やまとりにっき

山登りやお出かけを中心とした日々のあれこれです

<山行記録> 南ア 甲斐駒ヶ岳 2日目 ~山頂で朝焼けを~ 2022.6.17-18

こんにちは。

今日は甲斐駒ヶ岳に登った2日目の記録です。

山行記録

1日目の記録はこちら↓

yamatori0422.hatenablog.com

2:00七丈小屋テン場 ー 4:15甲斐駒ヶ岳5:20 ー 7:00七丈小屋テン場 8:00ー 12:30尾白川渓谷P

 

甲斐駒ヶ岳山頂へ

2日目の朝は1:00に起床しました。

何故こんなに早いかというと、甲斐駒ヶ岳山頂でご来光を見るためです。

七丈小屋から山頂までは片道2時間ほど。

日の出は4:20くらいなので、逆算すると朝がめちゃ早い…というわけです。

 

前夜は20:00に就寝したので睡眠時間は5時間。

しっかり寝たはずなのに、体感は「まばたきしたら朝だった」ので、なんだか寝た気がしない。

…もうちょっと寝てても大丈夫だよ…という悪魔のささやきを振り払い、何とか起き上がりました(笑)

 

七丈小屋から甲斐駒ヶ岳

2:00にアタックザックでテン場を出発!

歩き始めてもまだ、あたたかいシュラフとテントが恋しくて全然テンションが上がりませんでした(笑)

 

だから道中撮った写真はこれだけ。

ハクサンイチゲかな?

夜も咲いてるなんて、なんだか変な感じ。

 

山頂直下は鎖場の連続でした。

攀じ登る岩はすべて花崗岩で、グリップが効いてなかなか登りやすかったです。

しかし前日の疲れを引きずっているこの時のわたしにとって、鎖場というのは超迷惑な障害物。

おまけに頭は寝ているので、ただただ無心で登り続けました。

正直あんまり記憶がないのです(笑)

 

山頂が近づいてくると足元はガレ場になりました。

暗くて良くわかりませんでしたが、ガレ場に近い岩場みたいな感じで割と険しめです。

ヘッデンの光を頼りにゆっくりと登りました。

 

気づいたときには森林限界を超えていて、後ろを振り返れば空が赤みがかっているではありませんか。

朝きた

眼下に見える夜景も綺麗で、少し目が覚めました。

 

駒ヶ岳神社本社まで来ると山頂はもう目と鼻の先。

本社と朝焼け

 

今度は真っ白にザレた道を歩いていくと、ほどなくして山頂に到着です。

はじめまして。

甲斐駒ヶ岳登頂です✦

 

山頂は風が強く、気温も5℃とかなり寒かったです。

防寒着を着込んで日の出を待ちました。

 

こちらは山頂にある祠。

この祠にはたくさんのわらじがかけられていました。

調べてみると、「足の不自由な人が神楽の舞い手におひねりを渡してわらじをもらい、家族が山頂に運ぶと治癒する」という言い伝え(信仰?)があるようです。

参照:

【連載】「甲斐駒開山200年 信仰と暮らし」<4> | 南アルプスNET|南アルプス市芦安山岳館

 

この日は雲が多く、はっきりとしたご来光を望むことは残念ながらできませんでした。

しかし、これだけ焼けた空。

大満足です。

 

山頂からは、朝日に霞む色々な山が見えました。

鳳凰三山とアサヨ峰

鳳凰三山

仙丈ヶ岳

鋸岳


山頂の白砂は弱モルゲンロート。

Photo by Kさん

なかなか良い色合いでした(*'ω'*)

この時はもうすっかり目が覚め、南アの主峰たちにただただ息を飲むばかり。

山深いために麓からはほとんど拝むことのできない姿を、この機会にじっくりと拝見することができました。

 

陽が上がるとマジックアワーは終了。

朝ご飯を食べてから下山しました。

 

甲斐駒ヶ岳から七丈小屋

明るくなった登山道は、真っ暗だった登りの時とは全く別の道のようで、「こんなところあったっけ」の連続でした。

歩きやすい

 

花崗岩の山らしい奇岩があちこちにたくさん。

イルカのような岩からは、燕岳が連想されました。

 

これは烏帽子岩二本剣

奥に霞むのは鳳凰三山です。

 

そういえば八ヶ岳権現岳の山頂にも剣が刺さっていますが、なんで剣なんだろう?と疑問に思って調べてみました。

でも、あまり詳しいことはわかりませんでした(リサーチ力の足りなさよ)。

う~ん、山岳信仰(修験道)が主に「不動明王」を本尊として祀っているからかな?

