先週の日曜日に、北アルプスの入門山と言われている爺ヶ岳に日帰りで登ってきました!
爺ヶ岳について
爺ヶ岳は、富山県立山町と長野県大町市にまたがる後立山連峰(うしろたてやまれんぽう)南部に位置した、標高2669mの山です。
南峰、中峰、北峰の3峰で構成されています。
まず後立山連峰ってなあにという話ですが…
北アルプスには立山連峰というのがあって、黒部川の西側に連なっている山域のことを言います。
有名どころで言うと、毛勝山、剱岳、大日岳、別山、立山とかその辺、富山の山ですね。
で、富山から見てその立山連峰の「後ろ」側にある山々のことを後立山連峰と呼びます。
黒部川を隔てて対峙する形で両連邦は聳えているわけです(/・ω・)/
後立山連峰とは言うものの、長野県側から見たら前立山連峰なんだよなあ…(長野県民心の叫び)。
(写真は登山口に向かっている途中の車内で撮影なのでへたくそ。)
爺ヶ岳の読み方は「じいがたけ」なんですけど、ウィキペディアに「長野県側ではじいがたけと頭高型アクセントで発音される」と書かれていました。
え、逆に他の発音の仕方があるんですか?じいがたけ?じいがたけ?わからぬ…。
ところで、爺ヶ岳って面白い名前ですよね!
名前の由来は春先に出てくる雪形です。
雪形というのは、山の岩肌や、雪や残雪によって作られる模様のことです。
雪形には雪によって形作られる白い雪形と、雪の中に岩肌が浮き立つ黒い雪形の2種類があります。
春先の雪が融けてくる時期になると、北アルプスの東斜面には色んな雪形が出てきます。
安曇野とか大町とかでは、昔は雪形を見て田植えの時期を決めていたそうです。
爺ヶ岳には春になると南峰東斜面に、種を蒔いているような恰好をしたお爺さんの雪形が浮かび上がってきます。
この「種蒔き爺さん」の雪形が爺ヶ岳の名前の由来だそうです。
他にも雪形が山名の由来になったという山は北アに沢山あって、有名なのは蝶ヶ岳、常念岳、白馬岳などがあげられます。
冬の北アの雪形を探すのも面白いかもしれないですね(*'ω'*)
今回は快晴のお天気だったのでライチョウは姿を現しませんでしたが、曇りや雨の日はたくさん見られるかも…(^^)
山行記録
4:25 自宅 ー 6:10 扇沢駐車場 6:20 ー 6:35 爺ヶ岳登山口 ー 7:20 八ツ見ベンチ ー 7:45 ケルン ー 8:10 駅見岬 ー 8:50 石畳 ー 9:05 水平道 ー 9:10 水平岬 ー 9:15 石ベンチ ー 9:40 富士見坂 ー 9:50 鉄砲坂 ー 10:00 種池山荘 10:05 ー 11:10 爺ヶ岳中峰 12:25 ー 12:50 爺ヶ岳南峰 13:00 ー 13:25 種池山荘 13:45 ー 16:50 爺ヶ岳登山口 ー 17:00 扇沢駐車場 ー 19:00 自宅
爺ヶ岳
今回は日帰りピストンということで扇沢から柏原新道を登りました。
4時台に到着したにもかかわらず、より登山口に近いほうの無料駐車場は満車状態。
有料駐車場も埋まってきていたし、なんだか狂気を感じました。
まあ、黒部立山アルペンルートのバス発着駅でもあるので、混むのは仕方ないですね。
ちなみに扇沢駅にはきれいなトイレが完備されていました。
爺ヶ岳の登山道には種池山荘にしかトイレがないので、出発前にここで行っておいたほうがいいですよ。
到着したときは結構寒かったです。長袖か、半袖にアンダーシャツくらいがちょうどよかったです。
扇沢駅から車道を歩いて登山口に向かいます。
トンネルの中を歩いたりして、15分くらいで到着します。
登山ポストありました!しっかり提出していきましょう。
