9/9~9/11にかけて、ずいぶん前から友達と4人で北アルプスの常念山脈縦走を計画していたのですが、天気が悪くとても楽しく縦走できそうもないということで代わりに上高地から焼岳ピストン日帰りをしてきました。
焼岳について
焼岳は長野県松本市と岐阜県高山市にまたがる2455mの山です。
頂上は長野県に位置し、百名山に指定されています。
北アの中で唯一の活火山で、常にどこかしら煙が出ていて硫黄のにおいがプンプンします( ・´ー・`)
だから昔は岐阜県側で硫黄岳と呼ばれていたそうです、今も呼んでるのかな?
焼岳は現在も活発に活動しています。
最近では1962年に水蒸気爆発をして、麓の松本市では降灰するほどで、山頂の近くにある焼岳小屋は灰に押しつぶされて4名の負傷者が出たそうです。
去年(2017年)の8月には火山性の地震が6回も確認された他、小規模な噴気が見られたりと、なんだかいつ爆発してもおかしくないような山ですね…。
そういうわけで、24時間体制で各種計測器やカメラで監視をされています。
2018年9月9日現在では噴火警戒レベルは1ですが、活火山であるということを頭において登らなければいけない山です。
焼岳には北峰と南峰があり、登れるのは北峰だけ、南峰は立ち入り禁止です。
南峰は岩が崩れやすくなっていて危険なのだとか。
焼岳で1番高いところは南峰なので、そこに登れないのは少々残念ですが、どうあがいても危険なものは危険、北峰の2444mで我慢しましょうねっ(十分高いよ!すごいすごい!(笑))
主な登り口は新穂高温泉の中尾高原、中の湯温泉、上高地の3つです。
中の湯か上高地から登る人が多いと思います。
どこに下りても温泉があるなんて、最高以外になんと言えばいいんだ!!!
上高地ルートでは梯子がありますが、どのルートもほとんど危険個所はなく日帰りが可能なので、北アの入門山と言えます。
山行記録
4:10 自宅 ― 5:40 沢渡駐車場(梓)6:00 ― 6:20 帝国ホテル前 6:25 ― 6:45 登山口 ― 8:45 焼岳小屋 9:50 ― 11:00 北峰頂上11:20 ― 12:10焼岳小屋12:25 ― 14:10 登山口 ―(上高地散策) ― 16:10 沢渡駐車場 ― (さわんど温泉)17:30 ― 19:30 自宅
焼岳に登るぞ
沢渡から帝国ホテル前
今回のメンバーは、大学のサークルのお友達2人と、地元の高校以来のお友達の計4人です。
サークルのお友達は山形からレンタカーで遥々来てくれました!
2人とも長野県の山を登るのは初めてだそうです(∩´∀`)∩
本当はこのメンバーで常念山脈を縦走する予定でしたが、秋雨前線の影響で天気がすこぶる悪い。
ということで、多少なりとも妥協感は否めませんが上高地から焼岳をピストンすることにしたのです。
ところで9月に入ってから天気悪すぎやしません???
アウトドアな毎日が送れないよ…(泣)
こちらが本日のメンバー。
左からMちゃん、Nくん、Uくん。
3人とも口裏を合わせたかのようにおそろいの赤いレインウェア着て来ちゃってさ!