不動明王の像は、「三鈷剣」という、魔を退散させ人の煩悩や因縁を断ち切る剣を持つことを基本としているようで、つまりはこの不動明王の法具を山頂や登山道に奉っている(?)ということです。

三鈷剣は修験者が護摩※などの修法を行う際に用いていたようなので、この烏帽子岩の上でも修法が行われていたのでしょう、と適当な想像を膨らませております。

宗教ってムズイ。

護摩不動明王の前に護摩壇を設け、護摩木を焚いて息災、増益などを祈るもの。

 

参考:

不動明王 - Wikipedia

文化遺産データベース

護摩 - Wikipedia

修験道とは | 真言宗醍醐派別格本山 狗留孫山修禅寺 くるそんざん しゅぜんじ | 山口県下関市

 

それにしても、魔を退散させて煩悩を断ち切ってくれる剣…欲しい…。

 

岩場も鎖もぐいぐい下りました。

たくさん歩きました。

早朝のこの散歩が、2日間の中で一番しんどかったです(笑)

この日は下山日で、七丈小屋テン場から1800mをさらに下らなくてはなりません。

テン場に帰ってきた後、体力を回復させるため30分くらいもうひと眠りすることに(笑)

前日もテン場でお昼寝しちゃったし、もう春眠暁を覚えず状態…春はとうに過ぎ去ってるのだけどな。

 

下山

一晩お世話になったトレックライズを丁寧に畳んでザックにしまい、8:00頃に下山を開始しました。

さようなら七丈小屋。

また来ます!!

 

行きはよいよい帰りは怖い。

登山って大抵コレ。

閉口させられるロング下山路に、写真もあまり撮らずに黙々と下りました(また)。

 

長い下山路を歩いて歩いて歩いて…。

綺麗な森

 

やっと吊橋に戻ってきました!

最後は駒ヶ岳神社にお礼をして、この旅は終了です。

 

途中からわたしたちの後ろを歩いていた、関東からいらっしゃたったというソロのお兄さんに、「速いですね…驚きました」と言われるくらい淡々と歩ききりました(笑)

下山した後の安堵感は半端ない。

今回は達成感というより安堵感(笑)

 

お疲れ様でした~!!!

 

感想

いつかは行こうと思っていた黒戸尾根。

標高差約2200mという鬼尾根ですから、わたしにとってはかなりのチャレンジ登山でした。

出発前にいろんな方の山行記録を拝見し、とりあえず「まじできつい」ということだけは理解し腹をくくって挑んできました(笑)

でも意外と登れちゃった自分に驚いています。

覚悟を決めていたことと、連れて行ってくれたKさんと、そして新しいギアたちのおかげですね!(ソロテント、トレッキングパンツ、ザックは今回初下ろし。)

特に、1年近く納品を待って手に入れた新ザックに関しては想像以上に調子が良く、終始快適に歩けたのはこのザックのおかげと言っても過言ではないかもしれません。

(vlaminck(ブラマンキ)さんのBLANC(ブロン)というザックです。もう少し使い込んでから改めてレビューしたいと思います。)

 

ただ決して楽勝だったわけではなく、心身ともにかなり疲弊して余裕がない登山ではありました(笑)

こんなパンチのある山もたまには良いかもです…たまにはね(笑)

ただ疲れてしまって摩利支天には行けなかったので、次に甲斐駒ヶ岳に登る時は是非寄ってみたいと思います。