やまとりにっき

山登りやお出かけを中心とした日々のあれこれです

<山行記録> 南八 硫黄岳・横岳 ~初めてのハシゴと鎖~ 2017.8.27

今日も過去の山行記録。

映え写真沢山なのでご期待あれ!(笑)

 

※写真だけ見たいよって方は 4.真夏の八ヶ岳へ からご覧ください(*'▽')

 

硫黄岳について

硫黄岳は長野県茅野市南佐久郡南牧村に位置する標高2760mの山です。

火山連邦の八ヶ岳の中でも特に火山らしい山容となっています。

 

山頂はなだらかでとても広いですが、爆裂火口跡があるため南北両側が切れ落ちています。

厳密にいうと一般登山道は山頂(最高地点)も三角点も通過しません。爆裂火口があるので正式な山頂に行くことはできません。

 

かつて硫黄岳の爆裂は天狗岳や稲子岳までに及んだといい、地図からもこれらの山の東側が崩壊して地形を形成していることがうかがえます。

888年に大泥流(マスムーブメントの一種)が発生し千曲川をせき止めたため、千曲川は大きな湖と化したという記録があるそうです。それがJR小海線の「小海」「海ノ口」「海尻」などの駅名、地名の由来だとされています。

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参考:

硫黄岳|信州山岳ガイド(信濃毎日新聞社)

硫黄岳 (八ヶ岳) - Wikipedia

 

横岳について

横岳も長野県茅野市南牧村にまたがる標高2829mの山です。

八ヶ岳連峰の中では赤岳(2899m)に次ぐ高さになります。

 

頂上付近はぎざぎざと沢山のピークがあり、これらは赤岳側から二十三夜峰日ノ岳鉾岳石尊峰三叉峰、(無名峰)、奥の院と呼び、奥の院が最高峰です。

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地図の崖記号がはんぱない。

 

稜線の西側には大同心小同心と呼ばれる岩があり、ロッククライミングが行われています。

 

西側にあるたくさんの「ルンゼ」はドイツ語で、訳すと岩壁に食い込む急な岩溝という意味です。

地図記号でわかる通り滝になっているのですが、冬季は氷瀑を利用してアイスクライミングを楽しむクライマーがいるようです(どのくらいいるのかは知らん)。

 

参考:

横岳 (八ヶ岳) - Wikipedia

ルンゼとは〜ルンゼの意味 登山用語

 

山行記録

※時間は忘れました

桜平 ー 夏沢鉱泉 ー オーレン小屋 ー ヒュッテ夏沢 ー 硫黄岳 ー 横岳 ー 硫黄岳 ー 赤岩の頭 ー オーレン小屋 ー 夏沢鉱泉 ー 桜平

 

真夏の八ヶ岳

時は2017年の晩夏。

友達Mちゃんと父と3人で地元の八ヶ岳に登る計画を立てました。

話し合いの結果、お手軽に行ける硫黄岳と、時間や体力に余裕があれば横岳に登ろうということになり、3人で出かけました(*'▽')

 

硫黄岳

硫黄岳は中学校登山で1泊山行した思い出深い山です。

雷がなったりして大変な山行でしたが、早起きしてみたご来光はとてもきれいで今でも覚えています。

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卒アルの大きい写真に自分写ってて笑った。ちなみにこのフリース今でも来てます(笑)

 

今回の山行でもその時と同じ桜平から登ることになりました。

 

桜平までの道はダート道です。

中学登山ではこの道から歩いたので全然気が付きませんでしたが、車で通ると結構大変です。

 ぼっこんぼっこんと揺れる車内で、中学の時歩いたことをしみじみと思い出しました。

この道は季節によってはアブがものすごいので、通る車が後ろに大量のアブをくっつけてきて、みんなでぎゃーぎゃー文句言ったなあとか(笑)

 

悪路を進み無事駐車場に着きましたが、ほぼ満車状態

やっとのことでスペースを見つけ駐車しました(尚駐車したのはわたしではなく父です)。

 

ここからしばらくまた林道歩き。

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林道歩きって辛いよね。

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この写真めっちゃぶれてるよお父さん…。

 

登ってやるぞってな。

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だんだん登山道っぽくなりました。

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これこれ!これぞ八ヶ岳

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しばらく歩くと夏沢鉱泉に着きました。

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◆夏沢鉱泉について 

 八ヶ岳中央登山口のベース宿で、鉱泉が有名です。

食事が名物となっているようで、みそ汁のみそは大豆から作っているというこだわりっぷり。お正月はオーナーがついた餅で作ったお雑煮が出るのだとか。通常のメニューでも旅館並みのフルコースということで、山でも最高のご飯を食べることができます。