私だけ仲間外れや(私のは青色)。
山形組の2人(Nくん、Uくん)とは沢渡の駐車場で待合せました。
日曜だったので激込みかなと思っていたのですが、幸か不幸か天気が最悪だったので駐車場にはまだまだ空きがありました。
沢渡から予約していたタクシーに乗り、帝国ホテルへ向かいます。
タクシーは沢渡から上高地まで一律4200円なので、4人いる場合はバスより安くなります。
帝国ホテルまでは20分ほど山道を走りました。
すでに雨が降っていて、運転手さんと「晴れれば最高なんですがね~」という話をしながら雨が止むことを祈る…。
運転手さんによると、9、10時頃には雨が止む可能性が高いとのこと(ほんとかいな?)。
帝国ホテル前に到着して車を降りると、さっきよりも雨がざんざん降っていました( ;∀;)
急いでレインウェアとザックカバーを装着。
帝国ホテル前から焼岳
帝国ホテルから登山口までは20分ほど遊歩道を歩きます。
ところどころに案内が出ているので、迷うことはないです。
登山口に到着。
「さすが北アルプスは標識もしっかりしてるね!」とNくん(笑)
ここを行きます。
張り紙には「登山口からしばらくして倒木あり。9月6日朝倒木周辺でハチに襲われた報告あり。襲われる可能性がありますので十分注意して下さい。」という警告が書いてありました。
登山での危険な生物第1位って意外にもハチだというのをどこかで聞いたことがあります。
張り紙されるとほんと、ビビっちゃう…。
とりあえずは様子を見ながら前進することに。
そういえば、ここに来る途中に「この先倒木あり、通行禁止」という張り紙とロープがあってだいぶ焦ったのですが、普通に来れちゃいました。
たぶん車両向けのメッセージだったんでしょうね。
止まない雨に早くもうんざりしながら森の中を歩きます。
登山道はどろどろになっていて、途中もう小規模な沼と化している場所がありました。私の靴のゴアはもう死にかけているので、足首に迫る水たまりなんか歩けば、じわりと水が靴下に染みてきました。
…最悪や…。
ここが噂の倒木個所。張り紙には「大きく迂回してください」の文字。
やんなっちゃうぜ~~~。
(それにしても、君は大胆に倒れたねえ。)
休憩中。
はじめの方はものすごく楽な道のりです。
傾斜はとーーっても緩やかで、森の中のお散歩♪って感じの平和感があふれています。
雨が降ってもきれいな水ですね。おいしそう…(飲めるのかしら)。
登山道の傾斜は歩みを進めるごとに急になっていきます。
途中から梯子が出現。
(この梯子はいらないんじゃないか?くらいの易しさ。)
急になった傾斜を登っていくと、落ちたらタダでは済まされぬであろう崖に取り付けられた鉄の橋があり、それを渡ってカーブを曲がると長めの梯子がありました。
ちょっとワクワクするやつや~~~~(∩´∀`)∩
梯子を見て「こういう梯子まだあるの?」と心配そうに聞くNくん。
「まだまだあるけど、、、このくらい平気でしょ??」と聞くと、「そういう意味じゃなくて、このスリルをまだ味わえるのかなと思って」と。
どうやらこの程度の梯子では満足できない、スリルを求めるNくんです(笑)
そうはいっても梯子は梯子。
1人ずつ安全に登ります(^^)/
てってと登るUくんはこの日最後尾を歩いてくれました。
この程度ならチャラ・ヘッチャラ☆ですね!
ここからいくつか連続した梯子を登ります。
いずれも短いので心配することはありません。
急に視界が開けると、どかんと広がったのは崖でした。
ここから目を凝らすと、遠くの崖に何やらながーーい梯子がかかっているのが見えました。
もしやあれが名物の梯子か…?(二ヤリ)
でした。
名物垂直梯子。
大喜びのNくん!!!!ワクワクが止まらない。
先頭きって登らせていただきました。たのすぃ。
雨でどろどろになるし滑るので、手袋はあったほうがいいです。
満面の笑みでピースサインを決めるNくんは私の次に登りました。
(ピント顔に合ってない…iPhoneむずい…(泣))
次はMちゃん。その後ろでピースするUくん。
彼女は槍の穂先に立ったことがあるそうですが、「あんな恐ろしいところもう2度と行かない」と言っておられました。
そんな恐ろしい梯子を経験したMちゃんですので、この程度の垂直梯子は余裕でクリア。
ちなみにMちゃんは数々の市民マラソンに出場するランナーでもあります。
狂人的な肺活量と脚力をお持ちであるということです。
まじでおそるべし体力お化けです。(ここは要強調)
梯子を登り切れば、今度はちょっとした鎖場がすぐあります。
が、鎖がついているのに明らかに使わないほうが楽に登れるというよくわからない鎖…。
この鎖を使う登山者が果たして何人いるのだろうか。
鎖場を超えてどんどん進むと、再び森が開けて崖が見えるようになります。
ここから頂上付近が見えるはずなんですけど、案の定ガスの中でした。
しばらく歩くと「焼岳小屋まであと121歩」(122歩だっけ??)と書かれた石がありました。
とりあえず頭の中で歩数を数えながら歩いてみると、大体120歩でした!(笑)
こういう標識って大抵嘘つくので、今回も疑ってかかっていました。
それについては謝りたいと思います、ごめんなさい。
焼岳小屋。
またまた味のある山小屋でした。
◆焼岳小屋について
収容人数25人の小さくてかわいらしい山小屋です。
ホームページには「シーズンは予約なしで泊まれます」と書いてありました(いっぱいにならないのかな?)。
素泊まり5500円と比較的リーズナブルな小屋だと思いました!
