こんにちは。
今日は小遠見山に登った記録です。
小遠見山について
小遠見山(ことおみやま)は長野県白馬村にある標高2007mの山です。
ルート詳細については下記をご参照ください。
山行記録
8:30とおみ駅 =(五竜テレキャビン)= 8:40アルプス平駅
8:40アルプス平駅 ー 9:05登山口 ー 10:40小遠見山11:20 ー 12:20地蔵ノ頭 ー 12:35アルプス平駅
幻想的な厳冬期遠見尾根へ
エイブル白馬五竜スキー場
今回の相棒は同期の北村パイセン。
早朝、彼の車で本日の出発点、エイブル白馬五竜スキー場へ向かいました。
スキー場のテレキャビンという文明の利器を利用し、高度を稼ごうという魂胆です。
嬉しいことにいずれも駐車料無料で、約1500台分のスペースが確保されています。
テレキャビン乗り場から近いのは第1と第2です。
わたしたちは第1に駐車しました。
ゲレンデマップはコチラです↓
乗るのは全長2,013mの五竜テレキャビン。
料金は往復2,000/人です。
チケットはゴンドラ乗り場で購入します。
それを知らずにチケット売り場に行ったら、「乗り場で購入してください」と帰されてしまいました(>_<)
テレキャビンの運行時間は通常8:15-16:00です。
天候にも左右されますので、必ず直近の情報を確認しましょう。
乗り場のとおみ駅には8:00頃並んだのですが、そこそこの列でした。
運行開始から乗り込むのに15分待ちくらいだったかな?
お隣、唐松岳の登山口である八方のゴンドラリフトに比べれば、15分なんて待ち時間がないのと同じです。
コロナ禍なので、テレキャビンには1グループずつ乗り込みます。
他人を気にせず自由に過ごせるので、こういう面ではコロナに感謝かも。
ぐいぐいと高度を上げていき、テレキャビンはついに雲の中に突入しました。
薄雲に見えたので、「ワンチャンこのまま雲を抜ける!」と諦めないわたしたち。
だがしかし、終点のアルプス平駅についてもやっぱり雲の中でした(笑)
アルプス平駅から小遠見山
アルプス平駅から登山口に向かいます。
登山口へ行くために、はスキー場のゲレンデを突っ切ることになります。
パウパウでスキー・スノーボーダーには嬉しいゲレンデかもしれませんが、登るとなると結構大変…。
気を付けていないと滑走している人たちに轢かれそうで、びくびくしながら歩きました。
スキーやボードを楽しみに来た人たちの目には、ゲレンデを歩いている我々は頭のおかしな人にうつったことでしょう。
気温が低く、ゲレンデの端にある木々は霧氷で覆われていました。
青空だったら映えるのに!!!(笑)
リフト乗り場を2,3通り越して、ようやく登山口に到着です。
ここは2020年7月に訪れた時以来、1年半ぶり。
そういえば五竜もリベンジできていないなあ…。
登山口には、このような雪崩危険度を示す表が設置されています。
この日はどこもレベル2のようでした。
「moderate」とは「適度」という意味らしいので、適度に発生する可能性があるということでしょうか。
さて、問題はこの登山口からのトレースですが、まさかのBCスキー2本分しかないという…。
BCスキーはやっぱり浮力が凄いので、トレースを追っていくとは言え、ワカンで挑む我々にとってはほぼラッセルです。
もう少し人が入っている山域と思っていたのですが、天気の安定しない厳冬期の北ア北部は不人気なのでしょうか…。
色々と考えながら、とりあえず足は進めます。
まだらな雲が空を覆い、太陽はうっすら出たり、隠れたりの繰り返し。
せめて青空が出てくれたらな…オラに元気を分けてくれ…。
雪の斜面を強引に直登するスキーのトレースにヒーヒーになり、「スキーのシールはすごい」ということを実感させられました(笑)
頑張って登ってようやく樹林を抜けました。
左手になにやらモヤモヤと…君はなんて名前だい?