温泉は日本で5番目の高所にあるという秘湯の中の秘湯。泉温は7度と源泉かけ流しはできませんが(やってもいいんだろうけどそれはもう滝行)、過熱した褐色のお湯に入ることができます。

電源の100%を自家発電で賄っているエコ・クリーンな山小屋です。

さらにトイレは水洗。ここまで来るともう山小屋の域を超えている…(笑)

 

<基本情報>

収容人数:約40人

開設時期:通年

素泊まり:7500円(※冬季別料金)

テント場:なし

参考:夏沢鉱泉ガイダンス

 

トイレをお借りしましたが、水洗トイレにまじでびっくりしました。

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近くの川(シラナギ沢?)、硫黄のにおいがすごいです。

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いつか温泉に入りに来たいな~などと考えながら鉱泉を後にしました。

 

八ヶ岳や……。

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苔の道を順調に進みます。

 

次にたどり着いたのはオーレン小屋

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◆オーレン小屋について

八ヶ岳の中心稜線の近くに位置する山小屋です。

4~6月にかけては、小屋の名前の由来となった高山植物のウスギオウレンが周辺に咲くそうです。

1950年に創業したので70年近くの歴史があります。

名物は「桜鍋」。自家製秘伝の割り下を使った絶品の桜鍋は、登山者の疲れをいやすご褒美ですね。

また、温泉ではないですが入浴ができます。ヒノキの展望風呂で、湧き水を薪で沸かしているそうです。お肌がツルツルになると評判なんだとか。お風呂からは硫黄岳を眺めることができます。

 

<基本情報>

収容人数:約250人

開設時期:およそ4月~10月

素泊まり:6000円

テント泊:1000円/人

テント設営数:約100張

参考:八ヶ岳オーレン小屋(硫黄岳 天狗岳 赤岳 登山に最適な山小屋)

 

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余談ですが、オーレン小屋のホームページ、これまで見てきたどの山小屋のホームページより詳しくて見やすかったです

これくらい見やすく詳細に書いてくれるととても参考になるし、小屋の歴史や小話などは読んでいてとても楽しいです。

情報社会ですから、ホームページの情報は充実させてほしいですよね…。

 

また苔の八ヶ岳道を進みます。

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本当にきれい。

 

夏沢峠に出るとすぐヒュッテ夏沢があります。

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ここは中学登山で泊まった思い出の山小屋。生まれて初めて泊まった小屋でもあります。

 

◆ヒュッテ夏沢について

北八ヶ岳南八ヶ岳の分岐点に位置する山小屋です。

集団登山としてのメッカだそうで、団体予約での貸し切りが可能なのだとか。だから中学登山で使うんだ…。

トイレは簡易水洗です。

夕食はバイキング式。中学の時はカレーを食べたような食べなかったような…。

すぐ近くに迫力満点の爆裂火口を見ることができます。

 

<基本情報>

・収容人数:約100人

・開設時期:およそ6月~9月

・素泊まり:6000円

・テント場:なし

参考:ヒュッテ夏沢 - 八ヶ岳 赤岳天望荘

 

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うしろに写るのは爆裂火口です。

 

どっか~んと。

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中学生に見た時より迫力を感じる…。 

 

・爆裂火口とは

火砕丘(火口の周辺に火砕物が積もることで形成された丘)を持たない火口地形のこと。火山噴出物の少ない水蒸気爆発などで形成されます。

硫黄岳の爆裂火口は直径1km深さは550mにもおよび、その噴火のすさまじさを物語っています。

 

火山って本当にすごいよね。

 

それでは硫黄岳山頂を目指します!!

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登れ登れ~~。

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遠くに北アルプスが見えました(*'▽')

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槍~~~~~♡

 

北八ヶ岳方面。

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青い屋根は先程のヒュッテ夏沢です。

 

本当に良い道✦

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山頂はもうすぐです!!

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そしてそして……

 

登頂!!いえ~い\(^o^)/

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2度目の山頂を踏んでやった!!!!(笑) 

 

硫黄岳の山頂はとても広いです。

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濃霧時は下山路を間違えるもしくはわからなくなる危険性があるので注意。

 

幸いこの日は快晴で、山頂は登山者で賑わっていました。

 

そしてここからは…………

 

視野いっぱいに南八の絶景が広がります!!!!!

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横岳赤岳阿弥陀岳…。むせかえるほどかっこいい。

 

学校登山でこの景色を見た時、「うわあ、あそこに行きたい。この稜線を歩きたい。」という衝動にかられたことを思い出しました。

 

これははしゃいじゃう(笑)

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さいっこうの景色です。

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南八の奥に南アルプスも見えます。

 

わ~~い!!

