やまとりにっき

山登りやお出かけを中心とした日々のあれこれです

<山行記録> 南ア 甲斐駒ヶ岳 1日目 ~テン泊装備で登る黒戸尾根~ 2022.6.17-18

こんにちは。

今日は甲斐駒ヶ岳を黒戸尾根から登った1日目の記録です。

甲斐駒ヶ岳について

甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ)は、長野県伊那市山梨県北杜市にまたがる標高2,967mの山です。

南アルプスの北側に位置しています。

 

水成岩が多い南アの中では珍しい花崗岩の山で、無雪期でも白く見える山肌が特徴です。

全国に18座ある「駒ヶ岳」の中では最高峰。

武御雷命(たけみかづちのみこと)が生んだ天津速駒(あまつはやこま)という羽が生えた白馬が、夜になると甲斐駒ヶ岳の頂で眠っていたという神話が山名の由来だそうです。

 

参考:

甲斐駒ヶ岳 (かいこまがたけ) - 駒ヶ岳(こまがたけ):2,966m / ヤマケイオンライン

甲斐駒ヶ岳 - Wikipedia

 

山行記録

6:40尾白川渓谷P ー 8:50笹ノ平分岐 ー  11:40五合目小屋跡 ー 12:45七丈小屋

下山YAMAP起動を忘れていました…

 

初甲斐駒は黒戸尾根で

はじめに

いつぶりのやまとりにっき…皆様いかがお過ごしでしょうか。

ふみかーは、生きております。(笑)

平日は早出・残業に、休日は山(最近は週2ペースで行っています)という生活で、とてもとてもブログを更新する余裕がなく…。

もし万が一にも更新を待っていてくれた方がいらっしゃいましたら、本当に申し訳ございませんでしたm(__)m

久しぶりの投稿は、黒戸尾根経由甲斐駒ヶ岳テント1泊の記録(意味:小爆弾投下)ということなのですが、さすが日本三大急登、結構きつかったです!(笑)

梅雨の晴れ間でそこそこの良い天気だったとはいえ、えぐい標高差と今シーズン初テン泊装備に全く余裕のない山行になってしまいました…ので、写真は控えめです、悪しからず(汗)

 

尾白川渓谷から笹ノ平

当日は6:30に尾白川渓谷Pに集合。

今回は、Kさん(ニューフェイス)が同行してくれました!

この方は某山道具店のショップマネージャーさんでして、お店で仲良くしていただき、今回の山行にお誘いいただいた次第です。謝謝!

 

尾白川渓谷Pは「天空のビーチ」で有名な日向山の登山口でもあるため、渓谷目的の観光客と相まってシーズンはかなり混むイメージですが、さすがは平日の朝とあってか到着したときは余裕でとめられるくらいのスペースは空いていました。

(ただ、帰りの時は警備員さんがいるくらいには駐車量がありました。)

日向山の記事はコチラです↓

yamatori0422.hatenablog.com

 

準備を済ませたら早速出発!

テントの入った重いザックに初めから文句が出ます(笑)

日向山の登山口を通り過ぎて、まずは駒ヶ岳神社方面へ向かいました。

 

駒ヶ岳神社はとても立派な鳥居を構えていて、杉の木や苔むした岩などが雰囲気良く、神聖な空気が流れているように感じました。

 

説明書き。

甲斐駒ヶ岳を開山したのは、諏訪郡上古田(現長野県茅野市)の小尾権三郎という修験者。

18歳で開山を志したというのだから驚きです。

21歳で初めて登頂に成功し、その後24歳という若さで亡くなりました。

参照:小尾権三郎 - Wikipedia

甲斐駒ヶ岳山岳信仰の山なので、ほんの少しネトサしただけでも興味深い内容がたくさん見受けられました。

うん、時間のある時に勉強するかな(一生できない)。

 

駒ヶ岳神社で道中の安全祈願をしてから、お社の奥にある吊橋を渡り、いよいよ登山開始です。

 

初めは新緑のような透き通った緑の森を登っていきます。

そういえばこの間カメラのレンズを水没させてしまい(渡渉でしくじった)、防湿庫で乾かして何とか使えるようにしたは良いもののレンズ内の曇りが取り切れず…ひどい写真をたくさん生成してしまいました(/_;)

レンズ内は目視できるくらい曇ってるので、良い写真を撮ろうとする方が無理な話なのですけれども。

自分レンズ壊しすぎ(これで2回目)。

 

良い香りのするお花が沢山咲いていました。

君の名は。

 

登山道は急登というよりか、だらだらとした登りが続くという印象。

急登が続くブナ立尾根(日本三大急登)とか、合戦尾根(北ア三大急登)とかに比べると、ぜーぜー言いながら標高を一気に上げるという感じはあまりありませんでした。

この尾根は、ただただ距離が長いのですね…。

 

風の通らない森に汗だくだくになってきた頃、笹ノ平という分岐に到着しました。

ここは横手駒ヶ岳神社コースとの分岐です。

少し広くなっていたので、ザックを下ろしてパンや行動食で英気を養いました!

