもので、当時はすべて未舗装路だったそうです。

最近になってリニアの開通工事のために舗装化がだいぶ進んだようで、確かにところどころ舗装路になっていました。

が、それはほんの一部であり、ほとんどは未舗装路です。

車内はとんでもなく揺れます。

※乗り物酔いしやすい方は酔い止めを飲んでおくことを激しく推奨。

車の揺れにより、ヘルメットを窓にぶつける方続出。

…あれ、このヘルメットって落石対策じゃなくて窓から頭を守るやつだったのかな…(笑)

 

バスは何台かあるようで、どの車両もナンバーは南アの名峰の標高だそうです。

行きで乗ったのは3121だったので、赤石号ですね✦

赤石号

うふふ、3日後に登ります、待ってろよ赤石岳

 

沢登山口から聖平小屋

バスで揺られること1時間。

無事聖沢登山口に到着しました。

わたしたち以外はもう1組のみがここで下車し、他の方々は椹島まで行かれました。

沢登山口

軽いバス酔いをしてしまったので、日陰で休んでから出発しました。

 

最初はまあまあ急な登りから始まります。

気温が高くかなり暑かったので、熱中症にならないように塩分・水分補給を意識的にしながら歩きました。

 

崩壊したトラバース道あり。

どこも案内標識がちゃんとあったので、迷うことはないと思います。

 

この辺りからスズメバチのような虫につきまとわれました。

歩くわたしたちの周りをぶんぶん飛び回っていて、ちょっと怖かったです。

 

今回のように、登山中黄色い大きなハチのような虫につきまとわれることがよくあります。

これ、わたしはずっとスズメバチだと思っていたのですが、調べたらアカウシアブというアブのようでした。

◆アカウシアブとは

北海道から九州まで生息するハエ目アブ科の虫。

体長は20~30mmと、アブの中では最大級。

黒とオレンジ色の縞々の体色をしており、蜂にそっくりなことからハチアブとも呼ばれています。

飛んでいる姿や羽音までスズメバチに酷似しており、よく間違われる吸血アブです。

参考:

スズメバチにそっくり!大型の吸血昆虫「アカウシアブ」の対策と応急処置 | 【YAMA HACK】日本最大級の登山マガジン - ヤマハック

ネットで出回っている写真を見るとわかりますが、大きさも見た目もスズメバチにそっくり!

吸血の際に鋭い口器で皮膚を切り裂くため、噛まれると結構痛いらしいです:;(∩´﹏`∩);:

しつこくまとわりついてくるので、タオルなどで追い払うのが良いみたい。

ただし、本当にスズメバチにそっくりなので「アブだと思って追い払ったらスズメバチだった」となれば大惨事…よく見て判断しなければなりませんね…。

 

今回は無視して歩き続けていたら20分ほどで消えました。

ほんとしつこかったわ!!(笑)

 

1時間もしないうちに、涼しい小滝の川を渡りました。

南アルプスの天然水どばどば!

十分濾過された水は透き通っていて、南アの懐の深さを感じさせます。

 

そこから20分ほど歩くと、整地された森を縫っていく登山道になりました。

下草なども綺麗にされていたので人の手が入っているのかな。

 

ここで突如始まるカウントダウン。

カウントダウンきた

なぜ1/7なのか。

こういうのって普通1/10から始まるものですよね…?(笑)

「GO!」に急き立てられて、とりあえず先を急ぎます(笑)

 

その先には何かにフルボッコにされた橋がありました。

大丈夫か、いったい何があったんだ…!!

ここはソロリソロリで通過。

 

お次は定員5人の釣り橋。

こういうのは南アっぽいなあと思いますね。

動画を撮りながら歩いていたら、中盤でかなり揺れてスマホを落とすところでした(笑)

侮らずに集中してゆっくり渡りましょうっ。

 

3/7地点は平らで広くなっていたので、腰を下ろして休憩をとりました。

…3/7ってどのくらい…?

7つに分けたうちの3つをパッとイメージできないのは、わたしが算数苦手だからですかね。

 

その後4/7地点を過ぎたところにも吊橋がありました。

さっきからいつ壊れてもおかしくないような人工物がちょいちょい出てきます。

もう、信じて歩くしかないです。

 

崩壊地が多々あり、申し訳程度のロープが張ってあるザレ道を何ヵ所かトラバースしました。

大したことないですが、誤って転落したら怪我は免れないと思います。

重い荷物を背負っているので慎重に歩きました。

 

休憩を何度か挟みながらやってきたのは岩頭滝見台

案内板の通り谷側に細道を入っていくと…

 

向こうの尾根に大きな滝が2本見えました!