トイレは汲み取り式なので、きれい……ではないかも(^▽^;) まあ山のトイレなんてこんなもんだ。
アルバイト募集中という看板が出ていました(笑)
1928年に建てられた小屋は1962年の噴火で倒壊してしまったため、1968年に今の新しい小屋が建てられたそうです。
小屋にはバッチや手ぬぐい、本などのオリジナルグッズが売られていました。
雨をしのぎながらコーヒーを淹れるUくん。
どうでもいいんですけど私いまだにコーヒー飲めないんですよね…ショートケーキとかないと…。
がお子ちゃま舌治したい(;^ω^)
そして雨が止むのを待つこと1時間(笑)
止まねえ。そして超絶寒い。
10時近くになって、もうやむのを期待するのは諦めて小雨の中をしょんぼり出発。
出発してすぐ見えるこの丘は展望台ですが、もちろんこの日は霧展望でした(笑)
あーあ…。
展望台からしばらく行くと、登山道はガレガレになってきます。
ごーろ!!!
ここは噴気孔だと思いますが、煙がしゅうしゅう出ていました。ゆで卵臭い。
ガレ場は山頂まで続きます。
途中中の湯から来たのであろう団体さんと沢山すれ違いました。
団体さんとのすれ違いって本当面倒ですよね…。
団体さん側は「こっちは多いのでどうぞ行ってください」と大抵言って下さるんですけど、それが通じていない後ろの方の方とか、あと素人なのかなんなのかよくわからないけど、よける(道の端によけて止まる)ことをしてくれない人とか色んな人がいて、疲れる(笑)
もう4回目くらいの団体さんには「難しいので先行ってください」と言ってしまいました(笑)
団体で登るにしても、人数を考えて欲しい…。
頂上直下のきついガレ場をしばらく登ると、中の湯との合流地点に出ました。
これからよじ登る岩場に黄色くこびりついた硫黄(?)と、もくもくと休むことなく噴き出る煙。
これこそが活火山て感じ!
ガス晴れねえかな~~って。
雲の間からふっと見えた青い空。これは…期待……。
合流点から北峰まではすぐです。
ちょっと岩をよじ登るようなところはありますが、全く問題はありません。
へい登頂!ガス!!!
(下から一緒だったおねいさんに撮ってもらいました、ありがとうございます!)
GoProの出番があってよかった(/・ω・)/
Uくんが手にしているのはおやき。中は野沢菜だそうです。
長野満喫してるやん~(笑)
見事に霧で、もはや面白い。
穂高は心の目で見た。(笑)
下山
雨も降っているし風も少々出てきたため、おにぎりやらパンやらおやきやらをかじったら早々に下山しました。
なんか悔しいな…。
帰りは、悪天候の腹いせをするかのようにそれはもうがつがつと下りました。(笑)
途中でカエルを見つけました。
このカエルはどこで生まれたんだろうねという話になって、近くに沼とかないし、下で生まれたのだとしたらこんなに高いところまで登ってくるなんてどんな脚力してるんだろう、とか。
カエル1匹で10分は喋っていられる4人組です(笑)
行きと同じルートをたどります。
雨でぬれた石灰みたいになった土が滑る滑る。
岩も下手に乗ればすってんころりん間違いなし(Uくんは2回ほどこけ、他3人も躓いたりなんやかんやしました)なので、慎重かつ迅速に下ります…。
ガレガレのザレザレ道を下るのは神経使いますね。
コースタイムを巻きで焼岳小屋に戻ると、雨はほとんど止んでいました。
おい、止むタイミング違くないか????(怒)
小屋で10分ほど休憩してから、またどすどすと下山(笑)
途中、往路では望めなかった向かいの山がちょっとだけ見えました。
(このような雲がはちゃめちゃに好みなんです。)
さらに梓川っぽいのが見えました。
綺麗。
そして長い梯子に帰ってきました。上ったからには下りなければならぬ。
こういうのは下りるのが怖いんですよね。
樹林帯では特に撮るものもなく、ただひたすらに下るのみでした。
道は大雨のせいで川になっており、その中をなるべく濡れない道を選んで歩きました。
しかしその努力もむなしく、レインウェアの足元や靴はべしょべしょのどろどろになりました(ここで悪態をつく)。
焼岳小屋からコースタイムを30分近く巻いて登山口に戻ってきました。
ちょいと飛ばしすぎたかな(笑)
なんだかすっかり雨が上がって、霞沢岳方面も見えました。
か~、なんかむかつくなあ(笑)
河童橋
下山後はUくんのリクエストで河童橋を見に行くことに(=゚ω゚)ノ
梓川左岸の遊歩道を歩いていきました。
上高地は朝よりも人通りがとても多くなっていて、観光地の雰囲気があふれ出ていました!