柏原新道は扇沢のすぐ横を登っていく登山道なので、水の流れる音が心地よいです。
樹林帯。
こういう階段結構見かけますけど、たまに腐ってたりしてるから足を乗せるのに勇気がいる。
木と木の間から大町が見えました。
標高をかせぐと樹林の間から針ノ木岳が顔をのぞかせました。
三角形がお美しい。
針ノ木には日本三大雪渓の1つ、針ノ木大雪渓があります。
雪渓というのは、山の谷などに積もった雪が、暖かくなっても融け切らずに残っているものを指します。
中でも1年中残っているものは万年雪と言うらしい。
ちなみに日本三大雪渓のあと2つは、白馬岳の白馬大雪渓、剱岳の剱沢大雪渓です。
はるか彼方に八ヶ岳も見えました。
八ツ見ベンチですが、八ヶ岳あんまり見えないし休憩できるベンチもなかったです(笑)
針ノ木岳。右はスバリ岳。
あきゃあ、いけめん。
気を付けましょう。
(え?ピントが甘いって?なんのことかな、ちょっとよくわかんない。)
扇沢駅の駐車場が見えます!もうこんなに登ってきたんだね。
針ノ木(写真中央)の左に聳えているでかいやつは蓮華岳です。
ケルン到着。
…私の思い描いていたケルンじゃない…。(笑)
赤沢岳、鳴沢岳、岩小屋沢岳らへん。
駅見岬到着。ここから扇沢駅が見えます。
今回の山行は私の左足股関節復活戦なので、とてもゆっくり歩くようにしていたのですが、ゆっくり歩くのって案外大変ですね。
気づいたらすたすた登ってしまうし、気づいたら息が切れている。
元気があるうちは後先考えずに足を運んでしまいがちですけど、後でバテると大変なことになるので、ゆっくり歩くように意識しなければならない。←この配分が難しい…。
(股関節痛については下記の記事を参照してネ)
気づけば種池山荘が見えました。赤い屋根かわいい!!
見上げた飛行機雲がX!
石畳の看板。
言われてみれば石畳でした。
ダケカンバが多く見られるようになってきました。
ところで、シラカバとダケカンバってすごく似ていますよね。
樹皮の色の違いだけで判断できるのかなといえばそうでもなさげ。
じゃあどうやって判断するのか、気になって調べてみました。
違い① 分布する標高
ダケカンバはシラカバよりも標高の高いところに分布していて、目安は標高1500mが境目。
違い② 芽吹きの時期
5月の芽吹きの時期になると、シラカバのほうが早く芽吹き、新緑になる。
違い③ 樹皮
シラカバはその名の通り樹皮が白く、ゴツゴツした黒い節や斑がある。一方ダケカンバは樹皮が赤茶色で、ビニールテープみたいにペりぺり剥がれる。
違い④ 枝の色
枝が黒いのがシラカバ、白いのがダケカンバ。
違い⑤ 葉
葉はダケカンバのほうがやや光沢がある。葉脈がダケカンバのほうが多い。
なるほど。
ぱっと見てわかりやすそうなのは樹皮の様子と枝の色ですね。
これでシラカバとダケカンバを区別できるぞ~!
水平道。
おお~蓮華がでかい。
岬。
石ベンチ。
めちゃくちゃ座りやすい石が何個かあって、直前に休憩していたにもかかわらず座らずにはいられませんでした(笑)
蓮華や針ノ木が目線の高さまで下がってきました。
結構登ってきたな~~。
疲れたな~~(笑)
通行注意。
確かに注意。。。
おおおお、南アルプスが見えました!
坂。
坂。
坂多い(登山なんだから当たり前だろ)。
鉄砲坂、まじで疲れました。
いやあしんどかった。
地味に階段になっているのですけど、階段ってなんかものすごい疲れませんか…。
太ももの筋肉が悲鳴をあげておられました(泣)
あとちょっと、助けて(白目)。
だりゃあ~~~ついた~~~~、種池山荘~~~~!