写真でお伝えするのは難しいのですが、ぞっとするほどの水量と長さでした。

全てが北・中央アルプスにはない規模感。

南アって、すごいんだあ……。

 

滝にパワーをもらって、先に進みます。

聖平小屋1.8kmの標識には、熊の爪痕が残されていました。

熊の爪痕

この山行の数日前に、聖平小屋の公式Instagramにも投稿されていた標識。

よく見ると、ネジのところに熊の黒い毛が何本か挟まっています。

こんな山奥だもん、熊くらいいるよね(震)。

 

聖平小屋の手前でぱらぱら雨に降られましたが、通り雨だったようでレインウェアを着るまでもなくすぐに止みました。

 

この、明らかに土石流でたわんだのであろう鉄製の橋が出てきたら、聖平小屋はもうすぐそこです。

それにしても手すりの曲がり方が恐ろしいよ…。

今はこんなに穏やかな川なのに…。

 

もういっちょ鉄製の橋を渡りますと。

 

Welcome看板が待っていました('ω')

この時すでに結構しんどかったので、これを見た時は心からホッとしました!

 

歩きやすい砂利道を少し歩いたところに、赤い屋根の聖平小屋は建っていました。

聖平小屋到着

先着テント数張り。

いや…皆さん早いですね!

 

聖平小屋テント泊

テント設営

聖平小屋は、綺麗で広い玄関が受付になっています。

入口

テントの受付は師匠がしてくれました。

 

設営許可証は木を使ったかわいらしいもの(*'ω'*)

テント設営許可証

これはテントのガイラインなどに下げて、わかりやすいようにしておきます。

 

テン場は小屋に近い上の方が人気のようでしたが、わたしたちは静かでトイレの近い下の方に張りました。

トレックライズ1

まだ使用2回目のトレックライズ。

やっぱりモスグリーンは地味だよな…と思いながらも、少し愛着が出て来た我が家です。

 

トイレ・水場について

トイレはすぐ近くに小屋とは別の建物があります。

トイレ棟

 

入って衝撃的だったのは水洗トイレであるということ。

水洗トイレ

逆に戸惑いました。

水の豊富な南アだから実現できるのかな…。

通過の方は善意の箱へ善意を入れてください

清潔なトイレってすっごくありがたいですよね。

ただ紙は流せず、専用のごみ箱もないため、備え付けの袋に入れて持ち帰る必要があります

これも新しい…でも、合理的な気がします。

 

水場ですが、おそらく近くの沢からくみ上げている水が、テン場の水道から蛇口をひねるだけで出てきます。

たまに枯草などのゴミが混じることがありますが、煮沸せずに飲んでも一応大丈夫でした!

南アの天然水は、スキッとしてとても美味しかったです(*'ω'*)

とは言え自己責任なので、気になる方は煮沸消毒をしてください。

 

電波について

電波ですが、auソフトバンクdocomoともにテン場・小屋では入りません。

テント設営が終わって落ち着いたところで、翌日以降の天気を見るため電波の入る場所までお散歩しました。

電波求む

 

稜線の方へ少し歩いたところに電波スポットがありました(山小屋の方にお聞きした)。

auはこの分岐周辺。

docomoはこれを少し左に登ったところで入ります。

 

天気予報を確認すると、2日目もあんまりよろしくないようで落胆しました。

朝方大雨で、昼頃にかけて多少回復する様子でしたが、概ね曇り・雨とのこと。

とりあえず翌朝は出発を遅めにして、小雨のうちに2日目の宿である百間洞まで歩いてしまおうという作戦になりました。

 

電波確認後テントに戻ったところで、いよいよ本格的な雨が降り始めました。

これは想定内。

各々自分のテントで過ごしました。

 

山の雨の音を聞いていると、不意にお家に帰りたくなるのはわたしだけでしょうか?

ふと襲って来たホームシックに耐え切れず、とりあえずアドレナリンが出るプレイリストをイヤホンで再生(笑)

アドレナリンが出るプレイリスト

どうでもいい余談ではありますが、このプレイリストは毎朝の出勤時に車で永遠リピしているものです。

重低音ごりごりの曲ばっかで治安悪いですが、やる気は出ます(笑)

 

夜ご飯は師匠と小屋前の屋根のある場所で食べようという話をしていたので、18:00頃に一度師匠のテントに声をかけてみました。

が、応答なし。

もう一度声をかけてみたけど応答がないので、察しました。

あ、これ、寝てるなと。(笑)

山形から静岡まで夜通し運転してからの標高差1,000m超えの登りをテント背負って歩いたのだから、そりゃあ疲れるよなあと、起こすのも悪いよなあと思いまして、ご飯はテントでひとりで食べることにしました。

 

1日目夜はコレ。

温かいものを食べると元気が出るけれど、やっぱりインスタントはインスタントだなと思ってしまいますね~…。

でも、雨を凌げる場所でご飯をゆっくり食べられることに感謝しないと!

山に来ると、下界では当たり前の、何でもないことにも感謝できるようになります。

 

食後も音楽を聴きながら寝っ転がってまったり過ごしていましたが、わたしも早起きとハードワークのせいかうとうとしてしまい、結局19:30には就寝しました(笑)

雨のテント泊の良いところは、まわりのテントの生活音が一切聞こえなくなること。

睡眠の世界へす~っと誘われ、ぐっすり眠ることができました。

 

 

無事1日目は終了!

次回は2日目(聖岳→百間洞山)の記録です(*'▽')