 

笹ノ平から五合目小屋跡

笹ノ平から先も、しばらくは同じような森の中の登山道を歩きました。

 

ダケカンバがちらほら見え始めると、辺りは八ヶ岳を彷彿とさせる苔の森に。

Kさんもわたしも、ホームマウンテンの装いになんだかほっとしました。

 

しかし暑い。

この日は下界では真夏日に迫る気温だったようで、山の上とは言え汗が止まりませんでした。

湿気が多くムシムシとした感じで、首に巻いた手ぬぐいもいつの間にかびっしょり…。

思わず「冷蔵庫に入りたいです。」という言葉をつぶやいてしまうほど。

まだ6月なのになあ。

 

そうこうしているうちに、第一関門の刃渡りにやってきました。

事前情報で「言うほど怖くない」と聞いていたので何の気なしに登りましたが、なるほど確かに、いかちい名前の割には高度感はほとんどありません。

滑落防止(?)の鎖が張ってあってしっかり整備されていたので、テン泊装備でも安心して通過できました。

 

刃渡りからは、日向山の天空のビーチ「雁ヶ原」が雲の隙間に見えました。

八ヶ岳はちょと見えない…残念ながら雲が多めです。

 

刃渡りを過ぎたところから階段が出てきました。

かなり綺麗で新しい感じ。

手すりがなく、濡れているとつるんと行くやつなので慎重に…。

テン泊装備は自由がきかなくてつらい。

 

黒戸山を過ぎると登山道は緩やかな下りに。

頑張って登ってきたのに結構下っていくので泣きたい気持ちになりました。

下山の時はここを登るのかと思ったら、泣き喚きたい気持ちになりました。

 

がんがん下って到着したのは五合目小屋跡です。

広々として誰もいなかったので、ザックを下ろして休憩を取りました。

本当はここから甲斐駒ヶ岳方面が見えるようですが、この日はガスってて何も望めませんでした…。

 

五合目小屋跡から七丈小屋

五合目小屋跡からは再び登りが始まります。

祠の右手に続く梯子・階段を登っていきます。

依然よく整備されており、高度感や恐怖感を感じさせないしっかりした作りの階段たちなので安心して登ることができました。

 

こんな感じの梯子のような階段が続きます(*'ω'*)

飽きなくて楽しい(*'ω'*)

 

橋もありました。

経年劣化して使えなくなった古い橋はそのままに、新しい橋が上にかけられいます。

 

足元スケルトンだったのでこれは地味に怖かったです(笑)

アイゼンの跡がすごい…冬も人が入っているんだなあ。

 

その後も梯子・階段・鎖が連続します。

背中の荷物が重いのでそろそろ崖下に放り投げたくなってきた。

 

一ヵ所だけ短い垂直梯子がありましたが、何事もなく通過し順調に歩を進めました。

 

もう小屋ついて良いのでは?と思い始めた頃、ようやく七丈小屋の建物が見えて安堵。

屋根のはるか向こう(のように感じた)には、甲斐駒の有名な二本剣が霞んでいました。

 

テント泊

七丈小屋・テントサイト

七丈小屋は第一小屋と第二小屋があり、第二小屋の奥に続く梯子を上って山道を5~10分ほど歩いたところにテントサイトがあります。

テン場も第一、第二と分けられています。

案内図

右の梯子を上ってテントサイトへ行く

トイレが第二小屋前にあるため、テン場でトイレに行きたくなったら山道を5分くらい歩かなくてはなりません。

不便っちゃ不便ですが…今回はお天気も良かったのでさほど苦にはならなかったです。

テン場とトイレが離れているところは鹿島槍ヶ岳の冷池山荘に似ていますね、懐かし~。

yamatori0422.hatenablog.com

 

トイレは個室が3つ。

女性専用トイレが1つ完備されており、とってもありがたかったです。

個室にはそれぞれアルコールスプレーが用意され、清掃も行き届いて利用しやすかったです。

手洗い場にはハンドソープもありました。

すごい!!

