こんにちは。
先週の週末、最近お世話になっているKさんに群馬遠征に連れて行ってもらいました!
金曜の夜に山形を出発し、土曜は谷川岳、日曜は赤城山に登ってきました(*'▽')
今日は1日目の谷川岳登山の前に見てきた一ノ倉沢の記録です。
一ノ倉沢について
一ノ倉沢(いちのくらさわ)は、谷川岳の象徴となっている岩壁です。
剱岳の大屏風岩・穂高岳の屏風岩とともに日本三大岩壁となっています。
過去にはクライミングの初登攀を競って800人近くの死者を出しました。
現在、シーズン中はバスも出ているので、観光にも人気スポットとなっています。
山行記録
6:40 土合口駅 ー 7:15 マチガ沢 ー 7:40 一ノ倉沢 7:50 ー 8:30 土合口駅
一ノ倉沢見学
谷川岳ロープウェイ土合口駅へ
先週の金曜日の夜中、群馬遠征に行くべくKさんの運転で山形を出発しました。
日が沈んでから山形では雪が降りだしたので翌日の天気が心配でしたが、新潟に入ると雨雪っぽくなり、群馬に着くころには雨も雪もすっかり止んだので安心しました。
土曜の午前4:00頃、道の駅みなかみ水紀行館に到着しました。
ここで1時間半ほどの仮眠をとったのですが、わたしは目がさえてしまってあまり眠れませんでした(笑)
5:30過ぎに谷川岳ロープウェイ駐車場へ向けて出発しました。
道中にある土合駅が「モグラ駅」と呼ばれていることなどをKさんに教えていただきながら、真っ暗な山道を上っていくと駐車場が見えました。
谷川岳ロープウェイ駐車場はこの時期8:30にならないと営業しないので、営業時間前は1階部分にしかとめることができません。
真っ暗な駐車場に車をとめて真っ暗の中で準備を進めました。
土合口駅からマチガ沢
谷川岳ロープウェイは8:30からなので、それまでに一ノ倉沢へお散歩しに行きました。
薄暗くなってきたころ土合口駅を出発!
一ノ倉沢まではコンクリートの道を歩きます。
事前の情報ではコンクリート道は途中からもふもふの雪道になるはずでしたが、全く積もっていなかったので持ってきたワカンやスノーシューは道の端にデポりました。
途中山の上に天神平駅を確認。
天気があまりよろしくないのでこの後谷川登れるのか心配になってしまう。
コンクリート道を登っていくと左手に西黒尾根登山口がありました。
これが噂の!
日本三大急登の1つなだけあって、遠目に見ただけでもしょっぱなからものすごい登りでした。
帰りにここを登っていく沢山のハイカーを見ましたが、積雪期にようやるなあと尊敬してしまいました…。
こんな感じの道を永遠と歩きます。
たまにブラックアイスバーン化してるところがあってビビりました(笑)
端の落ち葉の中を歩くのが正解です。
木々が途切れると右手に白毛門(しらがもん)らしき山が見えました。
雪崩が起きるせいで谷に木が生えることができず、きれいに尾根にしか残ってないのが面白かったです。
雪に付いた動物の足跡を観察しながら歩くこと30分。
カーブを曲がったところで唐突に現れたのは目を見張るほどの岩壁でした。
残念ながらガスがかかっていましたが、それでもこの迫力です。
どうやらここがマチガ沢のようです。
地図にはシンセン岩峰の文字があるのですがどれだろう、手前のごつごつしたでっかい岩塊のことなのかな。
マチガ沢出合には巌剛新道(←なんて読むんだ?)の入り口があるはずなのですが、気にも留めず歩いてきてしまいました(笑)
マチガ沢には昔三軒ほどの宿があったらしく、越後から山道を夕暮れ時に登ってきた人がこの付近で灯りを目にして「街が見える」と喜んで発した言葉が、マチガ沢の名前の由来と言われているそうです。
以前松濤明の『風説のビヴァーク』ではじめてマチガ沢という名前を知ってから、不思議な名前だなあとなんとなく覚えていました。
由来を知ってすっきり。
橋を渡ったところの左手にマムシ岩という大岩があり、レリーフがついていました。
新田次郎の『銀嶺の人』でこの岩を使って登攀の練習をするシーンがあるそうです。
…また読みたい本が増えた…。
マチガ沢から一ノ倉沢
マチガ沢からもコンクリート道は続きます。
相変わらずの凍った道を慎重に歩きました。
何度目かのカーブを曲がったとき、一ノ倉沢の岩壁は唐突に現れました。
おおおおお!!!!!
