こんにちは。
今日は南ア南部縦走最終回、4日目の記録です。
(最終日の記録更新するのを忘れており、こんなに間が空いてしまいました、ごめんなさい(笑))
山行記録
千枚小屋 ー 見晴台 ー 滝見橋 ー 椹島ロッジ =(バス)= 畑薙第一ダム駐車場
1~3日目の記録は下記へ↓
さよなら南ア
朝
いよいよ縦走最終日。
名残惜しい気持ちと、早く下山してお風呂に入りたい気持ちと、でも下山路もロングコースだから心配だなという気持ちと…いろんな気持ちを抱えて4:30に起床しました。
一番疲れ果ててたはずなのに、何故が夜は1時間ごとに目が覚め、かなりの寝不足でした。
テントの中で、ぼけぼけの頭を必死に動かしてパスタスープ用のお湯を沸かします。
山の上って水の沸点が低いからか、パスタに芯が残るあるある。
奥歯に詰まるからやめていただきたいな…。
朝ご飯の片づけをしたあと、お手洗いに行く途中で日の出に遭遇しました。
1日が始まるわくわく感。
山の朝はこうでなくっちゃ。
千枚小屋の前からは大雲海に浮かぶ富士山とご来光。
後に師匠が一眼レフで撮影したお写真はこちら。
抹茶すすりながらお座敷で正座して眺めたい和の景色でした。
下山
テントを撤収し、6:30前に千枚小屋を出発。
疲れのせいか自律神経乱れまくってて腹痛を起こしておりましたが、整腸剤でごまかしながら歩きました。
一晩ちゃんと寝れなかったのも自律神経の乱れかのせい?
山の上でこんなになったことは初めてです。
最初は緩やかに下るしらびその森。
八ヶ岳っぽいけど、それよりも一層山深さを感じる登山道でした。
この辺りは風倒樹林と呼ばれ、台風や極地風などで10数年に1度程度被害を受けるそうです(案内板より)。
しばらく下っていくと道幅が広くなりました。
ここは木馬道と呼ばれる、昔木材を搬出していた道だそうです。
よくもまあこんな山奥から木を伐りだしていたよね。
昔の人には頭が下がります。
出発から1時間ほどで見晴台にやってきました。
この見晴台は、下山路から外れ、少し斜面を登ったところにあります。
前日歩いた赤石岳~千枚岳までの稜線が一望できる素晴らしい場所!
ひつじ雲が広がる秋めいた空も相まってしみじみしちゃいました。
(…まだ7月なんだけどなんでひつじ雲?)
師匠の一眼レフで記念に写真を撮り合いましたが、わたしは疲労で立つのも億劫だったので自称動かないカメラマンをやらせていただきました。
見晴台からはぐいぐい下りました。
標高を下げるごとに周りの森の雰囲気もどんどん変わります。
気温もどんどん上がります。
あっちい…。
2時間半ほど下ると階段が現れました。
もうすでに疲労から踏ん張れなくなっていましたが、手すりにすがってなんとか下りました(笑)
下山路も容赦ない千枚。
階段を下ると少しの林道歩き。
つかの間の歩きやすい道。
この辺りはミズナラが多く見られました。
案内板によると、幹周が4mを超える巨木もざらにあるようです。
何年そこでじっと風雨に耐えながら生きてきたのだろう。
林道が終わると再び山道を下ります。
この下山路、何が嫌かって終盤に激登が待っていることです。
下山路なのにめっちゃ登らされます。
ここは師匠と「Remember Yesterday(千枚岳)」を胸に、頑張りました。
前日大地獄を見て来たわたしたちなら、こんな登り(小地獄)ヘッチャラだぞ!という励まし合い。
しかし控えめに言って吐きそうでした。
疲労感とか苛立ちを全部通り越してもはや愉快になっていて、またも笑いが止まりませんでした(前日の悪沢岳、千枚岳と同じ現象)。
人は限界を超えると楽しくなっちゃうんですね(笑)
大きな大きな鉄塔がある場所がピークです。
ここが標高1,437mなので、単純計算で千枚小屋からの標高差は約1,100m。
結構下ってきました!
鉄塔からの下りは最初緩やかで、少し歩くと急坂になりました。
急坂は大きな岩がごろごろしているようなところばかりで、その岩につまずきまくってヒヤリハットを連発。
若干バスの時間を気にしていたので、余計足元がおぼつかなくなっていました。
もう勘弁してください、というところでようやく千枚大吊橋が登場しました。
これでようやく激下りから解放される…安堵。
この吊橋は、今回の旅で渡ったどの吊橋よりも頑丈でしっかりした作りになっていて、とても安心して渡ることができました(笑)
調べてみると2018年に竣工した新しい橋みたいです。
足元のはるか下を流れる大井川はすごく透き通っていました。
この辺りはほんとに水が綺麗です。
千枚大吊橋のあとはすぐに滝見橋を渡ります。
帰りのバスは、何かあった時のために一番遅い14:00椹島発のものを予約していました。
しかし予定より早く下ってこれたため、滝見橋の時点で10:20。
これ、頑張れば10:40のバスに間に合うかも…?