川霧。
梓川にはよく霧が発生しているのを見かけます。
川の上だけにもやもやと漂っている霧は本当に幻想的ですね。
槍ヶ岳から上高地に流れる梓川は平地に行くと奈良井川と合流し、犀川と名前を変えます。
犀川は千曲川と合流して、長野県から新潟県に流れていき、新潟県に入ると信濃川と名前が変わります。
信濃川(千曲川と呼ばれる部分も含む)は日本一長い川で知られています。
目の前で流れている梓川の水が、今から日本一長い距離を旅して海を目指すのかと思うと、頑張れ~と応援したくなります(笑)
ありゃ~…穂高は雲の中。
かろうじて西穂(独標?)が見えました。
(独標も登りたいな~~。)
明神岳の頂上も雲の中。
何も見えねえ。
しばらく歩くと河童橋に到着しました。
橋の上には、橋が落ちるのでは?と疑うくらいの勢いで人が乗っかっていました(笑)
この日は天気が悪くて空いていたほうだと思うので、真夏晴天の日曜日にはどんだけこの橋に人が乗るのか考えると恐ろしくなりました。
さすが上高地…。
◆河童橋について
上高地のシンボル。
1891年(明治24年)に初めて架けられました。
その後4回の架け替えがあり、現在の橋は5代目だそうです。
芥川龍之介が、1927年に発表した小説『河童』においてこの河童橋や上高地を登場させたことはとても有名な話ですね。
1909年、当時17歳だった芥川は友人とともに上高地から槍ヶ岳を登っています。
『河童』もこの時の経験から書かれたと考えられます。
河童橋という名前は、誰がどういった経緯で命名したのかははっきりとわかっていません。
諸説ありますが、その真相は未だ謎のままです。
ちなみに芥川の槍ヶ岳登山記である『槍が岳に登った記』は私の読んでみたい本の1つです(=゚ω゚)ノ
えっと、大変申し訳ないんですけど、なぜか河童橋の写真撮ってなかったです(笑)
ほんとにポンコツで困る…。
追記:後に上高地散策したので興味がある方はこちらを参考にしてください。
さわんど温泉
歴史ある河童橋を堪能してから、タクシーに乗って駐車場まで帰りました。
沢渡駐車場「梓」の隣にはさわんど温泉「梓湖畔の湯」があるため、旅の疲れを癒すことに。
小さいですがとても素敵な温泉で、永遠に出られなくなるのではないかと思うほどいいお湯でした(笑)
入っていて温泉について気になったので家に帰って効能とか調べてみました。
◆さわんど温泉「梓湖畔の湯」について
源泉かけ流しの日帰り温泉。平成10年に掘削された、松本で1番新しい温泉です。
源泉温度は74度(あっつ!)。
気になる効能は、神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進とのことでした。
ほんとに気持ちよかったです(∩´∀`)∩
さて、温泉で疲れを癒したらすでに17:30。
楽しい時間は本当にあっという間に過ぎてしまいますね。
山形組の2人とは新島々駅でお別れ。
2人にとってせっかくの初アルプスは残念ながら終始雨だったけど、楽しんでくれたかや?(ちなみに私はめちゃ楽しんでたよ(笑))
これに懲りずに、また信州の山へ遊びに来てくださいな(/・ω・)/
反省
温泉に行くのに荷物になるからと着替えを持っていかなかったことかな~(笑)雨で若干湿ったTシャツが不快でしかなかった( ・´ー・`) あと靴も( ・´ー・`)
そしてレインウェアと靴、さすがにどうにかしないと水をはじかなくて困る。
レインウェアはそろそろ買い替えとしても、靴は問題だな…。
解決策を模索中。
感想
もともと3人以上で登山ってとても苦手だったのだけど、今回の4人はすごく楽しくて、雨中山行でもワイワイ歩くことができました。
今まで上高地は人が多いからと避けてきたエリアだったので、この機会に行けて良かったし、焼岳も前々から気になってはいたので登ることができて満足です(*´▽`*)
最近なぜか雨の中登山することが多くて、悪天候に慣れつつある…。
でもやっぱり晴天の大展望がいいなと改めて思ってしまいました(笑)
また焼岳に登ることがあれば、やっぱりその時は晴天で立派な穂高連峰の姿を拝みたいと思いました!
一緒に行ってくれた3人に感謝~(^^)/