行く手はこんな感じです。
相変わらずのお天気~。
幸いなことは、予報通り弱風であるということ。
突発的な風は吹くものの、無風の瞬間もあるような、珍しく穏やかな遠見尾根です。
光がうっすら射す幻想的な稜線を歩くうちに、「これはこれで悪くないかも!」と思えてきました。
どこを見ても、何かのイメージ画像みたい。
背後には意外にも雲海が広がっていました。
雲の中から雲の海を見下ろす…不思議な体験だ…。
足元の雪は、固く締まっているところと膝まで埋まるところが混在している非常に歩きにくい状態でした。
スキーのトレースは、雪庇を警戒してかやや北寄りについていて、プチトラバースするような箇所は不安定な足場に少し躊躇してしまいます。
12本爪アイゼンでもサラサラの雪で滑るので、こういうところは手掛りが欲しいところ。
ストックと迷いましたが、扱いやすいピッケルを装備しました。
途中、靴紐の結び方が緩かったのか左足が攣ってしまったので、我らが救世主「グリーンダカラ」がぶ飲みのお時間です。
スポルティバは夏靴でも冬靴でも良く足が攣ります。
今更買い替えることもできないので、何とか付き合っていくしかないかな…。
ちなみに北村パイセンは冬山でわたしの足が良く攣ることを知っているので、「ああいつものやつね」的な感じで、文句も言わずずっと待っていてくれました。yasao。
足が治ったので再出発したら、程なくして上から滑走してくるBCスキーヤー2名とすれ違いました。
言わずもがな、我々の前にトレースをつけてくれていた方々です。
ドパウ斜面の滑走は非常に非常に気持ちよさそうでした(/・ω・)/
わたしもいつかツリーランしたいな。
登れば登るほどクラスト部分が増えて、足元は歩きやすくなります。
気温は-2℃くらい。
かなり暖かめです。
歩いてきた道を振り返ると、雪庇が成長中でした。
この白い稜線たまらんです。
そうして10:40小遠見山に到着。
標識は半分くらい雪の中でした。
遠くの天気悪そうなやつは中遠見らへん?
本当はここから大遠見山まで行こうかと思っていましたが、先ほど下って行かれたスキーヤー以外、わたしたちの前に入山した方はいないので、小遠見山からはもちろんノートレース…。
…しばしシンキングタイム。
一度歩いたことがある尾根でも、雪が積もるとどうなっているのか見当もつきません。
わたしにはノートレースの稜線に完璧なトレースをつける自信が全くなかったのと、断続的にやってくるホワイトアウトにも不安を感じていたので、今回はこの小遠見山で引き返すことにしました。
下山の前に、小遠見山の北側に少し下り、雪の上に腰を下ろして腹ごしらえ。
大好きな牛乳パンを食べました。
小遠見山で食べる牛乳パンも美味しかった!
気温-2℃でもじっとしているととても寒く、結局20分くらいしたら耐えられなくなったので下山を開始しました。
下山
下山は登りよりスタコラサッサです。
トラバースだけ少し注意。
春になって天気も雪も安定したらここまでのトラバースの必要はないのかなと。
また残雪期になったらもう一度来てみます!
皮肉なことに、下るごとに天候が回復してきました。
口惜しいですが致し方ない…(;´Д`)
南方には天狗岳と思しきイケメン山が、日光を浴びて浮かび上がっていました。
天狗岳…山と高原地図にはルートの表記がありませんが、どんな山なんでしょう?
雲をまとった姿は荘厳そのものです。
小遠見山から天狗岳までの稜線も見え隠れしていました。
今回のこの天気が悪い中、これだけの景色が見られたのは幸運なのかもしれません。
山の神様ありがとうございます。
光が変わると写りも変わるので、撮影も楽しくなりました。
次に来る時は雪の五竜を撮れますように!
樹林帯は、自分たちのつけて来たトレースをガン無視して一直線に下りました。
もっふもふのパウダーを一気に下るのは、ワカンダウンヒルの醍醐味です(*'▽')
途中何度コケたかわかりませんが、
無事地蔵ノ頭との鞍部まで下山しました。
ここから少し寄り道して、地蔵ノ頭に登ります。
鞍部~地蔵ノ頭間はトレースがなく、真っ新の綺麗な雪道でした。
地蔵ノ頭からは下界の様子をチラ見。
良い景色です。
地蔵ノ頭からはゲレンデに下り、アルプス平駅まで歩きます。
ゲレンデ内を歩くのはなんだか忍びない気がしてしまい、そそくさと速足で通過しました(笑)
お疲れ様でした!
感想
色んな天気予報を見て、ガス時々青空・風も弱い→大遠見まで行ける!とあたりをつけていたのですが、少々予測が甘かったようです(笑)
大遠見山は、ハイカーのトレースがついていないとまだわたしには厳しいかな…(笑)
BCスキー・スノーボーダーも、見かけたのは3~4組程度とかなり静かな山行でした。
しかしガスと光と雪が織りなす幻想的な世界はとても綺麗でした。
たまにはこんな心細目な山行も良いですね。
大遠見山リベンジは、今冬残雪期にするとします!