 

水は今の時期豊富で、第一小屋前とトイレ前の蛇口からあふれるように出る南アルプスの天然水を好きなだけ使うことができます。

ちなみに水が少ない春先などは有料になるようです(5月に訪れたという北村パイセン談)。

めっちゃくちゃ冷たくて美味しかったです!

プラティパス(いつもカルパスって言っちゃう)に1ℓ分汲んでテン場に向かいました。

 

第一テン場にはすでに先客3張がいらっしゃったので、わたしたちは上の第二テン場に張ることにしました。

第二テン場誰もいない

第二テン場は、第一テン場から1分ほど登った左手に広い芝のサイトがあり、右手に2張ほど張れるくらいの小さな砂のサイトがありました。

 

どっちに張るか迷いましたが、木の間から八ヶ岳が見える小さな砂のサイトの方に張りました。

今回の我が家は、おNEWの「アライテント トレックライズ1」✦

ついにソロテンを買ってしまったのです(/・ω・)/

同社のエアライズとゼログラム社のエルチャルテンと迷いに迷ったのですが、個人的に絶大な信頼を寄せるアライで長辺に入口があるタイプということで、こちらをチョイスさせていただきました~(あとエルチャルを買うにはお金がなかった)。

フライの色が地味でいただけないこと以外は(笑)大のお気に入りです。(アライテントならオレンジを選ばせてください、と言いたい。)

 

さてこちらのテントサイトですが、地中に石が多く埋まっているようで、ペグが全然刺さらず大変でした。

周辺にはアンカーになるような大きな石もほとんど見当たらなかったので、設営に時間がかかりました…。

しかしほぼ凹凸のない花崗岩のサイトで、エアマットなしでもゴロゴロできちゃうくらい快適!!(∩´∀`)∩

ここを選んで良かったです(∩´∀`)∩

 

テントからは八ヶ岳と雁ヶ原。

少し木が邪魔をしますが…綺麗です!

 

反対側には鳳凰三山がチラ見えしています。

正直に申し上げるとそこまで景色が良いテン場ではないかもしれません(森林限界超えた稜線上とかに比べちゃうとね…)が、木々に囲まれているので安心感はあります。

設営~撤退までほぼ無風で、静かな一夜を過ごすことができました。

こんなに穏やかなテン泊は久しぶりでした。

 

ご飯

テン場でのご飯は、料理が得意なKさんすべて作ってくれました。

 

1日目お昼:バーニャカウダー

いや、しょっぱなからこれが出てきてビビりましたね。

テン泊のQOL爆上げ。

もちろん最高に美味しかったです!

 

1日目夜:鯛茶漬け

もはや笑っちゃうくらいの豪華メニュー。

こんなの下界でもめったに食べられないんですけど…!(笑)

テント泊では食にこだわるというKさん、色んな山の楽しみ方があるんだなあとある意味勉強になりました(*'▽')

もちろん美味しかったです!!!

 

2日目朝:フレンチトースト

一見スクランブルエッグにしか見えないくらいふわふわなフレンチトースト。

有名ホテルの人気レシピで作ってくれました。

フレンチトーストの概念ぶち壊れました。

3食ほんとうにご馳走様でした!!

 

夕方と夜

夕方、穏やかに焼けた黒戸尾根の空。

ぐんぐん暗くなっていく山の空は、「夜の帳が下りる」という言葉がぴったりです。

 

第一テン場上から見た鳳凰三山

第一テン場は最終的に6組がテントを張っていました。

第二はわたしたちを含めて4組。

この日は平日だったこともあり、静かなテン場でした。

 

トイレと歯磨きを済ませ、翌日の甲斐駒ヶ岳ピークハントに向けて20:00頃就寝。

トレックライズ1の寝心地は最高でした!↓(足元に散らかるスタッフバック)

広い~✦

疲れ+平らな砂地サイト=秒で就寝。

21:00頃肌寒さを感じて上着を着こんだ以外は全く記憶のない一晩でした。

 

ちなみに就寝時の防寒ウェアは、(上)フリース+化繊インサレーション、(下)化繊インサレーション+薄めのダウンルームシューズを使いました。

シュラフは3シーズン用だったのですが、意外と寒かったかな。

インサレーションは冬山の行動着用に化繊タイプしか持っていないので、テント用に軽くてあたたかいダウン製のものを検討しても良いなあと思いました('ω')

 

というわけで1日目は終了です!

2日目に続く~✦

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