ということで、急ぎます。(笑)
最後の砂利道を早歩きで頑張りました。
日なたは頭が焼けるほどの厚さ…。
申し訳程度の日陰を選んで歩きました。
橋を渡ってからは平坦な砂利道だけだと思い込んでいましたが、なんと最後の最後に山道が待っていました。
くう~~!しんどい!(笑)
それでもバスのために頑張ります。
井川山神社の鳥居が見えたら椹島到着です。
へっとへとでしたが写真だけはちゃんと撮っている、ナイス自分。
こんなに疲れたのは防風雷雨の裏銀座縦走以来です(あの頃から4年…)。
なちい。
椹島
椹島到着は10:31だったので、バス発車まであと10分を残していました。
これは勝組、頑張った甲斐あった~~!!
とホクホク顔で椹島のバス停に向かいました。
ところが、バスは無情にも、わたしたちの目の前で出発したのでした。
…なんということでしょう。(笑)
帰ってからわかったことですが、この時時刻表を読み間違えておりまして、バスは10:40椹島発ではなく、10:30発だったのです。
世の中には、こんな感じでやり直せない過ちというのがあるのですよ。
\そんなもんだろ~うんざりするよ~/
さて、この次のバスはというと12:45発便。
2時間以上時間をつぶさなくてはならないということで…とりあえず売店でソフトクリームとコカ・コーラを買ってまったりすることに。
#やけ食いなどではない、決して。
ソフトクリームはこれ。
学生の時にバイトしてたスキー場でこれやったら、たぶん殴られてたんじゃないかレベルの芸術作品(?)
何の疑いもなくコレ作って渡してくれたおにいやん、帰りのバスの運転手さんでしたとさ。
めでたしめでたし。
着替えなどもしながら時間をつぶすと、12:45はあっという間にやってきました。
椹島発のバスは事前に整理券が配られ、その整理券順に一番奥から乗り込んでいくというシステムです。
整理券番号は序盤の方だったので、1番後ろから2番目の席に乗車しました。
この便は椹島利用者だけでなく、千枚岳からの下山者も多い時間帯ということで、補助席まで出してぎちぎちに乗ることになりました。
縦走の荷物がぱんぱんに詰まったザックは膝の上に置けと言われます。
コロナじゃなくてもこれは嫌~(笑)
ちなみにわたしの席はバスのタイヤの上だったらしく(足元がボコってなってるヤツ。(笑))一種の拷問でした。
バスは超満員で定刻に出発。
ほぼほぼ未舗装路を、ぼこぼこ下っていきます。
もちろん車内はありえへん揺れ地獄。
みんなでヘルメットかぶって大きなザックと共に揺れる図がおかしくておかしくて、マスクの下一人で笑いを堪えるのに精いっぱいでした。
バス酔いしたし足も痛かったですが、なんだか愉快なエンドロールでした。
駐車場でバスを降り、下山届を提出したら、長かった大縦走旅はこれにておしまい。
疲れと足の痛みと日焼けと汗臭さと、ちょっぴりの名残惜しさと…色々を抱えながら、師匠が運転する車で帰りました。
あ~~あ~~お疲れ様でした~~~。
感想
まず第一に、この4日間は今まで経験したどの縦走よりもきつかったこと!!特に3日目と4日目。師匠がテントを持ってくれたからなんとか歩ききれましたが、そうでなかったら一体どうなっていたことか。でも、今までで一番という指標ができたので、今後大抵の山なら「南ア南部を縦走できたんだから大丈夫」と思って歩けそうです(笑)
第二に、南ア南部の山は今まで見て来たどの山よりも規模が大きかったこと。少なくとも中部の山々の中では圧倒的な規模感でした。玄人山と言われるのも大いに頷ける。こんな世界を一度でも見られて良かった…そう思える素晴らしい山々でした。
第三に、人が少なくて最高だったこと。同じ日本アルプスでも、北アとは全く違う未開拓感がありました。人のいない静かな山行が好きな方にはお勧めです。
この山行を総じて表現するのであれば「きつかった」が8割を占めてしまうので、気軽にまた行きたいとは言えないのですけど(笑)、今まで知らなかった世界をまたひとつ知ることができてとっても良い思い出になりました。最後に、全力サポートしてくださった師匠には感謝しかないです。本当にありがとうございました!!