◆種池山荘について
種池山荘は1919年に建てられた石室の種池小屋が始まりです。
1930年に木造に建て替えられましたが、積雪で小屋が押しつぶされることが何度もあったそうです。
何回も建て替えられていますが、台風で屋根が吹き飛ばされ、全壊したこともあるそうです(コワ)。
1968年に1階が鉄筋コンクリート、2・3階が鉄筋構造でできた丈夫な小屋に建て替えられて、名前も今の種池山荘に改名されました。
この標高2400mの山奥に、鉄筋やコンクリートを運んでくるのにはどれだけの労力と時間が必要だったことか…先人の努力に心から感謝したいです。
この山荘には約200人が泊まれることになっています。
テン場は20張で、水場はありませんが150円/ℓで購入できます。
山荘の前にはベンチやテーブルが出ていましたが、私たちが着いた時には満席状態。人多いな。
トイレは、まあ、山のトイレです。
きれいでしたよ。
ちなみに今まで行った山の中で1番トイレが汚かった記憶のあるのは常念岳です。
なんであんなに汚かったんだろうか。
トイレに寄ったらいよいよ爺ヶ岳の山頂アタックです。
写真の奥に見えるとんがった山が爺ヶ岳の南峰です。
チングルマのカス(ほかに言い方あるだろ)。
振り返れば剱・立山連峰が聳えていました。種池山荘のオレンジの屋根が映えますね。
足を進めると端正な双耳峰が見えてきました。そう、鹿島槍ヶ岳です。
鹿島槍の肩に乗っかっているのは冷池山荘。
ここのテン場も人気なんだって。
ドカンと剱岳。これはかっこいい!!
剱岳には日本に有数の氷河が2つあります。
写真1番右の雪の塊が小窓氷河、その左隣が三ノ窓氷河です。
寒そう。
もう少し進むと、山の横から槍が頭を覗かせました。
進撃の巨人みたい。。。
南峰にはもうこんなに近づきました。
種池山荘から南峰まではすごく人が多かったです。
ちょうど混む時間帯だったんですね…。
人がいると、自分のペースで登れないわけです。
ペースが崩れると、必然的に疲れる。
持ち上がらない足を必死に動かしていました(白目2回目)。
しかもこの時結構お腹空いててエネルギー切れだった気もする。
ぞろぞろ登ってくるよ。
ちなみに、南峰はあとで登ろうということでパスしました。
この先、中峰、北峰に行くにつれて人の数は減っていきます。
南峰をトラバース。ああ、お腹空いた。
奥に見えるのは中峰。
中峰の奥が北峰。目指すは最高峰の中峰。お腹空いて死にそう。
ここまで来ると鹿島槍が絶景です!
鹿島槍って、大町から見ると双耳峰が猫耳みたいでかわいいのですよ~。
当ブログのアイコン写真は、鹿島槍に猫の顔を描いた鹿島槍猫です(笑)
やっと分岐に着いた。早く頂上でご飯を食べたい。
どこの山も、大抵最後がつらいのだよ…。
まじでシャリバテ気味。。。
は~登頂~~!
2669mの地を踏みました!快晴!!最高以外になんて言えばいいんだ!!!
頂上から北峰側に少し下ったところに良い感じのスペースがあったので、そこでお昼ご飯にすることにしました。
やっとご飯( ;∀;)
まずはお湯を沸かして、インスタントスープを作る。
新しいシェラカップ(/・ω・)/
次にマッシュポテト+コンビーフ+マヨネーズでポテトサラダ。激うまですよ。
主食はサンドイッチ。ポテトサラダ挟むと信じられないくらいにおいしい。
こんな景色見ながらランチとかどんな贅沢やねん…!