こんなかっこいい崖がアルプス以外に日本にあるなんて知らなかったです(; ・`д・´)
谷川は死者数800人越で世界一死者数の多い山としてギネス世界記録に登録されていますが、そのほとんどがこの岩壁での滑落遭難事故によるものです。
初登攀を競って沢山のクライマーがこの岩壁を登っていたんですね。
昔のわたしなら「こんなところを登ろうという発想がおかしいわ~意味わからんわ~」なんて思うところですが、山に登るようになった今は、そういう危険を冒してまで登りたいという気持ちがわかってしまうな。
…この岩壁には…魅了されてしまいますわ…。
そんなわけでここは「死の山」「魔の山」「人喰い山」とか呼ばれてきたみたいです。
あまりの岩壁に鳥肌が立ってしまいました。
見た感じどこから取りついても登れそうにないが…。
右が衝立岩で、その奥が烏帽子岩かな?
左のは滝沢右稜?
スラブとかリッジとかテラスとかルンゼとか…あまり良くわからないなあ。
家族からは「登攀はやめてくれ」って言われているけど、こんなかっこいい岩壁を見せられたら登ってみたくなってしまう…。
登れないけど。
以下『風雪のビヴァーク』より谷川岳の部分を抜粋。
テラスに揃ってキジを撃ち、ここでアンザイレンしておもむろに取り付く。緊張しているにもかかわらず、闘志が一向ないので三ツ峠の悪場に取り付いているようだ。チムニー、その上の壁、大分手間どった。南稜が上部笹原に連なる付近は、直下に烏帽子沢を俯瞰してまことに気味が悪い。それにきょうは風が強く、いくども振られて胆を冷やした。笹原に入ってザイルを解き、握り飯を噛りながら笹に身を埋めてしばらくトカゲする。
これからの斜面は悪くないが、抜かると烏帽子沢をダイヴするので慎重に登った。平田君の落ちたピークの上で服装を整え、沖ノ耳へ向う。尾根は素敵に風が寒く、土合に着いた時には、ああ、とうとう風邪を引いてしまった。山の家泊り。翌日は雲量零の大晴であったが、かえって怠れて、 マチガ沢でトカゲして午後の汽車で帰京した。(松濤明(2000). 新編 風雪のビヴァーク 山と渓谷社)
昔の人の記録はすごいことを成し遂げているのにサラッと書かれているのでかっこよさマシマシですな。
一ノ倉沢から土合口駅
7:50頃、ロープウェイ運行開始の時間が迫っていたので、一ノ倉沢見学は切り上げて駐車場に戻ることにしました。
今まで目の前の岩壁に夢中になっていましたが、振り返った山もかっこよくて「おお~」となりました。
それにしても天気があまりよろしくないなあ…。
谷川岳登れるのだろうか。
相変わらずの氷道をいそいそと下って駐車場へ向かいました。
途中で一ノ倉沢見学をするのであろう観光客の方とすれ違ったくらいで、他に登山者含め人には会いませんでした。
駐車場に戻ってくるまでずっと曇り空で雪もちらついていたのですが、せっかくなのでロープウェイを使って天神平駅までは行ってみることにしました。
結論から言うと、谷川岳には最高の景色の中登頂することができたのですが、それはまた次回の記事に書きたいと思います!
お楽しみに~~~。(笑)