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硫黄岳から横岳

さて、体力も時間もまだ余裕があるのでここから横岳へ向かうことになりました。

 

この稜線を…歩く日が来るとはね…。

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中学以来の夢がかなった瞬間でした。

 

途中でスペースを見つけてお昼ご飯を食べました。

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焼き肉だよ~ん♡

 

わたしと父は山に行くと必ずと言ってよいほど焼き肉をするんですけど、今まで他の人が山の上で肉焼いてるところ見たことないです(笑)

Mちゃんもびっくりでした(笑)

 

これがたまんないよ。

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山でする焼き肉が一番おいしい。

 

お肉を充電し、いよいよ横岳へ歩き始めました。

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(硫黄岳を振り返る。)

 

横岳に近づくにつれて、だんだん道が険しくなってきます

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さっき地図で確認したら、どうやらここは「カニの横ばい」というらしい。

 

まあ落ちたらやばいけど、普通に通ればなんともない道です、たぶん。

剱のカニに比べたらね…(笑)

 

高度感すごい!!楽しい!!!!!

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が沢山です。

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ハシゴも出てきました。

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わたしはハシゴ場初めてでした。

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鎖は楽しいけど、ハシゴは怖かった…(笑)

 

スリルがあって良いねえ。

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この高度感!!!!

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テンションが爆発する(笑)

 

そして、わくわくがだだもれのまま登頂!(笑)

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念願の横岳です✦

 

ここからも赤岳・阿弥陀岳が絶景でした。

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赤岳様とMちゃん

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壮大…。

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ベスポジを見つけて休憩しました。

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一寸先は崖です(笑)

 

赤岳様がかっこよすぎる……。

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いつかテント背負って行くんだ~。

 

もう写真を撮りまくりました。でも景色は同じなので、同じような写真が大量に撮れました(笑) 

ファインダーから目を離すと、さっき撮った時よりきれいな景色になってるような気がしてまた撮るというのを繰り返してしまうんですよね(笑) 山あるある。

 

横岳から硫黄岳、赤岩の頭を通って下山

楽しい時間はあっという間。

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気づけば帰る時間になっていました。

 

さよなら~また来ます、必ず。

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来た道を戻ります。

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下りるのが厄介だったりする。

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楽しい。

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横岳と硫黄岳の間には硫黄岳山荘という山小屋があります。

そして小屋の前に駒草神社という神社がありました。

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小屋でトイレをお借りし、登山バッチを買いました。

 

◆硫黄岳山荘について

<基本情報>

収容人数:約180人

開設時期:およそ4月~11月

素泊まり:6500円

テント場:なし

参考:

硫黄岳山荘のご案内と設備

 

駒草神社については適当なネットサーフィンではわかりませんでした(笑)

何が祀ってあるんだろう。

 

硫黄岳に戻ってきて爆裂火口の端まで見に行きました。

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こりゃあ落ちたら死ぬわあ~。

 

さてここからは夏沢峠には戻らず、赤岩の頭経由で下りました

 

控えめに言って最高の景色でした、ハイ。

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良すぎる道。

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先程通ってきた稜線が全部見えました。

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砂の色が赤い。

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やっほ~~!

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ベストショット。

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(赤岳様にかかる雲は見えないことにしましょう。)

 

峰の松目までは行かずに最初の分岐をオーレン小屋に下りました。

誰もいない樹林帯をひたすらに下るとオーレン小屋に出ます。

 

オーレン小屋の前で休憩。

シャッターを押すタイミングでお父さんの椅子が傾き、1人「おっと!」ってなっているお父さんが写りました(笑)

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じわる………。

 

 ここからはまた登ってきた道を通って帰りました。

八ヶ岳らしい樹林帯。結構疲れましたが無事戻ることができました。

 

快晴で最高の山行でした。

 

感想

いやあ最高でした。

硫黄岳は中学の時の記憶では泊りで行ってもめっちゃきつかったのですが、今回は日帰りでしかも横岳まで行くことができて自分の成長を感じました(笑)

横岳の鎖とか梯子はちょっと怖かったけどわくわくしたし、これが山登りだって感じですごく楽しかったです。横岳に行くまでは自分のことを怖がりと思っていたのですが、意外と鎖も梯子も登れたので、なんというか自分に対する認識を改めることができました。

 

無謀な挑戦をすることは危険なことですが、本当はできることなのに「自分は怖がりだから」と挑戦しないこともすごく怖いことだなって思います。

 

Don't be afraid to dive

Be afraid that you didn't try

 

ワンオクの新曲の歌詞。心に響きますネ…。

 

まずは挑戦してみる精神を大事にしていきたいです(/・ω・)/

山登りしていると、まだ知らない自分のポテンシャルがどんどん見えてきたりして本当に楽しいです(*'ω'*)