余談ですが、上の写真は「Huji Cam」というアプリを使って撮影したんですけど、このアプリめちゃくちゃおすすめ。
フィルムカメラで撮ったみたいな仕上がりになるし、ライトリーク効果も使えちゃいます。
特に青空がすごく綺麗に映るので、晴れの日のお供アプリです('◇')ゞ
私も友達から教えてもらたのですが、良かったら使ってみてください!
鹿島槍。
1時間以上はご飯食べながら景色を眺めていました。
山に来たら頂上付近で1時間くらいを過ごすことが当たり前化しています(笑)
十分堪能したら、もう1度中峰に登り返しました。
中峰からの大町市。
煙吹いてるのは浅間山。
青木湖?
上層の雲が筋になっていて秋を思わせます。
南峰に乗っかる人々。
山はでかい。
でかくて威風堂々で人間の力なんて到底及ばなくて、私を含めそんな山の頂上に立って喜んでいる人間は滑稽で、なんだか悲しくなっちゃうな。
では南峰に向かいます。
向こう側の山に、山肌が人の形にはげてるのを発見した。
巨人が立ってるように見える…。
南峰到着~。
ふと見上げたら、ハロ(暈)が出ていました。
ハロ現象の仕組みは私にはよくわからんので気になる方は各自お調べくださいorz
剱の小窓氷河から雲が落ちてきそう。
それでは帰ります。
ハイマツと剱。
南峰を振り返る。
この角度、鷲羽岳に似てると思うのは私だけかな??(鷲羽岳行ったことないんですけどね)
針ノ木。大きいなあ。畏怖してしまうくらい。
山に行きたいと思うのは怖いもの見たさなんですかね。
種池山荘に帰ってきました。
ちなみに種池山荘の種池はコレ↓ ……池…?
こんな生き物がうようよいたんですけど、オタマジャクシかな?
それにしてもこの池、きたn………
それではいよいよ下山です。
もうすでに疲労しているのにこれから果てしなく長い柏原新道を下るのかと考えるとぞっとしますネ。
帰りはトレッキングポールを使いました。
初めて使ったんですけど、慣れるまでに一苦労。
しかし、これがなかったら私はこの山を下山できませんでした。
ありがとう、偉大なる杖よ。
下山はまじめにきつかったです。
足を痛めて3か月間引きこもりやってたんで、体力が皆無でした。
永遠と続く下山路を白目(3回目)向きながら必死で歩きました。
もうちょっと歩いてたら立てなくなってたよ。。。
カメのスピードで下山したので、駐車場に着いたのは17:00頃。
生きて帰れてよかった。
今までで1番きつかった山は去年登った富士山でしたが、その記録を更新しました(笑)
最後に、今回の山行で拾ったゴミです。
山が好きで山に来ているのに、どうして山を汚して帰っていくのか不思議でならない。
気づかなかったじゃ済まされないということを肝に銘じて出かけたいです。
ゴミを落としていく人がいても、それをカバーできるように、気づいた人がゴミを拾うようになっていったらいいな。
反省
持っていく飲料が少なかったこと。
1ℓと少し持って行ったはずなんだけど、最後足りなかったです。
あとペットボトル1本あれば安心だったかな。
感想
爺ヶ岳は前々から行ってみたいと思っていた憧れの山だったので、とっても楽しんで歩くことができました。
北アで日帰りできる数少ない山なので混むことは承知してましたが、思っていたより人が沢山いてびっくりしました。
それに挨拶を返してくれない人とかいて悲しかったな~。
爺ヶ岳から望む山々は本当に雄大で、鹿島槍とか、剱とか立山とか、蓮華とか針ノ木とか全部登ってみたくなりました!
山は登れば登るほど登りたい山が増えていく(噛めば噛むほど味の出るスルメみたいw)。
北アは私の中で不動のナンバーワンだし、北アの山は日本の中で1番魅力のある山だと思っているので、これからもっと登って、北アのことをもっと知りたいです!
予告
来週は北ア裏銀座を縦走してくる予定です。